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バスケットボール コラム 2026年8月4日

【インターハイ総括 男子】ウインターカップに続いてインターハイも制した福岡大附属大濠が示した「総合力」の価値

バスケットボールコラム by 青木 崇
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男子を制したのは、ウインターカップ2連覇中の福岡大附属大濠。白谷柱誠ジャックを筆頭に、アンダーカテゴリー代表メンバーを多く揃えるチームは、個の力とチーム力が見事に融合した結果と言える。北陸との決勝戦は85対62で快勝したが、準決勝の開志国際戦は両チームとも190cm以上の選手を多く揃える中、攻防両面でフィジカルな攻防が40分間続く中でつかんだ勝利だった。

北陸学院戦では前半だけで69点とオフェンスが大爆発した開志国際に対し、福岡大附属大濠は1Q開始早々に11-0のランで主導権を握られ、2Q中盤で最大14点のリードを奪われた。特に八戸学院光星戦で57点と大爆発した恒岡ケイマンのアグレッシブなアタックが、開志国際がリードする要因になった。

他のチームはこの勢いを止められず一気に離されてしまうのだが、福岡大附属大濠は粘り強いディフェンスをし続け、オフェンスも白谷と本田蕗以を軸にして追撃を開始。ハーフタイムまで7点差を縮めた。

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開志国際のゾーンディフェンスに対し、櫻井照大のポストアップを起点にオフェンスを展開して活路を開いた。ルースボール争いに勝った後の3Q7分12秒に白谷が豪快なダンクを叩き込んだことで流れを引き寄せると、1分57秒に逆転の3Pショットを決め、福岡大附属大濠が57対56とこの試合で初めてリードを奪うことに成功する。

3Q終了間際には、留学生とのマッチアップでフィジカルに戦い続けていた廣田翼がブザービーターのジャンパーを決めるなど15点の活躍。片峯聡太コーチが「ずっと中でクリアアウトしてくれたり、リバウンドに行き続けたりということをしてくれていた。今日の試合は翼が本当に献身的に最初から最後までやり続けてくれた」とコメントするなど、脇役の3年生がビッグゲームで最高の仕事をしたのは、福岡大附属大濠が強い証。櫻井と中村文哉が足をつってプレーできなくなる中、平良孔龍と栗本富美也がしっかりと役割を全うしたことも、開志国際を82対74で破るうえで欠かせない要素だった。

北陸との決勝戦は、2Qからディフェンスのギアを上げて相手からターンオーバーを何度も誘発させ、そこから得点を積み重ねたことで一気に点差が開いた。白谷は4本の3Pショットを決めるなど、24点、10リバウンドのダブルダブルを達成するなどチームを牽引。本田と中村が15点ずつと、U18日本代表としてアジアカップに臨む選手たちがしっかりと仕事をしたことが、85対62の快勝で頂点に立つ原動力となった。

準優勝の北陸は、3回戦の柳ヶ浦、準々決勝の土浦日本大、準決勝の中部大第一との接戦をことごとくモノにしてきた。距離が長くてもオープンならば3Pショットを打つという思い切りの良さと、留学生以外が少しサイズのないチームであってもディフェンスで頑張り続けたことが、決勝進出という成果につながった。特に高島蓮和はケガを抱えながらも、最後までタフに戦い続けたのは、今の北陸を象徴していた。久井茂稔コーチは今大会をこう振り返る。

「子どもたちが最後まで声をかけ合ってますし、何か持っているんですかね。自分たちでどんどん発して、残りの時間をどう戦うかということなど、本当にやり切りました。すごいスターじゃないですけど、最後までやり切ればチャンスがある。いいところで我慢できたかなと思うので、子どもたちに感謝です」

中部大第一戦の土壇場で勝利を決定的にする3Pを決めるなど、岩門和樹はガード陣の中心選手として期待に応えた。フィジカルの強さが持ち味のカベンゲレ・ジョナタン、腕の長さと機動力が武器のファイ・ベンジャミンというタイプの違う留学生の貢献度が増せば、北陸はウインターカップでも勝ち上がってくる可能性は十分ある。

福岡大附属大濠に競り負けたが、開志国際は破壊力抜群のオフェンスで相手を圧倒できることを証明した。恒岡、高橋歩路、イヘツ・グッドラックチネドゥという190cm超のU18代表選手を揃え、ポイントガードの池田楓真はゲームメイクと得点面において、このインターハイで最も成長した選手と言える。

しかし、福岡大附属大濠との準決勝では、恒岡が後半でスローダウンしたことも痛かった。ロサンジェルスにあるクレスピ・カーメライト高でプレーしていたが、アメリカの高校バスケットボールは8分4Q制を採用している場合が多い。今大会のように40分間フル出場での連戦を経験したことがなかったため、後半になると前半のようなインパクトがなくなり、得点が伸びなかった。富樫コーチは恒岡について次のように語った。

「ケイマンのスタミナがもたなかった。心配していたけど、もたなかった。(アメリカは)夏場にバスケットしないんですよ。それに対応できなかった。クーラーつけずに練習したんだけど、やっぱり尋常じゃない。でも、冬はそんなことないと思う」

ケガで登録外となったホーキンス然の復帰に加え、池田をバックアップするポイントガードの成長は、開志国際がウインターカップを制覇するために欠かせない要素。U17代表としてワールドカップを経験したイヘツのレベルアップも富樫コーチは手応えを感じており、「これからです。メンバーが揃ってからウインターに向けて頑張ります」と意気込みを口にした。ウインターカップでは、開志国際が福岡大附属大濠の3連覇を阻む可能性を秘めたチームと言えるだろう。

もう1校の3位は中部大第一。東海地区の強敵である藤枝明誠との3回戦を84対67で制したことが自信になり、準々決勝の岡山商科大附属戦では1Qを4失点に抑えるなど、ディフェンスで試合をコントロールして準決勝進出を果たした。キャプテンの島田康大朗を筆頭に、馬越光希、音山繋太という身長190cm超のシューター陣は、今大会なかなか波に乗れない時間帯が多かったにせよ、相手からすれば脅威でしかなかった。

中部大第一の躍進は、1年生の留学生ジョベ・ハマドの活躍によるところが大きい。入学してから約4か月だが、207cmのサイズとフィジカルの強さを活かすプレーに加え、オフェンスで貢献できるスキルを発揮するシーンも多かった。常田健コーチが「大会を通じてハマドが素晴らしい活躍をしてくれた」と語ったように、藤枝明誠戦ではアメー・エマニュエル・チネメルンとのマッチアップで優位に立ち、20点、25リバウンドのダブルダブルで勝利の原動力になった。

ハマドのさらなる成長、島田、馬越、音山が攻防両面でチームを牽引できれば、ウインターカップでの中部大第一は福岡大附属大濠や開志国際に続く勢力になるだろう。

福岡大附属大濠と開志国際の力が一つ抜けていると実感した今年のインターハイ。ウインターカップではこの2校に続く勢力として、北陸と中部大第一に加え、夏の間にチームの立て直しを進めている東山も注目に値する。ベスト8に進出した仙台大附属明成、北陸学院、土浦日本大、岡山商科大附属、3回戦で福岡大附属大濠と接戦を演じた鳥取城北は、上位校にとって厄介な存在になる可能性を秘めているのは間違いない。

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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