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小野龍猛(信州ブレイブウォリアーズ #34)
千葉ジェッツで数多くの経験を積み重ねてきた小野龍猛でも、新天地での順応は大変だった。信州ブレイブウォリアーズを率いる勝久マイケルコーチのシステムを理解し、遂行することに予想以上の時間を必要としたのがその理由。しかし、2月15日には古巣相手に今季ベストの11点、7リバウンドを記録するなど、徐々に持ち味を発揮してチームへの貢献度を増している。
Q 心機一転の移籍だったはずが、いきなり指の故障で離脱を強いられました。2週間後に復帰しましたが、プレーのリズムということではやはり影響が出ましたか?
「そうですね、やっぱり移籍してきてコーチのバスケットが細かいので、なかなか理解度だったりは脱臼とか関係なくすんなりフィットというのは得意なほうなんですけど、結構難しかったなというのがありますね」
Q 出場時間をある程度得ながらも、なかなか得点に絡めないというのは、そのあたりが影響していたのですか?
「そこは多少なりとも…。やっぱりどうチームの中でフィットして自分がこういくというのはなかなかなかったので、ちょっと自分の得意なものが出せていなかったですね」
Q その現状をどう捉えていて、今後どうチームに貢献していけばいいかを考えていますか?
「もう理解度というのは自分の中でも高くなってきたと思うので、その中で自分の良さのポスト(プレー)だったりアウトサイドだったり、しっかり今は貢献できていると思う。少ない場面の中でいかに効率よく点を取れるかだと自分は思っています」
Q 今季はトヨタから千葉ジェッツに移籍した時と状況が似ていると思いますか?千葉はbjからNBLへ移って1年目、信州はB2からB1昇格1年目と、新たな歴史を作るという意味でやり甲斐を感じていますか?
「そこはめちゃくちゃ感じています。やり甲斐という部分に関してはめちゃくちゃ感じていて、信州はB2からB1、bjからNBLに上がる千葉に似ているものを感じて、プラスやり甲斐を感じてここに入ってきたので、そこはすごく感じています」
小野龍猛(信州ブレイブウォリアーズ #34)
Q ここまでの戦いから今季のB1は成績上位と下位の間における実力差が縮まっているという印象を持っていますか?
「でも、やっぱりなかなか難しい部分はあると思いますよ。ちょっと差は微力ながらというか、そこは感じていますね。上位のチームはしっかりと組織的にも作り上げられていますし、我慢強さもめちゃくちゃあるなと感じています」
Q ディフェンス面で信州はB1で十分通用することを示しています。オフェンスもペイントアタックと3P重視の現代バスケットボールを体現しようとしていますが、千葉との1戦目のように肝心なところでなかなか得点が伸びない傾向があります。その理由は何だと思っていますか?
「千葉の1戦目みたいな試合に勝たないと、“このチームはまだまだだな”と僕はあの一戦を経てすごく思いました。あの1試合に勝つか勝たないかはすごく重要だなと感じましたし、3Pが入らない時に次のものをどう考えられるかがすごく大事だと思います。あとはペイントアタック、ああいうチームこそ強気で行かないと。弱気でいるとプレッシャーも強いですし、ファウルをもらうにしろ何にしろ、ドライブをああいう場面でどんどん出さないといけないというのをすごく感じました。これからもっとよくなっていくにはペイントアタック、もう少しインサイドアウトもどんどん増やしていったほうがいいんじゃないかなと。そこはチームとしての完成度をもっと高めていかなければいけないと感じています。」
Q 千葉との2戦目は大敗という結果になりましたが、ようやく自分らしいプレーができたと実感できましたか?
「そうですね。ああやってらしさを出していけば、十分チームの勝利に貢献できると思うし、自分自身もステップアップできるんじゃないかなと感じています。本当にここ何試合かは結構強いチームとやってきた中で、自分のずっとB1で戦ってきたこういう力が出たかなとすごく思いましたね」
Q 船橋アリーナでのプレーはすごく楽しかったと思いますが、小野選手にとってやはり特別な場所ですか?
「やっぱりそうですね。なんか帰ってきてすごくアウェイのロッカールームに入った瞬間は違和感を感じましたし、ここは自分自身の中でコートに出て特別な場所だなと改めて感じましたね」
Q 1番の思い出は?
「船アリでの1番の思い出は…NBLに入った1戦目、開幕戦を勝つことができたことは思い出深いかなと感じていますね。僕が移籍してきて一発目の日立(現サンロッカーズ渋谷戦:スタッツは3P4本を含む19点、15リバウンドのダブルダブル)だったんですけど、その試合に勝ったのがすごく印象は大きいですね」
Q 代表で数々の国際試合を経験してきましたが、韓国からきたアジア枠選手、ヤン・ジェミンと練習でマッチアップすることはありますか?
「そうですね、ジェミンとはマッチアップする機会も多いですし、ジェミン自身も僕のアドバイスを聞いてくれる部分もあるので、ホント弟のようにかわいがっています」
Q 彼の成長はチームにとって大きなプラスになると同時に、将来の日本代表にとって厄介な存在になるという印象は持てますか?
「21歳だしまだまだ粗削りな部分もあるんですけど、今彼自身もなかなか試合に出られていない状況ですけど、バスケットボールに対しての情熱だったり、マッチアップしててやっぱりあの身長でいろいろなことができる選手なので、ハンドリングもいいですし、アタックも素晴らしいものがありますし、日本代表に対しても彼の成長は今後脅威になるんじゃないかなと思いますね」
Q 週末から再開される残りのシーズンで自身が成し遂げたいことと、チームにもたらしたいことは何ですか?
「自分自身はここ5試合の好調というか、感覚的なものは戻ってきていますし、バスケットに対しての理解度、このチームに対してのバスケットもすごく高まったと思うので、そこはすごく継続的に練習からあわせだったり、自分自身の得意なものを引き続き出していければと思います。あとは残り23試合くらいですかね、チームとしていかに40分間我慢強く戦えるかがカギだと思うので、僕自身が出た時にしっかりとボールを落ち着かせられたり、ポストだったりで起点になれたらいいなと思っています」
Q 最後に、全国のBリーグファンに信州ブレイブウォリアーズの魅力を伝えてもらえますか?
「やはりディフェンスだと。今のコーチのバスケットボールを作り上げてきたのはディフェンスだと思う。一番はディフェンスの部分を見てほしいですし、ディフェンスからの速攻だったり3Pだったり。3Pはめちゃくちゃ打つので、その部分をすごく見てほしいですね」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
信州ブレイブウォリアーズ 34番/SF 小野龍猛(取材日:2021年2月21日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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