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野球 コラム 2025年5月29日

大谷翔平、2度目の復帰へ第一歩

MLBコラム by 山田 結軌
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ライブBPに登板した大谷

マウンドに戻ってきた背番号17は終始、笑顔だった。ドジャースの大谷翔平投手(30)が、5月25日にライブBPに登板した。2023年9月19日に2度目の右肘手術を受けてから、初めての打者を相手にした実戦的な投球練習だった。練習とはいえ、打者たちとの『勝負』を心から楽しんでいるようだった。

「最近あまり投げていなかったので、また自分がピッチャーもやっているというのを若干、思い出せた感じもあるのでよかったんじゃないかと思います」

キャンプや開幕後の投球練習はブルペンで行ってきた。久しぶりの「投手・大谷」はメッツのホーム、シティー・フィールドが舞台。

実際に試合が行われるマウンドに立ったのは、右肘の靱帯が損傷していることが明かされたエンゼルス時代の2023年8月23日、レッズとのダブルヘッダーの第1試合以来、641日ぶりだった。

チームメートが三塁側ベンチ前、ホームベース後ろで見守るなどチーム全体で大谷の復活をサポートしているようだった。

オールスターゲーム後の復帰を見据え、今後は投手調整が本格的する。実戦的な投球練習の強度が上がれば、体力的な負担も増す。投球の準備にかける時間も増え、回復にあてる時間も今まで以上に必要になる。

一見、DHとしての打者出場へパフォーマンスを落とす要素が増えるようにみえる。しかし、むしろ打者としての調子を上げていくのではないだろうか。

二刀流として復活するモチベーションが、実戦練習をこなすことで今まで以上に高まり、さらにシーズン後半で地区優勝に向かい緊張感の高まる試合は、大谷の『すごみ』を増幅させるのでは、と予想している。

終始、笑顔だった大谷

前例のない二刀流選手として2度目の右肘手術からの復活。1度目はメジャー1年目の2018年に手術を受け、19年は打者専念。そして、復帰を期した2020年はコロナ禍で復活へのプロセスは変則的だった。

マイナーリーグがシーズン全休となり、3月中旬からはメジャーのオープン戦も中断された。7月下旬の開幕まで味方を相手にした実戦形式の投球練習しかできなかった経験が、今回のプロセスで生かされようとしている。

「前の時(1度目のリハビリ)もライブBPで調整はしてきてはいた。実際のゲーム(試合での登板)だからといって、シミュレーション(ゲームでの登板)とすごく変わるかと言われたら、そんなに変わらないと思う。今の形式で球数、強度がしっかり保てるのであれば、十分じゃないかなと思います」

もとより大谷はDHとして外せない戦力のため、メジャーの試合に出場を続けなければいけない。つまり、当初のプランから他の投手がたどるマイナー戦でのリハビリ登板をしてから、メジャー復帰、という想定はない。

今後は基本的には1週間に1度のライブBPを繰り返しながら、8~9週を過ごす。唯一無二の二刀流は、誰も歩んだことのない復活への道のりを歩んでいる。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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