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【2018-19 B.LEAGUE NOTEBOOK 9】2OTの激戦を制した栃木戦で、ビッグゲームの経験している橋本の存在が大きいことを再認識した若き指揮官
B.LEAGUEコラム by 青木 崇12月8日、琉球ゴールデンキングスが栃木ブレックスを2OTの末、93対90で勝った試合は、今季のB1でベストゲームと言っていいだろうし、チャンピオンシップの戦いをイメージできるものだった。見ている人を熱くさせるシーンが何度も出てきた50分間という激闘の中、琉球の佐々宜央コーチは今季シーホース三河から移籍してきたガード、橋本竜馬の存在がいかに重要かを知ることになる。
並里成を司令塔として使う佐々コーチは、これまで橋本を控えとして起用してきた。しかし、栃木戦では“気持の強さ”が重要になるという考えになった結果、本職でないシューティングガードの先発として起用。ディフェンスで激しくプレッシャーをかけ、笛でプレーが止まったときに必ずチームメイトに声をかける姿勢は、違うポジションであってもまったく変わらない。
この試合での琉球は1Qで最大15点のリードを奪いながらも4Qで逆転され、残り2分51秒で3点差を追う展開に直面する。しかし、栃木の持ち味であるオフェンス・リバウンドから得点を奪われれば5点差となる局面を守りきれたのは、橋本がもたらすメンタルタフネスがコートにいた他の4人にも浸透していたことが大きい。佐々コーチはこう語る。
「チームとしてやらなければいけないことを必死にやっているというところ、そこがチーム全体として足らない。それを彼は持っていたというところを僕が安易に、今までひどい使い方をしていたのかな」
我慢比べのゲームの時に気持を真っ先に出し、流れが悪い時に冷静さを失わないようにチームをまとめた橋本は、栃木戦でスタッツに現れない部分でチームに大きなプラス材料をもたらしていた。また、2OT最初のオフェンスで決めた右コーナーの3Pシュートは、正にビッグゲームの経験値から生まれたもの。「バスケットに必要なのはポジションじゃなくて、チームとして遂行しなければいけないとか、気持の出し方。こういった形で少し試していきたいなと思っています」と振り返ったように、橋本が佐々コーチの心を動かしたのはまちがいない。勝利が決まった後に感情を爆発させた橋本自身も、この勝利がチームをさらに成長させるという手応えを感じていた。
「50分間戦って全員でやり尽くしたし、こういう試合がチームを強くすると感じている。ここで勝ちきれたのはチームとしてうれしかったし、みんなが頑張る姿、それがバスケットボールの素晴らしさと自分の中で思っている。こうやってチームとして大きくなっていく姿、自分もその中に入っていけるという嬉しさ、勝ったうれしさという感情がまじって、今日は本当にすばらしい1日になったと思います」
たかが1勝されど1勝。琉球が今後どんなシーズンを過ごすのかは、現時点でだれにもわからない。しかし、長いシーズンを戦う過程で、指揮官と新戦力の信頼度が増すなど、大きな意味を持つ勝利だったことはまちがいないだろう。
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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