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バスケットボール コラム 2026年8月31日

【8月29〜30日開催:オータムリーグ レポート】神奈川大を初勝利に導いたのは今年先発PGの座を手にした斎藤

バスケットボールコラム by 青木 崇
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白鴎大との開幕戦を接戦で落とした神奈川大は、国士舘大との2戦目を65対60でモノにした。2部から昇格した国士舘大に苦しめられる時間帯もあった中、勝負どころでチームを救ったのが、19点、5リバウンド、3アシストをマークした斎藤佑真(藤枝明誠・3年)だ。

高校時代は赤間賢人(茨城ロボッツ)と同級生で、2023年のウインターカップ準々決勝で開志国際を76対74で破った試合では、ポイントガードとして14点、7アシストの活躍を見せた実績の持ち主。神奈川大に進学後の斎藤は、同じポジションに山本愛哉(ベルテックス静岡)と今野海輝(特別指定選手として昨季静岡在籍)がいたため、出場時間を得るのに苦労していた。

だが、2人が卒業した今年から先発している斎藤は、チームに欠かせない司令塔として大きな期待を寄せられている。神奈川大を率いる幸嶋謙二コーチは、斎藤を次のように評価している。

「今年は斎藤がメインです。去年は山本(愛哉)と今野(海輝)がいたので苦しい立場だったんですけど、彼は能力がありますし、あのように見えても負けず嫌いなんです。ケガで離れていた時期もあるんですけど、我々としては絶大な信頼を置いています」

白鴎大との開幕戦では12点、4リバウンド、3アシスト、5スティールと奮闘したが、チームを勝利に導くことができなかった斎藤。しかし、国士舘大戦はドライブからのフィニッシュやキックアウトのアシストなど、アグレッシブにゴールへ向かうシーンが多かった。

神奈川大は3Qで逆転し、4Q中盤で8点をリードする時間を作った。しかし、4Q終盤で国士舘大の追撃を受け、残り49.6秒で2点差まで詰め寄られる。この緊迫した局面で斎藤は、伊藤ハリー大河(浜松学院・4年)のスクリーンを使ってディフェンダーを抜くと、ヘルプディフェンスが対応する寸前でフローターを放つ。これがバンクショットとなってリングを通過し、残り24.9秒で61対57とリードを広げた。

 

3点差で迎えた残り2.8秒、斎藤はタイムアウト後のインバウンドパスをしっかりキャッチ。ファウルされた後のフリースローを2本とも決めたことで、神奈川大は国士舘大に65対60で競り勝った。斎藤は試合をこう振り返る。

「相手も自分たちも本当に落としてはいけない相手だと思っていたので、勝ててホッとしています。最初はいい形で点が取れていて、自分のところに(ディフェンスが)寄ってくればパスを捌いてという感じができていました。途中でちょっと停滞して、単発なプレーからタフショットが増えたので、自分が改善できればと思います」

昨年の神奈川大は、山本という絶対的なリーダーがいた。斎藤自身はガードとして、いい結果が出せるようにリーダーシップを発揮したいという思いがある。国士舘大戦の残り24.9秒に決めたビッグショットは、それをプレーで表現したと言っていい。幸嶋コーチが「負けず嫌い」と評する姿勢も、今季の斎藤に寄せられる期待の大きさを物語っている。

「プラスに働いている時もあると思いますが、たまに自分でムキになって(ペイント内に)突っ込みすぎることもあるので、そこはコントロールしながらやっていきたいです」

これから苦戦する試合に直面するかもしれないが、斎藤が強気なプレーをし続けることは、神奈川大が勝利を積み重ねるうえで欠かせない要素。山本のようなビッグプレーメーカーになれる可能性は十分に秘めている。

2連勝対決は東海大が100点ゲームで早稲田大を撃破

昨年の1位と2位の対戦は、東海大が104対92という早稲田大得意のハイスコアリングゲームを制した。東海大の勝因は、フロントラインの攻防で優位に立ったこと。ベンチから出てきたムスタファ・ンバアイ(福岡第一・3年)が16分19秒のプレーで21点、スターターの佐藤友(東山・3年)が19点、中川知定真(東海大付属諏訪・4年)も14点をマークした。

早稲田大は松本秦(洛南・2年)が36点と爆発し、チームとしても17本の3Pショットを決めた。しかし、東海大は轟琉維(福岡第一・4年)が19点、ルーニー慧(正智深谷・4年)が18点とガード陣が得点面で大きく貢献。すべてのクォーターで24点以上を奪っていた。

開幕からの2試合、東海大は山梨学院大、中央大というペリメター陣に強みを持つチームと対戦。入野貴幸コーチは連敗することも想定していたという。理由としてあげられるのは、新人インカレでケガした十返翔里(八王子学園八王子・2年)を欠く中、春の公式戦に出られなかったルーニーら上級生は戦列復帰から間もないこと。もう一つは、入野コーチが山梨学院、中央、早稲田はいずれもペリメター陣がいいチームであり、1部でトップクラスと評価しているからだ。

そんな状況下で山梨学院大、中央大戦を4Qの攻防で競り勝てたのは、早稲田大戦に向けてプラス材料だった。

「粘り強くやって最後の5分で流れが来るという、陸川(章)前コーチが作ったシーガルズのカルチャーを発揮できている。0-0のメンタリティだということをずっと話していて、どんな状況であっても、20点リードしようがビハインドになろうが、次の1本は0-0で変わらない。そこのメンタリティの話をして(試合に)入ったので、いい学びが出ていると感じています」

入野コーチがこう語る東海大は、早稲田大との点取り合戦を制し、白鴎大、日本大とともに3連勝のスタートを切った。

日本大で頼りになるリーダーとして存在感を増す山田

高校時代にU18日本代表経験があり、1年生時からローテーションに入っている山田哲汰(白樺学園・4年)は、2024年にインカレ制覇を経験。8月29日の大東文化大戦では11点、10アシスト、8リバウンドとトリプルダブル寸前のスタッツを残し、70対68で競り勝つ原動力になった。青山学院大との開幕戦でも12点をマークしただけでなく、常にチームメイトに声をかけ続けるリーダーシップを存分に発揮している。

「去年は4年生が主体となってプレーでひっぱっていましたけど、自分にはその華やかさがないので、常に声を出すことを意識しています。周りの悪い流れとかを見つけて、自分の声で断ち切るようにしたいです」

こう語る山田は、ドライブを武器にスコアラーにもプレーメーカーにもなれるコンボガード。ポイントガードとしてのゲームメイクがレベルアップしていることは、大東文化大戦のスタッツでも明らか。神奈川大戦ではショットの確率が悪く7点に終わったが、日本大の開幕3連勝に大きく貢献した。

Bリーグチームからの評価も高まる中、「自分の進路につながるところなので、ドラフトで指名されるためにもしっかり結果を出していきたい」と語る山田は、オータムリーグでの活躍に意欲満々だ。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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