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野球 コラム 2025年6月8日

全日本大学野球選手権に出場するプロ注目の選手たち:投手編

野球好きコラム by 大島 和人
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伊藤樹(早稲田大学)

第74回全日本大学野球選手権大会は6月9日(月)の開幕。明治神宮野球場(神宮球場)と東京ドームで行われ、決勝は15日(日)に予定されている。

各連盟の春季リーグ・大会の優勝校が出場する大会なので、当然ながら大学野球界のトップレベルが参加する。今回のコラムでは4年生の投手から、プロ注目の7名を紹介する。

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近年の野球はプロアマとも、投手の「球速」がいい意味でインフレーションを起こしていて、最速150キロ以上の投手も急増中。単なる「スピード」「数字」でだけは厳しい。フォーム、制球力、安定感、変化球の質といったプラスαを持つ人材をチョイスした。

工藤泰己(北海学園大学4年/札幌学生野球連盟)は、2025年秋のドラフト会議で上位候補となる右腕だ。北海高校時代は木村大成(福岡ソフトバンク)の控えだったが、大学で急成長。

175センチ・88キロとそこまで大柄ではないが、先発登板でも悠々と150キロ台は投げる出力がまず魅力だ。さらにフォーク、カーブ、スライダー、チェンジアップと「空振りを取れる球種」も多い。春のリーグ戦は4試合、17イニングに登板し、四死球は12とやや多かった。しかし、30奪三振は流石だ。

チームメイトの左腕・木村駿太が「安定感」「ゲームメイク」では工藤を上回り、春季リーグ戦も工藤は2番手的に起用されていた。とはいえ、可能性を見れば、工藤は大学球界全体を見渡しても屈指の存在。「第45回日米大学野球選手権大会」に向けた「侍ジャパン大学日本代表」の選考合宿にも招集されている。

第74回 全日本大学野球選手権大会

東北福祉大学(仙台六大学野球連盟)は、150キロ級の右腕が揃っている。櫻井頼之介(4年)はそんなチームのエース。174センチ・66キロと細身ながら、速球は常時で150キロ近くを記録する右腕だ。変化球も種類と質が高く、高速で鋭く滑るカットボールを筆頭に、どの球種でも空振りを奪えてカウントも取れる。

堀越啓太(4年)は3年前の選手権で登板し、荒々しいスリークォーターのフォームから、最速154キロを叩き出していた大型右腕。当時はリリーフだったが、その後は先発転向を模索していた。新たにフォークを覚えるなど、スタイル変更の過渡期にある。1年次ほどの凄みは見せられていないが、大器には違いない。

伊藤樹(早稲田大学4年/東京六大学野球連盟)は、5月19日の明治大学2回戦でノーヒットノーランを達成した技巧派右腕。春のリーグ戦は6勝0敗と抜群の安定感を見せた。強弱・緩急やコースの出し入れといった投球術のあるタイプで、球種も多彩。ポテンシャルより「安心感」「完成度」を評価されるタイプ。「侍ジャパン大学日本代表」の選考合宿にも招集されている。

中西聖輝(青山学院大学4年/東都大学野球連盟)は、2024年の「大学四冠」にも貢献した右腕。速球も最速152キロを計測した出力を持ちつつ、シュート系、スライド系、縦変化とボールを「自在に動かせる」ところが素晴らしい。また、フォームの「合わせ難さ」があり、打者がフルスイングできない、振り遅れる場面も多い。

春季リーグ戦は6勝2敗で最高殊勲選手賞(MVP)、最優秀投手賞、ベストナインを獲得、70回1/3の登板で防御率1.41、87奪三振、17四死球と内容も抜群だった。彼も「侍ジャパン大学日本代表」の選考合宿に招集されている。

高木快大(中京大学4年/愛知大学野球連盟)は昨年の選手権でも好投していた右腕で、やはり大会後の「侍ジャパン大学日本代表」の選考合宿に招集されている。この春のリーグ戦は故障明けだったが、尻上がりに調子を上げ、5勝1敗の活躍でチームを優勝に導いた。

180センチ・80キロとそこまで大柄ではないが、「上下の角度」を強調したフォームが持ち味。特に高めの速球はスピンが効いていて、140キロ台前半でも面白いように空振りを奪え、フライアウトも多い。制球力が高く、低めに入る変化球とのコンビネーションもあるため、初見での攻略は難しいだろう。やはり「侍ジャパン大学日本代表」の選考合宿に招集されている。

野口練(近畿大学4年/関西学生野球連盟)は、今回の大学日本代表先攻合宿の候補には入っていないものの、3年生だった昨年のヨーロッパ遠征に大学代表として参加していた。174センチ・68キロの左腕で、大学代表ではリリーフとして好投を見せていた。

この春のリーグ戦も3勝0敗、防御率0.00と好投している。150キロ台の速球を投げるようなタイプではないが、チェンジアップの質が高い実戦派で、左腕としてはこの大会でも最高レベルの能力を持つ。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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