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野球 コラム 2026年9月9日

大谷翔平、2027年の二刀流は休ませながら?本塁打、チーム得点、勝利数はどれだけ減るか【AI試算】

MLBコラム by 山田 結軌
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スプリングトレーニングで実戦形式の投球練習をする大谷

もし、大谷翔平(32)を「毎日使いたい」という欲求を、ドジャースがあえて抑えるとしたら―。

来季2027年、大谷の二刀流を長く続けるために、登板日は打たせない(リアル二刀流はなし)、登板翌日は休養日。そんな『超慎重起用』を本気で採用する可能性はあるのだろうか。今回のコラムは、存分に『仮定』のハナシが入る。その前提で読んでいただきたい。

メジャーリーグ中継2026

大谷は今季中の投手復帰を事実上断念。14試合に先発し、8勝2敗、防御率1.79を残したが、左膝や右上腕の状態が安定せず、投球強度を上げると反動が出る状況が続いた。

7日(日本時間8日)のレッズ戦後、「ほとんどの確率で(今季の登板は)ない」と明かし、DHに集中する意向を表明。「今年の1年間の反省点。それが来年につながってくれれば」と2027年を見据えた。

では来季、今後二刀流を健康に起用するために『大谷を休ませながら起用する』方針を採用したとしたら…。チームは攻撃面ではどれほどの代償を払うことになるのか。

今回は過去の実績データを基に、生成AI「ChatGPT」を計算補助として次の条件でシミュレーションした。あくまで仮定に基づく試算で、2027年の成績予測ではない。大谷の負傷を防ぎ、今後も健康を保つために、以下の条件で仮定する。

・6人ローテーションで中6~7日で先発する
・登板日はDHに入らない
・登板翌日はDH出場しない完全休養

年間26先発を想定。ただし、登板翌日にはチームの休日や移動日で試合自体がないケースもある。今回は26登板の翌日のうち4度がそうした日程と重なり、実際に休養で欠場する試合を22試合と見積もる。

登板日の26試合と先発翌日の休養日(22試合想定)と合計すると、打者としての欠場は計48試合と仮定。大谷は2024年に731打席、2025年に727打席。両年平均の約729打席を基準にすると、この起用法ではシーズンで約508打席となり、年間約220打席、約30%の打撃機会を失う計算だ。

本塁打への影響も大きい。2021~25年は3362打席で233本塁打。約14.4打席に1本のペースで、220打席減を単純に当てはめると、大谷自身の本塁打は年間約15本減る。ただし、その15本分がそのままドジャースの損失になるわけではない。大谷の欠場時には他のDHが出場するからだ。

大谷の欠場によるチームの得点の減少は、大谷と代替DHの打撃得点創出力の差を基に算出した。

大谷のwRC+(リーグ平均を100とし、球場補正などを加味した総合的な打撃得点創出力の指標)を約165、代替DHをMLB平均の100から120程度と想定し、その差を約220打席に当てはめた簡易試算では、ドジャースが実質的に失う得点は年間約12~17点となる。

つまり、大谷が約220打席で生み出す得点から、同じ打席を代わりにDHに入った選手たちが生み出す得点を差し引いた数字だ。

単純な打率や本塁打数ではなく、打者が総合的にどれだけ得点を生み出したかを比較できるため、この指標を用いた。そしてこの『年間12~17点の減少』は勝敗にはどれほど響くのか。

セイバーメトリクスでは、得点を勝利数へ換算する考え方がある。ベースボール・リファレンスは長期的な目安として【約10得点=1勝】、ファングラフスも得点環境によって変動するものの、通常は【約9~10得点が1勝分】に相当すると定義している。

・12得点減=約1.2勝分
・15得点減=約1.5勝分
・17得点減=約1.7勝分

つまり、大谷個人では約220打席、約15本塁打という大きな打撃機会を失っても、代替打者を考慮すれば、チーム全体への影響は年間約1~2勝分に収まる可能性がある。この1~2勝が地区優勝やナ・リーグ順位にどう影響するか。それは、実際のシーズンを戦うまでは分からない。

大谷は「早く治すなら、何もしない、もう休むというのが一番」とも語った。

大谷不在の打撃で1~2勝分を犠牲にしてでも、先発投手としてシーズンを完走し、プレーオフまで健康な二刀流・大谷を維持できるなら、その代償を払う価値はあるのか。

レギュラーシーズンの勝負どころや、ポストシーズンではリアル二刀流や、二刀流での連続出場を解禁するために体力を温存する。そして今後数年間、大きなケガなく二刀流を続けられるとしたら、この起用方法はアリなのか、ナシなのか。

2027年、大谷はどこで、どのように休むのか。大谷とドジャースは二刀流を長く続けるための新たな起用法を探ることになりそうだ。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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