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【宮本あさかのツール2020 レースレポート】堂々たる王者たちの張り合いは、最後の一瞬で均衡が崩れた。完全に自分の軌道を最後まで貫いたユアン「タイミングも場所もまさしく正解だった」 / 第11ステージ
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか2番手でラインを越えたサガンだが、フィニッシュ後に、審判団により降格処分が下された。UCIルール2.12.007「他の選手の進行を邪魔しつつ、もしくは危険にさらしつつ選択した軌道を逸脱し、イレギュラーなスプリントを行った」として、1)同時にフィニッシュした集団の最下位に降格(2位→85位)、2)500スイスフランの罰金、3)マイヨ・ヴェール用ポイントを13pt減点。一方でファンアールトに対しても、不適切な振る舞い(中指を立てる)があったとして、罰金が科されている。
つまりサガンは区間2位のポイント20ptを丸々失ったのはもちろん、中間ポイント4位通過で手にしたポイント13ptさえ泡と消えた。史上最多7度のマイヨ・ヴェールを誇るサガンだが、2020年大会は相変わらず苦戦が続いている。首位ベネットとの差は68ptと広がり、すぐ後ろの3位コカールには18pt差に接近された。8度目の緑ジャージ獲得に、黄信号が灯り始めた。
肝心の黄色いジャージは、プリモシュ・ログリッチが危なげなく守った。チームメートが勝てなかったことだけは、ほんのちょっと悔しかったようだけれど。
「スプリントの映像を見たけど、審判団は正しい判断を下したと思うよ。僕ら選手はフェアプレーを守るべきだ。たとえスプリンターたちは僕らとは違う人種で..ちょっとクレイジーな奴らでもね。ワウトがスプリントするかしないかは、最終的には彼が決めること。今日は素晴らしいスプリントをしてたよね。それに彼のような選手が側にいるのは、僕にとっても有利なんだ。だって最終盤の細道や上り下りも、彼のおかげで難なく最前列にいられたんだから」(ログリッチ)
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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