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バスケット ボール コラム 2019年3月4日

【2018-19 B.LEAGUE NOTEBOOK 18】新潟の強さは本物。ブースターの大声援は強烈なホームコート・アドバンテージ

B.LEAGUEコラム by 青木 崇
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五十嵐圭

五十嵐圭

3月3日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦、新潟アルビレックスBBは2Q途中から25-2の猛攻を受け、最大で16点のリードを奪われるという劣勢に直面。3Q終了時も10点を追う展開になったが、その後は今季のチームがなぜ中地区首位なのかを証明するような戦いを見せ、延長の末に勝利を手にした。

抜群の得点力を持つダバンテ・ガードナーがインサイドを支配し、残る4人はいずれも3Pシュートを決められる選手ばかり。名古屋は試合終盤、ガードナーへのディフェンスをタブルチームで対応。しかし、ガードナーから供給されたパスをしっかり回すことでノーマークの状態を作った結果、池田雄一は4Qだけで3本の3Pシュートを決めていた。

4Qから延長にかけて、新潟ブースターの声はアオーレ長岡の中で大きく響いていた。特にディフェンスコールは耳が痛くなるようなレベルであり、名古屋からすればコート上でのコミュニケーションやベンチからの指示がまったく聞こえない状況。ブースターの大声援が新潟の選手たちにとって大きな活力になっているのは、ラスト15分間のプレーを見れば明らかだった。延長残り1分41秒でショットクロックがゼロになる寸前にラインの数m後ろから3Pシュートを決めた五十嵐圭は、ホームコート・アドバンテージについてこう語る。

「新潟に来てから僕自身ずっと、ホームでの試合ではいつもこういった声援を送ってくれる中で、特に今年は今の自分たちの順位もあると思いますけど、ブースターの皆さんたちもすごく期待を持って見てくれている。それが自分たち以上にブースターの皆さんの気持が入って、自分たちを後押ししてくれている。こういった雰囲気の中で、アウェイチームだったらすごくやりにくいと思いますし、逆にホームだとそう言った味方がいてくれるというのは心強いと思います」

2006年の世界選手権(現ワールドカップ)に日本代表として一緒にプレーし、今季名古屋から移籍してきた柏木真介も、「すごいですね。今までも新潟の方は熱いと敵ながら感じていたので、それがここに来て多いな、しかも味方と考えた時に、すごく後押しだなというのがあった。今日もあれだけ点差が開いた(最大で16点差)のに、最後の最後まで声援で後押ししてくれた。これがホームじゃなかったら負けたかなというのが正直あると思う」とコメント。名古屋のフォワードで日本代表でもある張本天傑にワールドカップ予選のイラン戦よりもうるさかったか? と質問したところ、苦笑いしながら「そうですね」と答えていた。

ガードナー以外、試合に出ている選手たちが経験豊富な30歳代の選手ばかりということもあり、今の新潟はメンタルから来るつまらないミスが少ない。また、うまくいかない時間帯でもなんとか修正する力もある。柏木が加わったことでディフェンスの質とゲームに必要な賢さがレベルアップし、ガードナーを含めて3Pシュートを決められる選手が5人揃えられるのも強みだ。

流れの悪い時間帯が長期化しながらも、名古屋との2戦目を制することができたのは、新潟が本当に強いことを示すもの。ブースターの声がもたらす強烈なホームコート・アドバンテージをチャンピオンシップで生かせる機会を得た場合、開幕前に大半の人が予想できなかった特別なことを成し遂げるかもしれない…。その可能性を秘めたチームであることは確かだ。

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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