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野球 コラム 2025年5月23日

山本由伸、無双のエースへ

MLBコラム by 山田 結軌
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キャッチボール中の山本由伸

無双する雰囲気が漂ってきた。メジャー2年目を迎えているドジャースの山本由伸投手(26)だ。

5月20日(日本時間21日)のダイヤモンドバックス戦ではメジャー移籍後最多の110球を投げ、7回1安打無失点の好投。2四球、9三振だった。7イニングで三者凡退は5度。6勝目はならなかったが、チームは延長10回に4−3でサヨナラ勝利し、連敗は4で止まった。

「とにかく今日の勝利に貢献できたことがすごくうれしいと思いますし、チームの勝ちにつながるピッチングを毎試合できたらと思います」

自身の勝敗は4勝3敗ながら、山本の登板試合では7勝3敗。5月8日、敵地でのダイヤモンドバックス戦でこそ、5回5失点するが、その他の試合では3失点以下に抑え、ゲームメークをしている。

大きく制球を乱すことはなく、むしろ高い制球力があるゆえ『狙い過ぎている』からこそ、四球を出してしまっているようにも見える。カーブで緩急をつけ、カットボール、スプリットは三振を奪う決め球にできる精度がある。

6回終了時点まではノーヒットピッチング。試合後の会見では、地元メディアから「ノーヒットノーランは考えたか?」と質問された。

「やっぱり、9イニングはすごく遠いので。130球くらい投げられたら別ですけど。球数もまあまあいっていたので、とにかく目の前のバッターに集中して投げていました」。米球界では先発投手の交代は100球が一定の基準だ。6回までに90球。投げてもあと1イニング、という状況だった。

前回対戦で5失点していた相手に慎重に配球。ストライクゾーンのコーナーを狙う分、3イニングはパーフェクトだったが、3ボールになった場面が5度あった。その分、球数が増えた。

練習後、笑顔を見せる山本由伸

防御率1.86はメッツの千賀滉大(32)の1.43に次ぐナ・リーグ2位。シーズン序盤とはいえ、日本投手2人がハイレベルなタイトル争いをしている。

5月23日(日本時間24日)からは、メッツの本拠地『シティー・フィールド』でドジャースは3連戦。昨季のナ・リーグ優勝決定シリーズで対決した両軍が戦うが、山本に先発予定はなし。千賀は25日(同26日)に今季10度目の先発に臨む。

「しっかり調整もしてこれていましたし、たくさん練習もしたので、あまり悪いイメージを持つことなく、今日の試合に挑めたかなと思います」

メジャー2年目は環境に慣れ、生活にも慣れ、相手打者への知識も増えた。先発投手ではグラスノーやスネルらが負傷離脱。それだけに山本のかかる期待は、大きくなる。

山本は昨季、6月中旬から2カ月半、右上腕の張りで戦線を離脱した。それだけに今季はポストシーズンを含めたフルシーズンでエースとしての役割を全うすることが、自身へのミッションだ。

ここまで10先発。メジャーのエースクラスは年間、30~32先発がローテ1番手としての基準だ。まだ3分の1だが、それでも由伸には日本投手初のサイ・ヤング賞獲得を期待せずにはいられない。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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