人気ランキング
コラム一覧
試合後の小澤主将
全日本大学野球選手権は準々決勝を迎えた。この日、早稲田大学は東海大学と対戦。3回に先制を許すと、4回にも追加点を奪われ、ビハインドで試合は進んだ。
中盤、徳丸快晴(スポ1=大阪桐蔭)の適時二塁打などで追いすがった早大だったが、投手陣が味方の拙守にも足を引っ張られ、大量12失点。屈辱のコールド負けを喫した。
この日の早大の先発は宮城誇南(スポ3=埼玉・浦和学院)。宮城は初回、先頭打者から三振を奪う上々の立ち上がりを見せると、四球こそ与えたものの、無失点でイニングを終えた。
先発の宮城
だが、2回は先頭打者に内野安打で出塁を許すと、後続に四球2つを与えて1死満塁のピンチを迎えてしまう。しかし、ここは内野ゴロと三振で3アウトを奪い切り、何とかこのピンチを脱出。先制点を許さない粘りの投球を見せた。
打線は初回こそ三者凡退で終えたものの、2回、先頭の寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)が中前へとはじき返し、ノーアウトで走者を出すことに成功する。続く、前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)に出されたサインはバント。
ただ、前田健副将がこの場面で走者を進めることは出来ず、吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)が打席に入った。すると、1死一塁のこの場面でも、首脳陣はバントを選択。吉田瑞副将は1球でバントを決め切ったが、次打者の徳丸は中飛に倒れ、先制点とはならなかった。
前の回のピンチをしのぎ切った宮城だったが、3回、またも先頭打者に出塁を許してしまう。その後、次打者のプロ注目の遊撃手・大塚瑠晏(4年)は三振に斬って取ったものの、4番打者に中前打を浴び、1死1・2塁のピンチを招いた。
しかし、この場面で宮城は再び三振を奪い、2死にこぎつける。さらに、続く打者にも弱いゴロを打たせ、このイニングもしのぎ切ったかと思われた。しかし、三塁手・田村康介(商4=東京・早大学院)の送球がショートバウンドし、一塁を守る前田健副将も、これを止め切れず。ボールが点々とする間に二塁走者が生還し、東海大に先制点を献上した。
これ以上の失点を避けたい宮城だったが、相手打者を早々に追い込みながらも8球粘られて四球を与えてしまう。さらに、次打者には左前安打を浴び、この回2失点。続く回にも四球と失策で貯めた走者に生還を許し、4点のリードを奪われた。
何とか点を返したい打線は5回、2死から田村、石郷岡大成(社4=東京・早実)が連続四球を選び、2死1・2塁の好機を作る。すると、尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)が今大会7打席ぶりの安打を放ち、田村が生還。1点を返した。
なおも、2死1・2塁のチャンスで、打席には渋谷泰生(スポ4=静岡)。しかし、この場面で渋谷は右飛に倒れ、3アウト。一挙大量得点とはならなかった。
6回に適時打を放った徳丸
それでも6回、またも2死から前田健副将が四球を選び出塁すると、吉田瑞副将も中前安打で続く。徳丸は粘って8球目を右中間へと運び、この2点適時二塁打で早大は2点差まで追い上げた。
さらに、代打の岡西佑弥(スポ3=智弁和歌山)が右前打でつなぎ、2死1・3塁で打席には石郷岡。押せ押せムードに乗って、石郷岡も捉えた当たりを右中間へと放ったものの、この打球を相手右翼手がダイビングキャッチ。相手に超ビッグプレーが飛び出し、これ以上の得点を挙げることは出来なかった。
6回に登板した高橋煌稀(スポ2=宮城・仙台育英)は、アンラッキーな安打もあって1点を失ったものの、まだ点差は2点。ブルペン陣が「0」で耐え抜けば、逆転を十分狙える状況だった7回、マウンドには安田虎汰郎(スポ2=東京・日大三)が登った。
先頭打者を三振に斬って取った安田だったが、次打者にはシフトが裏目に出る安打を浴びてしまう。さらに、続く打者のバントを処理した岡西の送球は悪送球に。記録上は安打となったものの、守乱で1死1・2塁へとピンチを拡大してしまった。
