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バスケットボール コラム 2026年9月7日

【9月2日、5日、6日開催:オータムリーグ レポート】ひざの大ケガから1年半ぶりに復帰。豪快なダンクで存在感を出した中央大の深澤桜太

バスケットボールコラム by 青木 崇
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2025年3月、中央大の2年生になる直前、深澤桜太(土浦日本大・3年)はバスケットボールキャリアの危機とも言える左ひざの大ケガに見舞われた。200cmの日本人ビッグマンとして将来を嘱望されていただけに、そのケガは深澤が心身両面で大きく落ち込んでも不思議ではないものだった。

「去年のシーズン前、(活動が)始まった直後にケガをし、丸1年出られなくてチームのみんなに迷惑をかけたと思っています。リハビリしながらとか、練習を見るのが最初はすごく嫌だったし、同じポジションのカッター勲生(名古屋・4年)が試合で活躍するのはすごく自分としてとても悔しかった」

当時をこう振り返った深澤だったが、時間の経過とともにチームメイトは復活を待ち望んでいることを実感するようになる。

「みんなが自分を待ってくれていたし、それに応えたいと思い、トレーニングを1年半一生懸命に頑張ってきました」

苦しい日々を歯を食いしばって乗り越えた深澤は、9月5日の明治大戦で戦列に復帰。先発センターで起用されると、高校の先輩である塚田大聖(土浦日本大・4年)とのマッチアップでは、ポストプレーから積極的にゴールを狙いにいった。得点を奪うことはできなかったものの、塚田が「壁だと思いました」と語ったように、リハビリ中に大きくなった上半身を生かしたフィジカルなプレーを見せることができた。

1Q7分22秒に塚田のドライブを止められずに2ファウルになってベンチに下がったが、中央大の荻野大祐コーチはディフェンス対応で苦労することを想定済みだった。2Q開始時に再びコートに戻った深澤は、セットオフェンスからゴール下に動いてパスをもらうと、ターンしてからのショットを成功。復帰後初得点を見た中央大のベンチや応援する人たちは、大歓声を上げた。

「今日は1年半できなかった悔しさを思う存分、自分の責任を全うして頑張ろうと思って、試合に臨みました」

2Q7分24秒には、坂口大和(北陸学院・4年)とのピック&ポップから3Pショットを成功。3Q8分27秒には塚田との1対1からフックショット、4Q9分0秒には明治大の3Pショットに対してディフェンス対応したあと、速攻で走ってダンクを叩き込んだ。11分15秒間と短いプレータイムだったが、9点は復帰初戦として上出来と言えるものだった。

「トレーニングをしてきて筋肉量もケガする前より違うし、フィジカルもついてきたと思う」

こう語る深澤は、筋力アップによって、ジャージはインナーを着ているかのように身体にぴったりと張り付いていた。1年半という長い道のりを経ての復活は、日本体育大との開幕戦に勝利した後に苦戦が続く中央大にとって大きなプラス。まだ100%のコンディションとは言えないが、深澤が攻防両面でチームに欠かせない選手になるための第一歩を踏み出したのは間違いない。

4年生が軸のチームとして上昇の兆しが見えた日本体育大

春のトーナメント4連覇を成し遂げた日本体育大は、1勝2敗のスロースタート。中央大との開幕戦はオフェンスが停滞し、山梨学院大戦は4Qで32点を献上するなど98失点での敗戦を喫していた。しかし、藤田将弘コーチにとっては、決して予想外のスタートではなかった。コネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメード(帝京長岡・4年)ら最上級生を軸にしたチームであっても、経験値は他校のスターターに比べると低いという認識を持っている。

「彼らがスターターになって1年目のことなので、春は短期決戦で獲れたというところです。4年生が長いリーグ戦において、バスケットの数字でないデータ(を集めること)が大事と思っています。コネ以外は初めてのスターターなので」

中央大と山梨学院大に敗れた試合は、歯車が噛み合っていない感があった日本体育大。しかし、9月2日に開幕から3連勝を飾っていた白鴎大戦で逆転勝利を手にしたことは、浮上へのきっかけになるかもしれない。

