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野本大智(滋賀レイクスターズ #16)
総理大臣を4人輩出するなど、群馬県屈指の進学校である高崎高から初のB1選手となった野本大智。高3のインターハイ後から受験勉強に専念し、一般入試で筑波大に合格すると、1年生からAチームのメンバー入りを果たし、インカレ優勝に貢献するなど大学で着実に実力を上げていった選手だ。滋賀レイクスターズに入団後、即戦力として活躍している野本が、2月25日の午前中に受けてくれたインタビューの全文を紹介する。
Q プロ契約の特別指定選手として滋賀に入ったわけですけど、即戦力として出場機会を得られるという自信とか感触はありましたか?
「チームに入る前はそんなに自信はなかったです。自分のできるところを少しずつ積み上げていってという風に思っていたので、こんなに早く出場機会をもらえるとは正直思っていなかったです。プレータイムを頂いてこうやってプレーできているのはうれしいですし、そこは頑張ろうという気持ちがあるんですけど、最初はそういう風に思っていなかったです」
Q 筑波大の先輩からB1のことを聞いていたと思いますが、実際にプレーしてみてイメージ通りでしたか、それとも何か違うところがありましたか?
「イメージ通りだったところは外国籍選手のところ。僕は外国籍の選手と一緒のチームでプレーしたことがなかったので、そこでの合わせというのが全然わかっていない状況でこのチームに入ったので、そういったところでスクリーンをかけた時にかなりディフェンスもかかりやすいですし、そういった部分でプレーしやすいというのもあります。フィジカルの部分でもう少しやれないかなと思ったんですけど、意外にそこは大学の時にやってきたことが通用しているのかなと少し感じていて…。ただ僕は身長が小さいのでリバウンドの部分になるとまだまだ弱いですけど、その他のディフェンスとか1対1の部分だったら自信を持ってやっていいのかなという風に思っています」
Q デビュー戦は緊張しましたか?
「しました」
Q それでも3戦目から先発で起用され、信州ブレイブウォリアーズ戦での17点を最高に3度2ケタ得点を記録しています。ショーン・デニスコーチから期待されているなと感じる部分はありますか?
「早い段階からスタートで使っていただいているというのは、期待されていると思っていいのかなと思っています」
Q ツイッターのアカウントを@boku_nomotoにした理由は?
「高校の時に作ったんですけど、友達が決めました」
Q チームメイトからですか?
「あっ、そうです」
Q レイクスがすごくプロモートしてくれていることについては?
「高校生の時から大学までそんなに言われることもなくて、気にされることもなかったので、自分としてもそれは普通じゃないですけど、こうやって自分のことをプロモートして、フューチャーしてやっていただけるというのはすごくうれしいですし、そういったきっかけがツイッターのアカウント名だったので、それはうれしいです」
野本大智(滋賀レイクスターズ #16)
Q 群馬県屈指の進学校である高高(たかたか:群馬では高崎高をこう呼ぶ)でプレーし、インターハイ予選準決勝で前橋育英相手に残り5分での20点差を逆転し、翌日の決勝戦も勝ってインターハイ出場を決めました。あの試合はやはり今までのバスケットボール人生の中で最も印象に残る試合でしたか?
「かなり印象に残っていますね。あれ負けたら引退でしたし、そういった部分で高校最後の試合になるかもしれないというところで、全国の切符を手に入れることができた大会での一番大きな山場でしたし、そういった部分でとても印象に残っています」
Q 前橋育英はあの試合以来、群馬県内の公式戦で負けていません。知っていましたか?
「そうなんですね。あの試合も僕らの負け試合みたいなもんです…」
Q その後、弟の康悟君(現青山学院大1年)が前橋育英に入り、その間に県内で負けることなく3年連続で全国大会に出ました。選手としての彼をどう見ていますか?
「僕より技術もあるし、小さいころから上手だなと思いながらずっと見ていて、一緒に切磋琢磨して頑張っていきたいと思っています」
Q 筑波大には一般入試で合格して入ったわけですけど、高校時代に勉強と部活のバランスを保つうえで心がけていたことはありますか?
「高校自体が勉強をする高校で、そこで勉強もすごく頑張らないといけないですし、部活でも県内だったらいいメンバーが集まっていて、そこで部活もやらなければならない状況だったので、心がけるというよりはやらなければいけない状況でした。だからすごく両方とも頑張れたのかなと思います」
Q 大学ではBチームからスタートしたわけですが、故障者が出たことで1年生でAチームに入りました。当時のことをキツかったというコメントを見ましたが、このチャンスを無駄にしたくないという思いは強かったのですか?
「もちろんありました。せっかく上げていただきましたし、筑波大学のAチームはとてもレベルが高いところで、何人もBリーガーを輩出されていて、そういったところでどれだけたくさんの時間をその場所で過ごして、どれだけたくさん経験できるかが大事だと僕は思うので、この環境で成長してやっていきたいという風にずっと思ってやっていました」
Q 大学の4年間でコンボガードとして大きく成長したと思いますが、吉田健司コーチから学んですごくよかったと思えることはどんなことでしたか?
「筑波大学のバスケットがすごく緻密で、コールプレーもすごくたくさんありますし、そういった中でガードが結構こう指示出す場面が多くて、そういったところで頭を使うバスケットをすごく学ばせてもらいました」
Q 現時点で自分の中で最も自信を持っているプレーは?
「そんなにこれといってすごい自信のあるプレーはあるわけじゃないですけど、ハッスルすることをすごく意識していて、そういったところでドライブで体をぶつけていったりとか、ディフェンスでも同じようなことですけど、激しくハードにするというのは自信があるというか、心がけているところではあります」
Q 残りのシーズンに向けてどんなパフォーマンスを発揮したいですか?
「まずはチームが勝つことが一番だと思いますし、そこにどれだけ貢献できるかだと思うので、そういった意味でやはりチームの勝ちに貢献できるようなプレーをしたいですし、日本人選手の得点というのが少ない中で、そういった部分で貢献していきたいなと思います」
Q 最後に、全国のBリーグファンに向けて一言お願いします。
「まだホームで一度も勝てていなくて、アウェイでは何勝かできているんですけど、ホームでの勝利を本当に僕はしたくて、ホームで勝って滋賀の皆さんと勝利を分かち合いたいですし、そこに向けて一早くホームで勝利を掴み取れるように頑張りたいと思います。もちろんアウェイもですけど…。一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
滋賀レイクスターズ 16番/PG 野本大智(取材日:2021年2月25日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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