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バスケットボール コラム 2026年7月14日

【第4回全日本大学バスケットボール新人戦 総括】関東5位から日本一へ 江戸川大が起こした最大のサプライズ

バスケットボールコラム by 青木 崇
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優勝 江戸川大

昨年の日本経済大に続き、今年は関東2部の江戸川大が新人インカレの頂点に立った。しかも、小野恵富(長狭・2年)が3x3のU21日本代表に召集されたため、チームの核となる選手を欠く中での戦いを強いられた。

しかし、司令塔の川畑嵐(昌平・2年)、センターのボヌ・ロードプリンス・チノンソ(藤枝明誠・2年)、身体能力の高い柳澤幸大(埼玉平成・2年)を軸に、チーム全体で小野の不在をカバー。東海大に快勝した準々決勝では菊田瑛暉(市立船橋・2年)、早稲田大に競り勝った準決勝で松澤登馬(山形中央・1年)がいずれもベンチから出てきて11点をマーク。大東文化大との決勝戦では、控えポイントガードの野口奏(桐生第一・1年)が前半終了時にブザービーターを含む9点を記録するなど、多くの選手が勝利に貢献。粂川岳勤コーチは、小野の代わりに先発した飯島滉太(2年・匝瑳)のスタッツに出ない仕事をしっかり遂行したことを高く評価していた。

「小野がいないとわかっていた中で、飯島が自分の役割を遂行してくれたので、それが勝てた要因かなと思います」

もちろん、最優秀選手となったロードプリンスがインサイドでの得点、リバウンド、ディフェンスのすべてで圧倒的な存在感を示した。東海大戦では27分40秒の出場時間で24点、22リバウンド、早稲田大戦ではほぼフル出場の39分54秒間で35点、23リバウンドというスタッツが、その支配力を物語っている。文句なしのMVP選出だった。

MVP ロードプリンス

しかし、川畑のゲームコントロールと得点力は、アップテンポでハイスコアリングのゲームを得意とする江戸川大のオフェンスが機能した最大の要因。28点、7アシストを記録した大東文化大戦は、前半で20点以上のリードを築く原動力になった。粂川コーチはこう語る。

「有名人のプリンスにはみんな目行きますし、今回も本当にMVP取ってすごいことなんですけど、やっぱり川畑の成長が一番のカギだったと思います」

新人インカレ優勝は、江戸川大にとって新たな歴史を刻んだ。ただし、1部昇格こそが、辿り着こうとする最大の目標であることに変わりはない。

準優勝 大東文化大

準優勝に終わったが、大東文化大は6位に終わった関東新人からの1か月で大きく成長した。西尾吉弘コーチは次のように振り返る。

「もう1回チームを作り直そうというところから、この1か月間、元々まじめな選手たちだから、本当に言ったことをしっかり遂行してくれる。個人面談をしてもう一度バスケット以外のところから見直して、それをやっていこうよという話をしたら、しっかり遂行してくれた。練習も1日1日、1週間もしたら別のチームになっていたので、その成長がすごく楽しかった」

グループステージで京都産業大、日本経済大という厄介なチームを相手にいずれも20点差以上をつけての大勝で準々決勝進出。日本大に競り勝った後の白鴎大戦では、ンジャイ・パプ・ンデリ・セク(八王子学園八王子・1年)がオカプ・チネドゥ(高山西・1年)とのマッチアップで12点、8リバウンドと攻防両面でステップアップ。石井一輝(福岡第一・2年)がチーム最多の16点をマークするなど、多くの選手が貢献して決勝に勝ち上がった。

決勝戦では江戸川大に前半で主導権を握られてしまって敗れたものの、後半の追い上げは正にチームが精神的なたくましさを身につけた証。関東新人からの心身両面での成長は、リーグ戦に向けて大きな収穫になったと言えよう。

3位 早稲田大

3位の早稲田大は松本秦(洛南・2年)が大会を通じて厳しいマークに直面し続けながらも、得点と3P成功数でNo.1という大活躍。白鴎大戦で45点と大爆発するなど、大学バスケットボール界屈指のスコアラーとしてインパクトを残した。早稲田大にとっての収穫は、野津洸創(藤枝明誠・1年)が留学生相手でもハードに戦い続けるだけでなく、江戸川大戦で27点をマークするなど得点面で貢献したことだ。松本は野津について次のように語った。

「関東の時は大丈夫かな?って思ったんですけど、江戸川の試合で彼の実力、ここまでできるという最低ラインを知ることができました。今まではどこまでできるかわからない感じだったので、洸創があのようなパフォーマンスできれば、相手は的を絞りにくくなるし、自分たちにとっても選択肢が増えるので、いい収穫だったと思います」

昨年の主力4人が卒業した早稲田大にとっては、野津のさらなる成長がオータムリーグで2連覇を成し遂げるためのカギになりそうだ。

4位 白鴎大

白鴎大は4位という結果に終わったが、早稲田大との3位決定戦で田中大貴(宇都宮ブレックスU18・1年)が13点、加藤駿(正智深谷・1年)が3P4本を含む14点とステップアップしたのはプラス材料。瀧豊多(仙台大附属明成・2年)が天理大戦の土壇場で逆転3Pを決めるなど、白鴎大は多くの選手が活躍できる層の厚さを示した。

関東新人戦を制した東海大のベスト8敗退は、予想外の結果と思われても仕方ない。江戸川大戦は1Qだけで33点を奪われるなど、ディフェンスで主導権を握るという展開に持ち込むことができなかった。今回の結果は、35点、23リバウンドをマークしたロードプリンスのような強烈な留学生を擁するチームに対し、ディフェンスで改善すべき課題が浮き彫りになったと言える。

関東新人5位の江戸川大と6位の大東文化大が決勝で激突した事実は、勢いと成長次第で勢力図はいくらでも変わることを証明した。新人インカレは改めて大学バスケットボールが実力拮抗していることを印象づける大会となった。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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