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セミファイナルでの対戦を前に、千葉ジェッツと栃木ブレックスは今季、アーリーカップと天皇杯を含めて8度対戦して4勝4敗。Bリーグ創設から3年、ライバルとしてお互いを知り尽くしている同士のマッチアップだけに、どちらがより持ち味を発揮するか、それとも持ち味を消すことができるかが、勝敗を分けるカギになるとイメージしていた。
これまでの試合を振り返ってみると、リバウンド、ハッスルプレー、ルーズボールという部分は、常に栃木のアドバンテージになっていた。千葉との対戦に限ったことではなく、B1に所属するどのチームと対戦しても、この3要素で優位に立つことが栃木の生命線である。
しかし、セミファイナルのシリーズでは状況が一変。千葉が2試合ともリバウンドで10本以上の差をつけたことは、大野篤史コーチの「栃木さんは本当にリバウンドが強いので、楽をして取ろうとせずにしっかり強度を持って試合に臨もうと練習から強調してきたので、それを選手たちが徹底してくれたところが勝利につながったかと思います」と振り返ったように、千葉の選手たちがボールへの執着心とフィジカルな攻防で負けなかったことが大きい。
ゲーム1の3Qでライアン・ロシターが右足を痛めて離脱したことは、栃木にとって大きな痛手でしかない。故障というアクシデントの影響があったといえ、ハーフタイムのスタッツを振り返って見れば、千葉が栃木を4本上回っていた。ゲーム2も1Qこそ7本ずつだったが、時間の経過とともに千葉が差を広げていた。
栃木の渡邉裕規がゲーム2の後、「セカンド・チャンスをちょっと与え過ぎちゃったかなというのが、反省としてありますね」と話したように、セカンド・チャンスからの得点で千葉はゲーム1がマイナス2、ゲーム2になるとプラス2と上回った。レギュラーシーズンでも3勝中2試合、天皇杯決勝は10点以上マイナスだったことを考えると、リバウンド、ハッスルプレー、ルーズボールという栃木の持ち味を消すために必要だったハードワークを遂行したと言っていい。エースの富樫勇樹はこう振り返る。
「栃木を相手に、2試合続けて10本以上リバウンドで勝つなんて想像もできなかった。一つのポゼッションだけじゃなく、40分間通して、ボックスアウトの徹底もそうですし、オフェンス・リバウンドに飛び込むところもできました」
天皇杯決勝では、富樫が延長残り2秒で逆転3Pシュートを決めて千葉が勝った。しかし、40分間リバウンドで圧倒され続けたにもかかわらず、延長の5分間ではオフェンス・リバウンドを6本奪い、セカンド・チャンスから6点を奪っている。肝心な局面でもプレーの強度をしっかりと維持し、千葉がシーズンを通じて心身両面でタフになったことは、セミファイナルでも十分証明したと言っていいだろう。
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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