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野球 コラム 2025年11月1日

山本由伸、ワールドシリーズMVP候補

MLBコラム by 山田 結軌
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レギュラーシーズン中、投球練習を終え引き上げる山本

チームを救い、ワールドシリーズ(WS)連覇の望みをつなぐ大貢献だった。ドジャースの山本由伸投手(27)は2勝3敗で迎えた、敵地トロントでの第6戦に先発。6イニングで96球を投げ、5安打1失点の好投だった。最終決戦、第7戦に決着を持ち込んだ。

「とにかく自分を信じて、チームを信じて、もう本当になんとかポジティブに思考を持っていって、なんとか頑張りました」

第2戦の完投勝利に続き、WS2勝目。仮にドジャースが連覇を達成すれば、シリーズMVP(最優秀選手)の最有力候補に間違いないだろう。仮にMVPを獲得すれば、日本選手としては、2009年の松井秀喜(当時ヤンキース)以来となり、日本投手としては初めての快挙となる。

この白星でポストシーズン(PS)では通算6勝。ダルビッシュ有(パドレス)、田中将大(元ヤンキース)を抜き、日本投手としてPS勝利数で単独トップに立った。大舞台での圧倒的な強さを示している。

「この1週間で2往復目のトロントなので、そういった(長距離移動の)疲れは少し感じてましたけど、投球自体の調子は前回と比べて今日の方が良かったですし、結果的には6イニングでピンチも抱えながらになりましたけど、野球の調子自体は今日の方が良かったと感じました」

ロサンゼルスからトロントまでは約5時間半のフライト。米国大陸を横断する移動が続くが、コンディションを整えた。第3戦では延長18回の激闘でドジャースが6-5で勝利。山本は志願で延長19回に突入した際には、緊急リリーフ登板の予定だった。期せずして変則的な日々になったが、たくましい姿で勝利に導いた。

レギュラーシーズン中、ワールドチャンピオンロゴの掲示板の前でキャッチボールする山本

 この日の登板でWSでの登板は完了。試合後会見では「もし中継ぎとして必要とされたら投げられると思うか?」との質問が飛んだ。

「もちろん、行けと言われたら行きますけど、できれば応援を頑張りたい(笑)。お願いします」

レギュラーシーズンでは30先発を務め、投手陣を引っ張った。PSでは無双して、チームに勇気を与えた。WSの2登板は、いずれも敗戦を受けてマウンドを託された。そして勝った。

打線が湿りぎみのドジャースは、大谷翔平投手(31)がWS打率.300に対して、大谷以外の打者の合計は打率.189と苦しんでいる(第6戦前時点)。先発投手の好投が勝利への大前提。山本はエースとして、完璧に仕事を成し遂げた。

「やはり一戦一戦は、どの試合もすごくプレッシャーのかかる落とせない試合が続いていると感じますね。明日もプレーする人は大変だと思います(笑)」

PSの先発で3試合連続5安打以下、1失点以下、1四球以下、5三振以上は史上初。由伸は、メジャーの中でもスーパーエースとしての実力を知らしめた。世界一になれば、WSのMVPは背番号18が大本命だ。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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