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野球 コラム 2025年4月3日

松井裕樹、メジャー2年目の開幕ダッシュ

MLBコラム by 山田 結軌
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中継ぎ投手陣と松井(中央)

チームとともにパドレス松井裕樹投手(29)も好調な開幕を過ごしている。7連勝中のチームで3試合に登板し、貢献している。ここまで3試合(3回1/3)を投げ、無安打無失点で防御率0.00、2四球、7三振。メジャー2年目へ、幸先のいいスタートを切った。

「ケガをせずに最終的には勝ちパターンに入っていけるシーズンにしたい」。

開幕前にはそう語り、勝利継投入りを改めて目標に掲げた。キャンプイン後の2月13日には、「立場的には後ろの3人をどかして、そこに入っていかなければいけない立場にいるので、しっかりゲームで最初から結果を求めてやっていきたい」と表現した。

パドレスの強みは投手陣の充実。チーム防御率1.57はメジャートップ、さらにリリーフ投手のチーム防御率0.68は、メッツの同1.64を突き放し、30球団でダントツだ(4月2日終了時点)。

クローザーのスアレス(昨季36セーブ、防御率2.77、今季3試合で防御率0.00、3セーブ)、セットアッパーにアダム(昨季74試合、31ホールド、4セーブ、防御率1.95、今季4試合で4回1/3、防御率0.00)。

7回はエストラーダ(昨季62試合、防御率2.95、今季4試合で4回1/3、防御率0.00)、複数イニングを任される左腕、モレホン(昨季60試合で63回2/3、防御率2.83、今季4試合で4回2/3、防御率1.93)ら、強力な左右のブルペン陣が継投を支えている。

松井もオープン戦では10試合(9回2/3)を投げ、防御率3.72、10三振、3四球と順調に過ごした。オフからルーキーイヤーの投球を分析。メジャー2年目へ、各球種もモデルチェンジを図っていた。

簡単にいえば、こうだ。

・スプリットの落ち幅を増やす
・その分、球速も落ちることでスライダーの平均球速との差を作る
・スイーパーの横への変化量を増やす、使用率も増やす(その分、スライダーの使用率が減る)

今季はまだ登板数、球数は少ないが、データ(ベースボール・サバントを参照)からは、そのような傾向が読み取れる。球種ごとの球速差を作り、打者に狙い球を絞りにくくさせる、などの効果があるはずだ。

試合前練習では遠投で調整する松井

開幕前には「シーズン入ったら、しっかりデータを見てボールを選択していくと思う。また、バッターを理解した上で投げていくことになるので(配球などは)ちょっとオープン戦とは違う。いいスタートを切りたいですね」と話していた。

3試合の登板時点では、松井の望んだ「いいスタート」となった。4月1日(日本時間2日)のガーディアンズ戦では、7回のマウンドに向け、ブルペンでウオーミングアップを開始。その時点では、3点差だった。結果的に4点差に広がって登板したが、僅差の終盤での起用に首脳陣の信頼が高まっていることをうかがわせた。

パドレスは球団新記録の開幕5連勝を更新し、4月2日時点で7連勝と勝ち続ける。ライバルのドジャースはその上をいく、開幕8連勝。ナ・リーグ西地区の開幕1週間は、白星の伸ばし合いで始まった。松井は、地区優勝を狙うチームのブルペンで重要な役割を担うことは、間違いない。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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