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野球 コラム 2025年6月16日

大谷翔平、投手復帰がもたらす大谷自身への効果

MLBコラム by 山田 結軌
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ブルペン投球に向かう大谷

打者専念でもいいのではないか?日米の有識者には、大谷翔平(30)がもたらす圧倒的なオフェンス力を理由にそんな論調もある。

昨季は54本塁打、59盗塁で史上初の「50−50」を達成。DH『だけ』をやれば、それだけの数字を残せる能力を証明したのだから、無理もない。だが、投手として復活するモチベーションと、日々の体力的な負荷は「二刀流・大谷翔平」の選手寿命と延ばし、パフォーマンスを高める。

「昨年はDHだけで出ましたけど、どちらかというと(投打の)2つ同時にやっていくのが通常のスタイルではあるので、特に気にすることはなく(投手として公式戦に)復帰したら復帰したで今まで通り(打者だけで出場するのが普通、ではなく)逆にそれ(二刀流)が今まで通りだなと思って(日々の試合に)入れるんじゃないかなと思います」

6月16日(日本時間17日午前11時10分開始)のパドレス戦で663日ぶりに先発投手としてマウンドに上がることが決定した。

もちろん、投手復帰へのプロセス、そして復帰後は体力的な負担と疲労は増す。それでも二刀流をやりたい、という強い思いと情熱は野球選手として己を突き動かす原動力にはるはずだ。

二刀流をやる、という自分の基準があるからトレーニングもケアも高い水準を己に課すことができる。もしかしたら心のどこかでは、いずれ二刀流の『終わり』が来ることを覚悟しているかもしれない。

しかし、今はこれから本格化するメジャーマウンドに向けて、公式戦で登板しながら強度を上げていく段階。試合前のキャッチボール、ブルペン投球、そして試合のマウンドは体力の回復時間に必ずしもプラスにならない。

しかし、一方で二刀流として完全復活を遂げて、フィールドに戻る、という気力こそが、今の大谷にとって毎日のモチベーションに重要な要素になっているのではないだろうか。

練習の合間、フェンスに腰掛ける大谷

「球数によると思いますけど、前回の登板(3度目のライブBP)も強度的には問題なかったですし、十分に試合に投げられるレベルには近づいているかなと思います」

着実にステップアップしている充実感がコメントからうかがえる。さらに14日(日本時間15日)のジャイアンツ戦では、2本塁打で今季24&25号を放った。そしてMLB通算250本塁打を達成。

実に11試合ぶりのアーチだったが、投手調整の強度が増しても、決して打撃成績を悪化させているわけではないことを証明した。

チームは先発投手陣らに故障離脱があるが、激戦のナ・リーグ西地区で優位に戦いを進めている。ジャイアンツやパドレスとのゲーム差は近く、昨季のワールドシリーズ覇者といえど決して楽観できない状態が続くことは間違いない。

激しい地区優勝争いの過程で大谷の投手復帰は大谷自身のパフォーマンスアップにつながるのでは、ないだろうか。打って、走って、そして投げる。二刀流の復活で大谷は『本来の能力』を発揮するはずだ。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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