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則本昂大投手
2026年のペナントレースも早いもので1ヵ月が経過しました。私が中日ドラゴンズの動画コンテンツの制作を始めて6年目。球団からの要望に応え、ファンの方に楽しんでいただける新しい挑戦も続けていきたいと考えています。
今回のこのコラムでは、最近ふと思い出した二人の投手とのエピソードを書かせていただきます。
則本昂大投手と「波平ボール」
4月2日の読売ジャイアンツ戦。相手先発は、今季FA移籍で加入した則本昂大投手でした。実は則本投手、私が前職のスポーツ番組制作ディレクター時代に最も多くカメラを向けた選手なんです。
旗(筆者提供)
東北楽天ゴールデンイーグルスの担当ディレクターを務めていたのは2年ほどでしたが、担当を離れてからも彼への取材は続き、密着ドキュメンタリーを計2回、その他にも様々な企画で取材に協力していただきました。特に印象深いのは「怪物再会」という、一流選手の“かつて敵わなかった怪物”と再会する企画です。2017年、則本投手が明かしてくれたのは小学生時代の同級生の存在でした。同じチームでエースを争い、「常に自分が背中を追う側だった」と本人が振り返るライバルです。
広島で会社員をしていたその“怪物”が仙台を訪れ、則本投手の登板を観戦して再会を果たしました。共通の思い出は二人で編み出した『波平ボール』。中学進学を機に「新しい変化球を作ろう」と話し合い、誕生しました。中指を立てて投げるその形が「波平さんの髪型や!」と二人で盛り上がり、少年期らしい発想のネーミングとなったといいます。一般的にはチェンジアップに分類される変化球で、彼らにとっては特別な一球でした。
パネル(筆者提供)
この年8試合連続2ケタ奪三振という日本記録を樹立し、その翌年の2018年まで6年連続2ケタ勝利、5年連続最多奪三振のタイトルを獲得した則本投手。当時はまさに“剛腕” 力で押すピッチングスタイルでした。そして今年、4月2日のドラゴンズ戦で久しぶりに間近で則本投手のピッチングを見ることができました。そして思い出したのが『波平ボール』 プロ14年目35歳、投球スタイルの変化に伴い、変化球を投じる割合も増え、『波平ボール』も数球投げていたからです。当時の剛腕スタイルなら1試合で1、2球投げるか投げないかだったはず。試合後、何度も中継映像を見返してしまいました。
J SPORTS オンデマンド番組情報
この試合、則本投手を上回る快投を見せたのは37歳の大野雄大投手でした。かつて輝かしい成績を残した二人の、円熟味を増した進化し続ける投球スタイルに深く心を打たれました。
栗林良吏投手と「塩釜口の夜景」
続いて4月15日の広島東洋カープ戦。ドラゴンズが敗戦し、ヒーローインタビューに上がった栗林良吏投手を見て、かつて共に見た「あの夜」の景色が呼び起こされました。
大学時代の栗林良吏投手(筆者提供)
栗林投手もまた、前職で密着取材をした選手の一人です。きっかけは元ドラゴンズの山内壮馬さん。私は山内さんと面識は無かったのですが同い年だったこともあり、注目していた選手でした。イーグルスの担当ディレクター時代に出会い、現役引退後に母校名城大学の硬式野球部コーチに就任(今年1月からは監督に就任)したことをきっかけに、「元ドラ1のセカンドキャリア」として取材を始めました。その時に山内さんから「プロ入りできる選手」と紹介されたのが、当時3年生の栗林投手でした。
練習や試合だけではなく、一人暮らししていた部屋やキャンパスでもカメラを向けました。幼い頃からドラゴンズファンということで、ナゴヤドームで試合観戦をしている姿も撮影。アルモンテ選手のヒゲタオルをまとって登場したドアラに、栗林投手は野球少年に戻ったかのような笑顔で手を振っていました。
アルモンテ選手のヒゲタオルをまとって登場したドアラ(筆者提供)
ご存じの方も多いですが、彼は2018年のドラフトで指名漏れをしました。指名候補選手ということで会見場が用意され、私もそこにいたメディアの一人。名前が呼ばれず、失意の栗林投手に何て声をかけるべきだったのか、今でも正解は分かりません。キャンパスからの帰り道、カメラを向ける私に「壮馬さんの前でかかりたかった」と言葉を絞り出した栗林投手。この時、プロへの思いは封印していました。
それでも、山内コーチからの「諦めるな」という言葉や、社会人での謙虚な姿勢により大きく成長し、2年後ドラフト1位でカープに指名されました。特集番組は計2回、山内さんを主役として2019年3月、栗林投手主役として2020年10月に制作させていただきました。
2020年ドラフト直後の栗林投手と山内壮馬さん(筆者提供)
そこから侍ジャパンで東京五輪やWBCを経験し、今年から先発転向。先発として初めて立つバンテリンドームのヒーローインタビューを受けている姿を見たとき、蘇ったのは指名漏れ直後に一緒にキャンパスから帰った塩釜口駅(名古屋市天白区)周辺の夜景でした。今でも球場で顔を合わせると、ドアラに手を振っていた大学時代と同じ笑顔で挨拶してくれる栗林投手。指名漏れのあの夜を越えて掴んだプロ生活を、1日でも長く見続けたいです。
ユニホームを脱いだら生粋のドラゴンズファン #栗林良吏 投手に #うちの宏斗 タオルをプレゼント🎁
— 【公式】#Dragons_Inside (@Dragons_movie) July 23, 2024
WBCの世界一の瞬間 #髙橋宏斗 投手が栗林投手のユニホームを掲げたのを覚えている方も多いのでは!
「あの時はありがとうございました!地元の知り合いから沢山連絡来たよ」と栗林投手。 pic.twitter.com/NdXSuZAdEf
広島東洋カープ J SPORTS【公式】
こうした選手たちとの巡り合わせに加え、4月12日、新たな“縁”が繋がります。それは私のキャリアの原点を思い出させてくれるものでした。ファイターズからドラゴンズに移籍した杉浦稔大投手。奥様は元モーニング娘。で元アナウンサーの紺野あさ美さん。紺野さんとは、前職で一緒のスポーツ番組を担当していました。お互い駆け出しの若手として、サッカーなどの現場を一緒にがむしゃらに駆け回った思い出があります。あの頃の縁が、巡り巡ってドラゴンズで繋がったことに、不思議な感慨を覚えます。
人との縁を大切に、かつて取材させていただいた選手たちとの経験を糧にして、自分のできることを着実に行っていきます。ドラゴンズの動画コンテンツも、引き続き楽しみにしていてください。
■関連リンク
中日ドラゴンズ公式チャンネル
自宅で使っている則本投手の2026年カレンダー(筆者提供)
文/写真 岡田昌尚(フリーディレクター)
岡田昌尚
1986年2月1日生まれ。愛知県名古屋市出身。キー局制作会社で10年間勤務し、2021年4月中日ドラゴンズに入社。25年4月よりフリーで映像制作などを行う。
テレビ制作では、旅・バラエティ番組のADを経て、スポーツ番組を担当。2016年頃から長編ドキュメントVTRを制作するようになり、密着取材の経験を積んだ。中日ドラゴンズでは、未開拓であった動画コンテンツの制作・発信に従事。22年には球団初となるドキュメンタリームービーを制作した。最近ハマっているYouTubeチャンネルは『うじとうえだ』。
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