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大谷翔平(ドジャース)
大谷翔平が『50-50』の大台へまた一歩前進した。ドジャースのスーパースタースラッガーは現地9月8日(日本時間9日)、本拠地ドジャースタジアムでのガーディアンズ戦に「1番・指名打者」でスタメン出場。
6回にソロ弾を放ち、46本塁打、46盗塁として、史上初のシーズン『46-46』を達成した。試合はドジャースが4-0で勝利し、ナショナル・リーグ西地区首位の座を磐石のものとした。
既に前人未到の領域に踏み入れている大谷だが、『MLB.com』は現地7日付で「大谷とジャッジはどちらがより歴史的なシーズンを送っているのか」と題した記事を掲載。
その中で、キャリア2度目のシーズン60本塁打越えに挑むヤンキースのアーロン・ジャッジと、「神話的な響き」と形容される『50-50』を視野に捉えた大谷のシーズンを複数の識者がその優劣を比較する形で、どちらがより歴史的であるかを論じている。
先に結論を述べておくと、記事上のディベートに参加した識者全9票のうちの5票を獲得した大谷に軍配が上がる結果となった。では、より歴史的なシーズンという意味合いにおいて大谷派となった識者の論点をピックアップしてみよう。
監修のジェイソン・カタニア氏は、「現在このスポーツで最高の攻撃的脅威であるジャッジには申し訳ないが、シーズン終盤へ向け、オオタニによるホーマーか盗塁による毎夜の騒ぎの方が、ヤンキースのキャプテンによる60本塁打越えの再現への追求よりも、スリリングかつドラマチックであり、楽しい!」とした。
その上で、「そして、オオタニが実際に『50-50』に到達した場合、我々はそれを傑出した個人による偉業として、2024年について思い返すことだろう」としている。
アンソニー・カストロビンス記者は、「オオタニは既に誰もなし得なかったことをやっている。仮に彼が『50-50』に届かなかったとしても、これから彼が記録する全ての本塁打と盗塁はこれまで存在しなかった『クラブ』(43-43クラブ、45-46クラブなど)を創設するのだ」とした。
また、「彼が身長193センチ、体重95キロ(『40-40』を達成した選手で同じくらい大きかったのはホセ・カンセコのみ)で、これを達成しているという事実に加え、トミー・ジョン手術から回復中であるということが、これをより途方もないことにしている」と指摘した。
そして、両者ともに並外れたシーズンを送っているが、定義として歴史的なのはオオタニのみである」と結論付けている。
ブライアン・マーフィー記者も同様に、「トミー・ジョン手術から回復中である」部分について触れつつ、「オオタニの2024年シーズンの方が歴史的」とし、「我々は世界で最も才能のある野球選手による、メジャーリーグで一度も達成されなかった偉業を目撃しているのである」と綴っている。
一方、データ関連の記事でお馴染みのサラ・ラングス記者は、「この2人の優劣をつけるのは不可能」であり、「この2人によるパフォーマンスを同時に目撃できるのは非常にラッキーなこと」と前置きしつつも、「どちらがより歴史的なシーズンを送っているかというアプローチを採るならば、答えはオオタニだ」と、自らの立場を明らかにした。
同記者によると、その根拠は「50-50でさえなく」「重要なのは、とても優れた投手が、パワーとスピードを兼ね備えたシーズンを送っているという事実」であると指摘。
「オオタニが40盗塁に達したとき、彼は200奪三振以上をマークしたシーズンを記録しつつ、40盗塁以上をマークしたシーズンを記録した5人目の選手となったが、他の4人がこの記録を作ったのは、マウンドが現在の距離に定められた1893年より前のことであり、現代的な盗塁のルールが定められたのは1898年のことである」とした。
それに加え、「彼は本塁打と盗塁の両方でメジャー2位につけている」が、「これまで同一シーズンを本塁打と盗塁の両方でトップ2に入って終えたのは、1908年のホーナス・ワグナーと1909年のタイ・カッブのみである」という観点から、大谷の達成がいかに歴史的であるかについて論じている。
なお、ジャッジ派の識者は昨年のルール改正により、盗塁成功が以前より容易になった点を指摘し、大谷の偉業に難癖をつける傾向にある(そして、彼らは大谷が投手としてトミー・ジョン手術から回復中であることに目を瞑っている)。
しかし、ラングス記者は回数という絶対数ではなく、ランキングという相対数を論点とすることで、そうした議論をある程度無力化している。
J SPORTS 編集部
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