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宇都直輝(富山グラウジーズ #11)
富山グラウジーズの7勝2敗というスタートは、今シーズンのB1におけるいい意味での驚き。開幕から4試合は、外国籍選手がジュリアン・マブンガのみという状況だったことを考慮すれば、素晴らしいプレーをしていると言って過言でない。Bリーグが始まった2016-17シーズンに富山に入団して以来、中心選手として奮闘してきた宇都直輝もこの快進撃に大きく貢献中で、10月21日の新潟アルビレックス戦では今シーズン最多の29点をマーク。東地区で台風の目になりそうなチームの司令塔に、少し話を聞くことができた。
Q シーホース三河との2戦目は落としてしまいましたが、7勝2敗という素晴らしいスタートを切りました。今のチームの状態についてどんな印象を持っていますか?
「今は個々のオフェンス能力が高いので、今に関してはオフェンス能力をしっかり発揮しているのかと。でも、60試合ある中でチームになっていかなければならないので、そこが三河の最後にやられてしまった原因かなと。オフェンスが止まってしまったのと、あと7人(ローテーション)で回していたので、そこで足が止まってしまったのがよくなかった。今後そこを改善していければと思っています」
Q マブンガの加入は浜口炎コーチのスタイルを熟知していることもあり、チームのケミストリー構築でかなりプラスになっていますか?
「まあ、そうですね。(マブンガは)パスもうまいですし、クリエイトできるので、僕としてはかなりやりやすい。僕に関して言うと、どの選手でも合わせられるのが僕の持ち味でもあるので、もちろんマブンガが来たことによってよりやりやすくなったというのはあるんですけど、周りの選手がどうマブンガと、いかに溶け込めるかというのもこれからの課題かなと思います」
Q 出場時間が25分以下だった三遠ネオフェニックス戦以外は、すべて2ケタ得点を記録しています。今シーズンは持ち味のアグレッシブさに加え、得点を狙いやすい環境でプレーできているという印象はありますか?
「そうですね。僕も3Pを練習しているんですけど、やはり自分の持ち味はアタックなので、早いプッシュしてからの得点、そういった面では周りにシューターが揃っていて、4番(パワーフォワード)5番(センター)の選手でも3ポイントが狙える今のチームは、すごく僕としてはやりやすい。ゴールしたにかなりスペースが空くのでやりやすいですね」
宇都直輝(富山グラウジーズ #11)
Q 昨シーズンはトータルで7本だった3Pシュートが、今シーズンすでに6本打って2本決めています。ゴールへのアタックとポストアップを得意にしていると思いますが、3Pシュートに対する意識に何か変化があったのでしょうか?
「意識というか、ヘッドコーチが『1試合3本は打ちたい』とずっと言ってくれているんですけど、チャンスがあれば打つという形で今狙っているんです。何と言うんですかね、余裕があります。『最悪打てばいい』みたいな」
Q それまでは自分の持ち味であるアタックやポストアップというところですね?
「それをやったうえで、ジャンプシュートも苦手ではないので、それを狙ったうえで、いいパスが展開されてきて離されているようなら、別に打てばいいかなとみたいな…。決めなければいけないという気持も特にないので、打つことを意識してやっています」
Q 質の高いパフォーマンスで富山の勝利に貢献し続ければ、代表復帰も十分あり得ると思います。東京オリンピックに出たいという強い思いが、シーズン序盤のいいプレーにもつながっていますか? それとも富山グラウジーズのために最大限のベストを尽くす感じでしょうか?
「それは両方ありますね。何ていうんですかね、それは違う道ではなくて、グラウジーズのために自分のプレースタイルを貫く、しっかりやって周りに見せるその先にオリンピックが待っているみたいな形だと思うので、別に何か両方とも、最終的にオリンピックが上、目の前のことをやっているのが富山グラウジーズのためにプレーすることという感じですかね。どちらかと言えば、2個に分かれているというよりは、富山グラウジーズとして頑張ることによって、その先にあるオリンピックで選ばれたらうれしいな、選ばれるように頑張ろうみたいな感じです」
Q 最後に、激戦の東地区からチャンピオンシップに進出するためのカギを話していただけますか?
「やはり4強と言われている川崎(ブレイブサンダース)、千葉(ジェッツ)、栃木(宇都宮ブレックス)、アルバルク(東京)、去年までの話で言うと(サンロッカーズ)渋谷とかも強いので、世間体から見た4強の一角を落とさなければいけないんですよね、絶対今年は。その4強ってずっと大体同じメンバーでやってきているので、そのチームワークをいかに今年のメンバーが変わった中で(富山が)しっかりチームになれるかが、かなりカギになってくると思っています。オフェンス能力は一人一人を見たらすごく高いので、それがいかに大きな円になれるかというのが大事かなと思います」
文:青木 崇
【Bリーガーインタビュー】
富山グラウジーズ 11番/PG 宇都直輝(取材日:2020年10月27日)
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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