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【宮本あさかのツール2020 レースレポート】三つ巴のマイヨ・ヴェール争奪戦に「王手」をかけたサム・ベネット「ライバルたちがあまりに強すぎて、僕はこうするしかないんだ」 / 第19ステージ
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかしかし吸収は次なる攻撃のきっかけでしかない。この日のスタート地で生まれ育ったピエールリュック・ペリションが、ガツンと攻撃を繰り出した。これをきっかけに我も我もと飛び出しが相次ぎ、いつしか前を行く4人を含む、14人の先頭集団ができ上る。ところが肝心のボーラが1人も選手を送り込めていない!残り36kmで、またしても逃げは潰された。
改めてペリションが動くと、再び五月雨式にアタックが続く。もはやコントロール不能な状態に陥り、プロトンは長く細く伸びていく。そこにカレブ・ユワン脱落の一報が飛び込んできたものだから、さらにスピードは上がって..またしても3人のマイヨ・ヴェール立候補者はこぞって前線へと踊り出す。つまりベネット、サガン、トレンティンを含む12人が、ラスト30kmで、一団を作り上げた。
ベネットの補佐役ドリス・デヴェナインスと、トレンティンのチームメートのグレッグ・ファンアーヴェルマートも、一緒に先頭集団へとついてきた。ミッチェルトン・スコットはルカ・メズゲッツとジャック・バウアーの2人を、サンウェブはニキアス・アルントとクラーウアナスンの2人を、それぞれ前方に配置した。一方でオリバー・ナーセン、ジャスパー・ストゥイヴェン、ルーク・ロウは単独参戦。なにより、サガンも、ひとりぼっちだった。
「今日は区間勝利を手に入れるために、可能な限りの手段を試したし、チームはベストを尽くした。でも最後に飛び込んだ集団には、選手を2人ずつ送り込んだチームが4つあった。僕ひとりであらゆるアタックに対応するのは、どうしても不可能だった」(サガン)
まさに2人を擁するCCCから、残り17kmでトレンティンが強烈な加速を切る。軽い上りで、イタリアンスプリンターは、幾度となく、攻撃を畳みかける。ここに真っ先に反応したのは、なにを隠そうサガンである。しかし下りで攻撃が一旦止み、集団内で再び、3者が飽くことのない警戒合戦を再開すると..。
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