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中野司(レバンガ北海道 #7)
2019年2月に特別指定選手として入団して以来、中野司はレバンガ北海道でプレーし続けている。学生時代から自信を持っているシュート力を武器に、3年目の昨シーズンは11月28日の千葉戦での22点を最高に、23試合で2ケタ得点を記録。厳しいマークで苦しむ時期に直面したものの、最後の6試合中3試合で17点以上を奪ったことで、成長を実感できたという中野。動きの中から3Pシュートをたくさん打ち、得点源の一人として相手の脅威になりたいという思いで、今シーズンに臨もうとしている。(9月10日の練習後に取材)
Q 昨季はチームが苦戦する中、個人としては成長したと実感できるシーズンでしたか?
「成長につながるシーズンだったと思うんです。序盤は自分のシュートタッチも調子が良くて、相手もそれほどマークしていなかったので、数字に結構出ていましたけど、やはりそこの対策をされ始めた時にすごく自分自身が壁にぶつかったというか、うまく自分のプレーを発揮できずにモヤモヤする時期がすごく長かったです。シーズン終盤にかけては、自分自身の成長につなげることができたと感じました」
Q シーズン終盤にモヤモヤが取れたと思えたのがどの試合だったか覚えていますか?
「最後の富山戦(3P3本を含む18点)とかは自分自身すごく得点に絡むことができましたし、ピック&ロールの使い方だったり、オフボールのハンドオフからのシュートというのも幅が広がったというか、折茂(武彦)さんからもすごくアドバイスを頂いていて、それがすごく体現できたゲームだと思います」
Q スコアラーとしての貢献度を上げていきたいというところで、シーズンオフの間にレベルアップするために力を入れてきたことは何ですか?
「本当に自分自身役割がはっきりしていると思っているので、苦手な部分は多少調整できるようにしたんですけど、自分の長所を伸ばしていきたいと思っているので、シュート力というのはオフの間もすごく磨いていました」
Q シーズンに向けて準備を進めているわけですが、佐古賢一コーチから求められているものを全うするうえで最大のチャレンジはどんなことだと思っていますか?
「本当に数字的なところなんですけど、3ポイントのアテンプト(試投数)のところ、そこが自分自身の課題であり、一番求められている部分であるかなと思います」
Q 具体的な数字は考えていますか?
「佐古さんからは1試合平均7本、3ポイントを打っていけという風に明確な数字を出されています。そこをただタフショットで7本打っていくのではなくて、自分自身が動きの中でしっかり打ち切れるムービングだったりを求めていかなければいけない、そこが結果的にチームへの大きな貢献につながると思っています」
Q 選手個々のレベルアップは、北海道が飛躍するためのカギだと思いますが、ここまでのチーム内における競争についてはどんな印象を持っていますか?
「佐古さんからも“チーム内ですごくハードにやっている”という練習の評価として頂いているので、みんながそれぞれ試合に出るためにチャレンジしていると思います。ただ、一人が30分出るような試合にしたくないとおっしゃっていたので、チーム全体で戦っていくという意志は全員が持っています。その中での20分以上出る選手、20分以内10分台という選手がすごく試合によって出てきます。多分20分以上出る選手が4Qの大事なところでも出ていく選手だと思うので、そこはベンチからではなく、コート上で表現したい。そこは練習内、試合でのアピールがすごく大事になってくると思います」
Q 報徳学園高3年生の時にウインターカップに出て、3回戦まで勝ち上がりました。2回戦の城東戦で3P5本を決めるなど40点と大爆発しました。その頃から3Pに自信があり、積極的に打つタイプの選手だったのですか?
「そうですね。3ポイントは自分自身の武器でしたし、高校でプレーすると高校生で点を取る選手でシューターに特化したのはなかなか少ないと思うので、ピック&ロールを使ったりとかいろいろ求められると思うんですけど、兵庫県(の選手として)で国体とかに出ると技術のある選手が多いので、自分自身の役割というのも狭くなるというか、求められるところが“これだよ”というのが僕自身で明確になった。そういうところでシューターとしてもう少し、どうやったらレベルアップできるかなということをすごく感じました」
中野司(レバンガ北海道 #7)
Q 報徳学園で田中敬コーチの下でプレーしたことは、中野選手にとってどんな意味がありましたか?
「動きの中でいろいろと、高校も大学もそうだったんですけど、割とフリーランスというか、ここでフィニッシュという動きを完全に固定するようなスタイルではなかった。やはりチーム自体も身長の低い選手が多かったので、外からのシュートのアテンプトというのはすごく多かったです。それを割と自由にというか、個々の能力をすごく引き出してくれるような戦術を立ててくれていたので、そういう面でも僕自身の今を作っていると言っても過言ではないかなと思います」
Q 関西学院大時代の活躍がレバンガに入るきっかけになったと思いますが、プロでやりたいと意識し始めたのはいつ頃でしたか?
「高校の時もプロでやりたいと思っていたんですけど、漠然とプロになれたらいいなというのがすごく大きかったんです。大学に入って先輩がBリーグでプレーする選手、今秋田の川嶋勇人さんだったり、僕が1年の時の4年で西宮でプレーされている渡邊翔太さんがちょうどBリーグができた年くらいにアースフレンズ(東京Z)への入団が決まって、僕自身もすごくBリーグというプロの存在が狙えない距離じゃないなと感じました。その中で強みを磨いていかなければいけない。自分自身が身体能力でプレーする選手ではないので、中学、高校、大学で磨いてきたシュート力が武器になると感じました。それが結果的に今につながって、こういうB1の舞台でプレーできるきっかけになったと思います」
Q 今シーズンが4年目で、B1のレベルは十分理解していると思います。試合に臨むうえで大事にしていることや決まったルーティンがあれば、教えていただけますか?
「決まったルーティンはないんですけど、試合に臨むうえで大事にしていること、バスケットをするうえで大事にしていることは、自分自身を過大評価しない。なんでもできる選手、器用な選手ではないので、そこの役割というのを僕自身はっきりと理解して、求められていることをしっかり体現することをまず第一に考え、できないことはできないので、そこは無理しないようにしています」
Q 中野選手が個人として、チームとして今季成し遂げたい目標は?
「個人としてはもっともっと数字の部分で残していきたいと思っていますし、昨年以上にリーグ内で脅威になる存在になりたいと思っているので、そこは1試合1試合自分の持っているパフォーマンスを100%体現することをしっかりやっていきたいです。チームとしては僕が入団してからずっと下位争いをしているんですけど、やるからには優勝を目指したいと思っています。僕たちはタレント力があるチームじゃないので、泥臭く1試合1試合全員が同じ方向を向いて、全力でやっていかなければいけないと思います。そこはチームとして目指したい部分です」
Q 最後に、この24時間でちょこっとだけ幸せだったこと、何かありましたか?
「めちゃゲーム好きなんですけど、ちょうど今日が(NBA)2K22の発売日だったんです。なので、幸せというか、やるのがすごく楽しみです。パッケージが八村塁選手で、僕自身高校時代に対戦したことがありますし、それが表紙になった記念じゃないですけど、日本人がパッケージになっているということもそうですし、2K22をやるのがずっと楽しみだったので、帰って早くやりたいなという風な、すごく楽しみな感じですね」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
レバンガ北海道 7番/SG・SF 中野司(取材日:2021年9月10日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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