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バスケットボール コラム 2026年6月8日

【第66回関東大学バスケットボール新人戦総括】東海大がディフェンス力を武器に3連覇達成

バスケットボールコラム by 青木 崇
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3連覇を成し遂げた東海大

第66回関東大学バスケットボール新人戦は、東海大が早稲田大を104対80で下し、見事3連覇を成し遂げた。コーチも選手もディフェンスのチームと強調するように、東海大は準決勝までの4試合、相手をいずれも60点台に抑えて勝ち上がっていた。

MVP 十返翔里

早稲田大との決勝では80失点を喫したとはいえ、1Qで13点に抑え込んだディフェンスで主導権を握ったことが勝因。東海大は昨年のリーグ戦で早稲田大をディフェンスで止める答えがないまま連敗していただけに、高いモチベーションで試合に臨んでいたことがうかがえた。入野貴幸コーチは試合をこう振り返る。

「1クォーターであのような入りができて、ある意味あれが(勝敗を分ける)すべてでした。13失点のディフェンスを2、3クォーターとやれればよかったんですけど、早稲田さんは力があるのでなかなか点を防ぎ切れなかったです」

松本秦(早稲田大)

早稲田大の大黒柱である松本秦(洛南・2年)が前半で4ファウル、3Q序盤でファウルアウトになったことが、勝負の行方を大きく左右したのは明らかだ。それでも、決勝戦で38点の大活躍でMVPとなった十返翔里(八王子学園八王子・2年)と司令塔の渡邊大翔(東海大付属諏訪・2年)がチームを牽引。大田恭瑛(国際アート&デザイン大学校高等課程・2年)、渡部開(つくば秀英・1年)、サントス・マノエル・ハジメ(福岡大附属大濠・1年)は、フロントラインの選手として必要な得点とリバウンドで2人をしっかりサポートしていた。昨年の新人インカレ優勝メンバーである十返と渡邊が中心となり、1年生も戦力として機能したことが、東海大の3連覇につながった。

準優勝に終わったといえ、松本を軸にした早稲田大のハイパワー・オフェンスは、昨年のオータムリーグを制した時と同様、相手にとって大きな脅威になった。試合に出るのはスターター5人と控え1人という状況ながら、3試合連続で100得点以上を記録。準決勝の白鴎大戦でも95点を奪っての勝利。松本は相手の徹底マークに遭ったとしても、一瞬でも打てるタイミングがあれば、3Pラインの数メートルうしろからでもショットを決められる。

得点王・松本、アシスト王・宮本、リバウンド王・ロードプリンス

松本に相手ディフェンスが集中する隙に、白鴎大戦で15アシストを記録した宮本耀(福岡第一・1年)のクリエイトから南川陸斗(東山・2年)、木村魁斗(下妻第一・2年)、今村優志(東海大付属高輪台・2年)が得点するシーンも数多くあった。新人戦でキャプテンを務めた南川は、白鴎大戦で27点と大活躍。倉石平コーチが「精一杯やった。これ以上は…」と評価した木村と今村のステップアップも、早稲田大が決勝まで勝ち上がれた要因だった。

3位の日本大は、村田桂次郎(國學院久我山・2年)と平岡皇太朗(土浦日本大・2年)のガード陣の活躍が光った。村田は1点差で競り勝った神奈川大との準々決勝で17点、4アシストをマーク。平岡は白鴎大との3位決定戦でチーム最多の20点、11リバウンドと攻防両面で大活躍だった。

留学生のオヴァクポリィ・オゲメモメノ・ポール(別府溝部学園・1年)がインサイドで堅実なプレーをし、白鴎大の留学生2人を相手に19点、17リバウンドのダブルダブル。身体能力が高いスタークス・ジュリアン(別府溝部学園・1年)も4本の3Pショットを決めるなど、新人戦で大きな自信を手にした選手と言っていいだろう。ガード陣と留学生のバランスが取れた日本大は、新人インカレでも上位進出を狙える戦力を示した。

4位の白鴎大は、早稲田大戦と日本大戦でディフェンスの強度がいまひとつの時間帯を作ってしまった。それでも、網野友雄コーチは「“先輩たちを見ていて同じところに行けなかったらどうしよう”といった不安がありそうな感じの中で、4つまで来たというのは、もう1か月新人インカレに向けて練習できる」と前向きだ。

新人戦でディフェンスの課題が見えた一方で、オフェンスではインサイドでのフィニッシュ力が持ち味のオカプ・チネドゥ(高山西・1年)と、ウイングからも攻められるネブフィ・ケルビン・シェミリー(開志国際・2年)の留学生2人のさらなる成長に期待。新人インカレで頂点に立つには、ポイントガードを務める村上敬之丞(福岡大附属大濠・1年)、小田嶌秋斗(仙台大附属明成・1年)が質の高いゲームメイクをできるかにかかっている。

5位の大東文化大は留学生と近怜大成(仙台大附属明成・2年)のツインタワーが発展途上だ。白鴎大との準々決勝で9点に終わった和田拓磨(北陸・2年)は今後、強豪相手にオフェンスを牽引できる存在になれるかに注目したい。

6位で新人インカレの出場権を獲得した江戸川大は、ボヌ・ロードプリンス・チノンソ(藤枝明誠・2年)のインサイドでの存在感が強烈だった。ロードプリンスは3回戦以降の4試合で平均18.8点、20.8リバウンドをマーク。小野恵富(長狭・2年)と構成するフロントラインは、関東1部の上位校であっても対応が非常に難しい。新人インカレでは、昨年の日本経済大のようなインパクトを残す可能性を秘めたチームになるかもしれない。

優秀選手5人 渡邊、松本、村田、オカプ、内田

今大会は東海大がディフェンス力で他校を圧倒し、3連覇を達成した。一方で早稲田大の破壊力あるオフェンス、日本大や白鴎大のポテンシャルも十分に示された。7月に行われる新人インカレでは、関東勢同士の再戦だけでなく、全国の強豪との対戦を通じて各チームがどのような成長を見せるのか注目される。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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