「ちょっと気負いすぎて、なんか変なところに力が入ってしまった感じが開幕から続いていました。白鴎の時に少し後半強くなれたことで、ちょっといいイメージで練習ができました」

藤田コーチがこう語ったように、92対63で快勝した国士舘大戦は、日本体育大が得意なアップテンポな展開で主導権を握ることができていた。全員が4年生ということもあり、スターターに対する信頼度は高い。藤田コーチとしては今後、ベンチ陣のレベルアップが勝利を積み重ねるカギと見ている。

「うちの課題はセカンド、サブの子たちです。ここでどれだけプレータイムを上げて、オフィシャルゲームの中で成長させられるかが、私自身の一番の悩みであり、それをやるには勇気がいる。そこを課題として、毎試合後にそういった話をしています」

開幕から4試合、日本体育大のベンチスコアリングの平均は9.5点だったが、国士舘大戦では41点。フィジカルの強さを武器にしたポストプレーからの得点や、アウトサイドからのショットを決められる宇田ザイオン(福岡第一・2年)は、21分20秒のプレーで11点、2リバウンド、3スティール、2ブロックショットを記録して勝利に貢献した。

9月6日の神奈川大戦でも、塚本夏生(仙台大附属明成・4年)が12点、山口瑛司(福岡第一・2年)が10点など、ベンチの選手で31点をマーク。週末の2連勝で見せたようなスターターをしっかりサポートできるベンチ陣の貢献度が上がってくれば、日本体育大は対戦相手にとってより厄介なチームになるだろう。

早稲田大はロールプレーヤーのステップアップで2位をキープ

東海大を追う早稲田大は9月5日の青山学院大戦、4Q残り1分23秒で10点差をつけられた。しかし、ここから驚異的な粘りを見せ、残り1.5秒に松本秦(洛南・2年)のフリースローで同点に追いつき、延長で青山学院大を107対101で振り切った。

38点の松本が肝心な局面でビッグプレーを決めたのは、勝敗を分けた一因だろう。しかし、4Q途中まで苦しい状況が続く中、引き離されすぎずに済んだのは、嘉手川太智(開邦・4年)が30点、10リバウンドのダブルダブルという大活躍によるところが大きい。

「プレーよりも自分がチームを勝たせる。相手にとって一番厄介なのは、松本でも、三浦でもなく、自分なんだっていうのをずっと意識して試合をしています」と語る嘉手川が、オープンの3Pショットだけでなく、ペイントにカットしての得点、身体を張ってのリバウンドやルースボールなど、攻防両面で動き続けていたのは非常に印象的だった。

翌日の明治大戦も序盤でスロースタートを切ってしまい、1Q4分41秒で4対17、2Q開始早々に14対29という劣勢に陥る。青山学院大戦で右足首を痛めた三浦健一(洛南・4年)が万全でない中、途中出場の藤山拓翔(開志国際・3年)がステップアップしたことは、試合の流れを変えた点で大きな意味があった。

松本が7本の3Pを含む37点と爆発し、下山瑛司(中部大第一・4年)が15点、10アシストとゲームメイクで存在感を示す中、藤山は35分14秒という長い時間プレーし、フィールドゴールを9本中7本成功させるなど16点をマーク。「昨日の青学戦から後半に出て、その中で残り1分で10点差を逆転できたのは自分としても自信になったので、それを今回の明治戦の最初から出そうという意識でやったのが結果につながったと思います」と試合を振り返った藤山は、明治大を一気に引き離した3Q終了間際にブザービーターの3Pを決めていた。

4年生になってからスターターの座を手にした嘉手川、フォワードのバックアップ役を務める藤山のステップアップは、オータムリーグ2連覇を目指すチームにとってプラス材料。三浦、松本、下山のビッグ3をサポートできるロールプレーヤーが貢献しての勝利は、早稲田大がより強くなるきっかけになるかもしれない。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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