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野球 コラム 2026年8月25日

松井裕樹、サンディエゴで巻き起こる「ユウキコール」

MLBコラム by 山田 結軌
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キャッチボールで調整する松井

サンディエゴの地元ファンは、献身的な投球をよく理解していた。8月23日(日本時間24日)、日曜日のデーゲーム。ツインズに8−1とリードした9回のマウンドには松井裕樹(30)が上がった。

スタンドからは「ユウキ・コール」が巻き起こり、アウトを重ね「レッツゴー・ユーキ!」の声援で3アウト目を空振り三振で奪った。

「僕もびっくりしましたね。初めてだったので。久しぶりにエキサイトしたっすね。三振が良かったので、気持ちよく終わりました」

メジャーリーグ中継2026

この日、8月23日終了時点で松井は今季38試合、3勝1敗、防御率2.17、49回2/3で51三振。直近7試合は8イニングで1失点、防御率1.13と好投を続けている。

今季の松井は、昨季までとは異なる役割も担っている。先発投手が早く降板した後の複数イニング、僅差のビハインド、イニング途中から左打者を迎える場面など、起用法は幅広い。

8月5日時点では32試合のうち18度がイニングまたぎ、16度が1回1/3以上、9度が2イニング以上だった。この2カ月は本人が「いい場面で使ってくれることが増えています」と感じるほど、役割にも変化が生まれている。

中継ぎ右腕エストラーダと笑顔で話す松井

支えになった言葉がある。今季就任したクレイグ・スタメン監督はメジャーで13年間投手としてプレーし、最後の6年間はパドレスの救援投手として333試合に登板した経歴を持つ。昨季、球団特別補佐を務め、メジャーに帯同していた際には松井のキャッチボールのパートナーも務めた時期がある。

松井はシーズン序盤、負けている展開で2~3イニングを投げた際にも、スタメン監督から「チームのために他の投手を休ませられた。長いイニングを投げてくれてありがとう」と声を掛けられたという。

リリーフ専門の投手としては、勝利パターンの一角で投げたい。それが本音だ。しかし、そのポジションは自らの力でつかまなければいけない。投手にとってタフな起用法であることを、元投手の指揮官が正しく理解してくれたことは、松井にとって救いだった。

「本当に選手としてもありがたいですし、積み重ねというか、やりがいというか。最初、難しい場面で投げていた中でも、気持ちをつなぎ止められたのは、監督の言葉がすごく大きかったです」

複数イニングや、回またぎなどの役割で着実に評価を上げ、リリーフ投手内での序列は確実に上がった。

楽天時代は絶対的なクローザーとして通算236セーブ。メジャーでは同じ役割ではなくても、求められた場面でアウトを重ねてきた。毎試合の積み重ねが首脳陣からの信頼につながり、登板する場面も変わりつつある。そしてペトコパークで初めて聞こえた自分の名前を呼ぶ大歓声がある。

「いい気持ちでした」

役割を限定せず投げ続けてきた左腕に突如、起こった「ユウキコール」。ホームのファンは、今までの貢献を理解し、拍手を送る。パドレスはナ・リーグのワイルドカード圏内の3位につける。松井はポストシーズン進出争いで重要な役割を担うはずだ。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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