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宜野湾上空の虹
春季キャンプも中盤に入り、紅白戦や対外試合など実戦モードに入りました。2月12日に行われた中日二軍との練習試合では、ドラフト1位の3選手が3者連続本塁打と、圧巻の打撃を見せています。
先陣を切ったのが、2023年1位の度会隆輝で、中日先発左腕の福田幸之助から初球をレフトポール際に飛び込む先頭打者アーチ。続く2019年1位の2番・森敬斗がライトへ本塁打を放つと、仕上げは2022年1位の3番・松尾汐恩がレフトへ本塁打で、圧巻の三者連続弾を完成させました。
「横浜奪首」をスローガンに、27年ぶりのリーグ優勝を目指すチームにとって、これ以上ない、夢のある出来事となりましたが、この『3連発』、実は近年のベイスターズにとっては『お家芸』ともなっていることでもあります。
もっとも衝撃的だったのが、2017年8月22日の広島戦。プロ野球史上初となる、3者連続本塁打による逆転サヨナラ勝ちを演じています。
序盤から劣勢が続いて、2-5で迎えた9回裏。無死1塁から3番・筒香嘉智からライトスタンド上段に飛び込む2ラン本塁打を放ち、8回まで2失点と好投していた広島先発の野村祐輔を降板させます。
続く、4番・ロペスが代わった今村猛からレフトスタンドへ同点本塁打。さらに5番・宮崎敏郎がライナー性の当たりで、レフトスタンドへ飛び込むサヨナラホームランで勝敗が決しました。
このNPB史上初となる劇的勝利は、真夏の奇跡と言われましたが、翌2018年の8月、横浜スタジアムでの同じ広島戦で、2年連続の『ドラマ』が再現されました。
1-4で3点ビハインドの8回、無死満塁のチャンスを作って、この日も先発だった野村を降板させると、2番手で登板した一岡竜司から4番・筒香がライナーでライトスタンドに突き刺さる逆転満塁本塁打。
その興奮が冷めやらぬ中、5番・宮崎がレフトスタンドへ本塁打を放つと、6番・ソトも初球をレフトスタンドに運び、この回一挙6点の大逆転劇となりました。
その2年後の2021年、8月27日の東京ヤクルト戦では、0-0で迎えた7回に相手先発の奥川恭伸から宮崎が、左中間スタンドへ均衡を打ち破る一発を放つと、続くソトもレフトポール際に入る本塁打。
最後はルーキーの牧秀悟が3者連続となるホームランを放ちました。新型コロナウィルスの影響により、東京ドームで行われたこの試合は、観客数が制限されたスタンドで鳴り物応援もない中、純粋な声のみのざわめきが印象的な3連発となりました。
この3度の『3連発』はいずれも8月の試合で、宮崎が3試合全てに関わっているのが面白いところです。2年連続の広島戦は2試合とも筒香が口火を切る一発を放っていますが、やはりサヨナラ、スコアレスの均衡を破る本塁打を放った宮崎の勝負強さは特筆ものと言えそうです。
2021年以降、『3連発』はありませんが、昨シーズンも「惜しい」試合がありました。
横浜スタジアムで行われた5月11日の阪神戦。7-9と2点ビハインドで迎えた8回、無死1塁の場面で、蝦名達夫が阪神4番手の岩崎優から、バックスクリーン横へ同点2ランを放つと、1死後に筒香が右中間スタンドに飛び込む勝ち越し本塁打。
続く、牧も代わった岡留英貴からレフトスタンド最上段へダメ押しのホームランを放って劇的勝利を挙げました。
実はこの3人の間、蝦名の後に打席に入ってショートゴロに倒れた関根大気も、初球をライトポール横にわずかにファールになる一打を放っています。これがホームランになっていれば4者連続になっていた、というのは結果論に過ぎませんが、ここでも筒香が絡んでいるのはさすがハマの大砲、といったところでしょうか。
今回の練習試合での『3連発』は、これまでとは全く違う顔ぶれでのものでしたが、昨年の下剋上日本一から、今年も何かやってくれそうな期待を抱かせるものとなったことは間違いなさそうです。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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