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祖父江大輔が500試合登板達成
セ・パ交流戦真っ只中。わずか3週間、18試合だけと思われるが、毎年ここで調子を上げるチームがそのままシーズンでも好成績を残す。「たかが」ではなく「されど」交流戦なのだ。
最初の1週間を3連敗からの3連勝で盛り返した中日ドラゴンズは、先週はビジターでの6連戦に挑んだ。その6連戦の振り返りと今週の展望を綴っていきたい。
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◆先週は3勝3敗の五分
まずは先週の振り返りから。週の前半は東北で東北楽天、後半は所沢で埼玉西武と対戦した。
・6月10日(火):◯3-1 東北楽天
・6月11日(水):◯8-5 東北楽天
・6月12日(木):●0-4 東北楽天
山形で行われた楽天戦の第1戦は中盤まで0-0が続くも、6回に先発のカイル・マラーが村林一輝に先制ソロを浴びてしまう。
反撃したい中日打線は、直後の7回に岡林勇希の適時打で追いつくと、なおも2死満塁から上林誠知の打球が相手の失策を誘い2人が生還。これが決勝点となった。マラーは7回途中まで粘り、来日2勝目を挙げている。
戦いの場を仙台に移した第2戦は序盤から打線が爆発。初回にジェイソン・ボスラーの犠飛で先制し、2回には岡林がライトへ3ランを叩き込む(直前に「あわや」という大ファウルを打っており、見事な打ち直し弾だった)。
さらに3回には上林のソロや石伊雄太の適時二塁打などで3点を追加。試合の大勢を決めた。投げては涌井秀章が大量援護に守られ3勝目。石伊は5打数5安打の大当たりだった。
第3戦は三浦瑞樹が6回途中2失点の粘投も、打線が相手先発の岸孝之に捻られ援護できず。終盤にも失点を重ね、前週の千葉ロッテ戦から続いていた連勝は「5」でストップした。
・6月13日(金):◯2-1 埼玉西武
・6月14日(土):●1-2 埼玉西武
・6月15日(日):●0-1 埼玉西武
ベルーナドームで行われた西武戦は、全て1点差での決着となった。第1戦はルーキー・金丸夢斗が先発。5度目の登板で初勝利を狙い、自己最長の6回1/3、110球の熱投を見せるも1-1の同点で降板。
その後、橋本侑樹、清水達也、勝野昌慶とつないでいく。決着がついたのは延長10回、石伊の二塁打と村松開人の犠打でつくった好機で岡林がレフト前へ適時打。最後は松山晋也が締めて25セーブ目を挙げた。
第2戦は高橋宏斗が先発。今季なかなか波に乗れない若きエースは、この日も初回と4回に1点ずつを失い、我慢の投球が続く。それでも8回まで投げ切り「完投負け」。わずか1奪三振、被安打10と内容は芳しくないが、味方を鼓舞する投球だったのは間違いない。打線は村松のソロのみに抑えられた。
カード勝ち越しをかけた第3戦は松葉貴大と武内夏暉の両左腕の投げ合いに。均衡が破れたのは6回裏、松葉が滝澤夏央と長谷川信哉に連続長短打を浴び、1点を奪われる。結局、松葉は前日の高橋宏と同様に8回を投げ切る「完投負け」。援護に恵まれず敗戦投手になってしまった。
◆祖父江大輔、12年目で500試合登板達成
先週のトピックといえば、祖父江大輔の通算500試合登板達成だ。NPB全体で112人目、中日の生え抜き投手では岩瀬仁紀、山本昌、星野仙一に次ぐ4人目の大台到達となった。
2014年のプロ入り以降、リリーフ一筋。本格的に投手転向したのは大学1年の時で、これまで肩肘の故障とは無縁。僅差のリードからビハインドのロングリリーフまで、あらゆる役割をこなしてきた。2020年には福敬登、ライデル・マルティネス(巨人)とともに盤石の勝ちパターンを形成。30ホールドポイントを挙げ、最優秀中継ぎ賞を獲得している。
近年は若手の台頭と加齢により、徐々に出番が減少。それでも命綱たるスライダーの出し入れで要所を抑えてきた。野球に真摯な姿勢に加え、周りを笑顔にさせる明るく朗らかなキャラクターはまさにブルペンリーダー向き。中日に脈々と続く強力救援陣に欠かせない存在だ。
節目の500試合目は11日の楽天戦。約1ヶ月ぶりの一軍マウンドで、4点リードの場面だった。さすがに緊張したのか3本の安打で1点を失うも、最後は代打・鈴木大地を併殺に仕留め、役割を果たした。
勝利後のお立ち台に呼ばれた祖父江は「とにかく1年目の時から、目の前の1試合を頑張ることだけは変えずにやってきた」と、しみじみと話していた。普段は陽の当たらない中継ぎ投手がスポットライトを浴びた夜。こういう日があっても良い。
◆本拠地で6連戦、そしてトレードで佐藤龍世を獲得
今週の予定は以下の通り。交流戦最後の6連戦は本拠地・バンテリンドームナゴヤで行われる。
・6月17日(火)~19日(木):vs.オリックス
・6月20日(金)^22日(日):vs.北海道日本ハム
現在パ・リーグ2位のオリックス、そして同首位の北海道日本ハムを迎える。どちらも強敵だが、地の利を活かして勝ち越しを狙いたい。
オリックスには先日トレード移籍した岩嵜翔、北海道日本ハムには元中日の郡司裕也や福谷浩司などが在籍し、彼らとの再会・対決があるかもしれない。複雑な気持ちになるだろうが、互いに全力でプレーしてくれれば言うことはない。その上で、ほんの少しだけ中日側に幸運が訪れればと思う。
また、15日の夕方に西武・佐藤龍世の金銭トレードによる獲得が発表された。福永裕基に加えて高橋周平も長期離脱が確定的で、石川昂弥はなかなか結果を出せていない。こうした中で、強打の三塁手である佐藤の獲得に動いたと考えられる。早ければ17日から一軍での出場があるかもしれない。状況を見守っていこう。
文:加賀一輝
加賀 一輝
1988年3月6日、愛知県生まれ。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。24年より独立。スポーツに関するライティング、編集、MCなど幅広く活動する。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。Xアカウント
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