2死とした後には左前へと安打を浴び、2死満塁へとピンチはさらに拡大。打席には大塚を迎えた。フルカウントで迎えた6球目、大塚の打球は三塁へのゴロ。しかし、岡西にこの場面で捕球ミスが発生。
さらに、焦りが出たが送球も乱れ、平凡な三ゴロで3アウト目を奪い切ることは出来ずに三塁走者が生還。複数のミスが重なり、終盤に痛恨の1点を許す形となった。続く4番打者には左前へと運ばれ、点差は5点に拡大した。
8回に登板した田和
8回には田和廉(教4=東京・早実)が登板。何とかこの悪い流れを断ち切り、攻撃へとつなげることを期待されたが、先頭打者に安打を浴びてしまう。それでも田和は、次打者の内角を攻め切って注文通りの内野ゴロを打たせた。
しかし、この場面で岡西の送球がまたも乱れる。二塁手・小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)がジャンプ一番何とか捕球したものの、併殺を奪い切ることは出来ず。岡西は、続く打者の打球を処理した際にも送球エラー。
1死1・2塁から安打を浴びた田和は、次打者に致命傷となる満塁本塁打を被弾。点差はついに試合規定でコールドとなる、9点差にまで拡大した。守乱で失点がかさみ続けた早大。この日の投手陣の自責点は5。投手陣にも責任はあるだろうが、この日の試合を壊したのは特定の投手ではなく、チーム全体だった。
何とか得点を奪いたい早大だったが、8回の攻撃は打球を外野に運ぶことすら出来ず、3人で終了。8回終了時点で試合規定により、3-12でコールド負けとなった。
東京六大学代表として全日本に出場した大学が、コールド負けを喫したのは史上初だ。それだけでなく、早大がこの試合で記録した失策は4個。記録上エラーとはならなかったプレーも多く、東京六大学連盟100年の歴史に泥を塗る敗戦と言われても仕方がないだろう。
これからチームは夏の鍛錬期へと入る。より一層の厳しさをもち、また秋、神宮の舞台へと帰ってくることを期待したい。
文:林田怜空/写真:西本和宏(早稲田スポーツ新聞会)
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
広島 vs. 阪神(7/8) J SPORTS STADIUM2025
7月8日 午後5:55〜
-
第45回 日米大学野球選手権大会 第2戦 日本 vs. アメリカ
7月9日 午後5:45〜
-
広島 vs. 阪神(7/9) J SPORTS STADIUM2025
7月9日 午後5:55〜
-
中日 vs. 広島(7/11) J SPORTS STADIUM2025
7月11日 午後5:55〜
-
広島 vs. 阪神(7/10) J SPORTS STADIUM2025
7月10日 午後5:55〜
-
中日 vs. 広島(7/12) J SPORTS STADIUM2025
7月12日 午後1:55〜
-
横浜DeNA vs. 阪神(7/6) J SPORTS STADIUM2025 【限定】
7月6日 午後5:50〜
-
中日 vs. 広島(7/13) J SPORTS STADIUM2025
7月13日 午後1:25〜
野球人気アイテム
-
大谷翔平 2025 二刀流復帰応援 ドジャース ピッチャー版ボブルヘッド/球場台座付
-
大谷翔平 MLB ロサンゼルス・ドジャース 50-50達成記念 ボブルヘッド 9.5インチ(約24cm)
-
大谷翔平 MLB ロサンゼルス・ドジャース 50-50達成記念 ボブルヘッド 8インチ(約20cm)
-
大谷翔平 MLB ロサンゼルス・ドジャース ワールドシリーズ 2024 優勝記念 ボブルヘッド 8インチ(約20cm)
-
大谷翔平 MLB ロサンゼルス・ドジャース 通算200号ホームラン達成記念 ボブルヘッド 9.5インチ(約24cm)
-
ダルビッシュ有日米通算200勝記念 MLB公式 限定コレクターズボブルヘッド (記念台座付)
-
大谷翔平「The Skincare Swipe」Tシャツ
J SPORTSで
野球を応援しよう!