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サイクル ロードレース コラム 2020年9月10日

【宮本あさかのツール2020 レースレポート】堂々たる王者たちの張り合いは、最後の一瞬で均衡が崩れた。完全に自分の軌道を最後まで貫いたユアン「タイミングも場所もまさしく正解だった」 /  第11ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「あまり欲張りたくない..というのは冗談だけど。ツールに乗り込んできた時点ではマイヨ・ヴェールのことは考えていなかったし、今から狙うには遅すぎる。だって他の選手たちはすでにかなりのポイントを収集してしまったからね。数年後にはもしかしたら目標にはなるかもしれない。でも今の時点では、区間を勝つことだけでも、僕にとっては重圧が大きいんだ」(ユアン)

強豪たちのスプリントをきっかけに、集団スピードはクレイジーなほどに加速していく。スプリンターチームも総合系チームも入り混じって、最前列で高速隊列を戦わせた。あまりの熾烈さに、体調不良のグレゴール・ミュールベルガーはもはや走り続けることが不可能になった。あまりに高速で道幅の細い市街地に突入したものだから、ヨン・イサギレは家壁に激突した。ミゲルアンヘル・ロペスにとって貴重な山岳アシストは、鎖骨と中手骨の骨折で、即時リタイアを余儀なくされた。

ぎりぎりの均衡を保ちつつ、プロトンはポワティエと突進していく。しかし、残り6.2km、一気にカオスが訪れる。ルーカス・ペストルベルガーが単独で飛び出したせいだ。2017年ジロ・デ・イタリア初日、列車牽引役ながら不意にラスト2kmで加速し、そのまま後方に大パニックをふりまきつつ逃げ切り勝利を奪った張本人である。さらにドゥクーニンク・クイックステップさえ相乗りした。ボブ・ユンゲルスとカスパー・アスグリーンの健脚が後方から追いついてくると、猛烈に前を引いた。

緑ジャージを巡る2チームのぶつかり合いだったのかもしれないし、もしかしたら、ロット・スーダル列車を痛めつけるための攪乱作戦だったのかもしれない。すでに3人がリタイアで去り、ユアンの周りにはもはや4人しか残っていない。アシストたちが必死の追走で脚を削れば、自ずと最終補佐は手薄になる。

「たしかにもはや僕を守ってくれる選手はそれほどいない。でも、ボーラとクイックステップがアタックした後、チームメートたちはとてつもない仕事を成し遂げてくれた。ロジャーが最前列に立って引っ張ってくれたし、みんなすごく奮闘してくれた。冷静に、110%の力を尽くしてくれたんだ」(ユワン)

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