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松葉貴大(ドラゴンズ)
3月28日、ついにプロ野球のペナントレースが開幕。贔屓チームの一挙手一投足に歓喜し、涙を流し、時に怒り狂う…。そんな「苦しくも愛おしい日々」が今季も始まった。
中日ドラゴンズはどんな開幕を迎えたのか。そして、今後の戦いはどうなるのか。本稿では開幕シリーズの振り返りと次週の展望を綴りたい。
◆2020年以来の開幕カード勝ち越しならず
まずは開幕シリーズの振り返りから。中日は敵地・横浜スタジアムで横浜DeNAと3連戦を戦った。結果は下記の通り、1勝2敗に終わり、残念ながらカード負け越しを喫した。
・3月28日(金):中日 0-5 DeNA
・3月29日(土):中日 1-0 DeNA
・3月30日(日):中日 1-2 DeNA
開幕戦は高橋宏斗が初の開幕投手を務めるも、6回途中5失点KO。若きエースは「自分がチームに勢いをつけたい」と意気込んでいたが、相手打線に返り討ちに遭った。
イニング途中での降板は珍しく、独特の緊張感と相手打線に呑み込まれたか。もちろんこの試合でシーズンが終わるわけではないので、次回以降の登板に期待しよう。
2戦目は木下拓哉の適時打で挙げた「虎の子の1点」を松葉貴大、清水達也、松山晋也の継投で守り切った。井上一樹監督にとっては、記念すべき公式戦初勝利。試合終了後の涙と、未登板のブルペン陣が少し茶化しながら(?)祝福する姿が印象的だった。
3戦目は先発のウンベルト・メヒアが序盤から快調に飛ばすも、2本の本塁打に沈んだ。打線も終盤に上林誠知の適時打で反撃するも、後が続かず1点止まり。2020年以来の開幕カード勝ち越しは来季以降に持ち越しとなった。
◆週間MVPは「チーム初勝利をもたらした先発左腕」 ここで「勝手に週間MVP」を考えたい。今回の開幕3連戦に関しては、松葉がその称号にふさわしいのではないか。
前述の通り、29日の2戦目に先発。速球は140キロに満たないながらも、ストライク先行のピッチングとスローカーブを効果的に使う緩急術で、横浜DeNA打線を翻弄。7回2安打無失点の快投を見せ、トレバー・バウアーに投げ勝った。
松葉には、数年前に「本拠地・バンテリンドームナゴヤで5回限定」と登板を制限される過去があった。6回以降、3巡目で打ち込まれる場面が目立ったからだ。その前、オリックス時代は本格派投手ゆえに一発に泣く登板が多かった。若い時から全てがうまくいくというよりは、都度課題が生まれるタイプの投手だった。
それでも、突きつけられた課題に対し、自らの創意工夫と向上心で改善・進化させてきたのが松葉流。今の技巧派スタイルは、中日に加入した2019年以降に作り上げたものだ。
昨季に自身8年ぶりの完投をマークするなど、1つ1つイニングを積み重ねていった結果、29日の試合で節目の通算1000投球回を達成。今季もローテの一角を担い、丁寧に投球を続けていくことだろう。
◆本拠地開幕シリーズで巨人と対戦
中日の今週の日程は以下の通り。
・4月1日(火)~3日(木):巨人戦@バンテリンドームナゴヤ
・4月4日(金)~6日(日):ヤクルト戦@神宮球場
本拠地開幕シリーズは前年度優勝チーム・巨人を迎えての3連戦だ。初戦の先発はカイル・マラー、その後は柳裕也、大野雄大が予想される。この中だとマラーへの期待が大きい。MLBで開幕投手を務めた大型サウスポーが、公式戦初登板でどのような投球を見せるか楽しみだ。
相手は井上温大、山崎伊織の「中日キラー」コンビに加え、今季から加入した田中将大が先発予定。難敵揃いではあるものの、1点をしっかり取りに行く攻撃を展開したい。
巨人戦の後は、再び関東に遠征。神宮でヤクルトと対戦する。ヤクルトは開幕3連敗を喫しており、村上宗隆と山田哲人が離脱中。ここ2試合は無得点が続いており、打線はやや迫力不足か。中日は開幕カードと同じ高橋宏、松葉、メヒアの順で先発すると考えられ、カード勝ち越しを狙いたいところだ。
野手のキーマンは村松開人。開幕シリーズでは11打数ノーヒットで失策を記録と、結果を残せなかったが、昨季は神宮で打率.650の大当たり。明治大学時代から慣れ親しんだ球場で調子を上向きにしていきたい。
文:加賀一輝
加賀 一輝
1988年3月6日、愛知県生まれ。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。24年より独立。スポーツに関するライティング、編集、MCなど幅広く活動する。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。Xアカウント
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