人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

野球 コラム 2023年8月31日

「ガラスのエース」らしい?エンディング、「ドラフト史上最高の選手」だったアンディ・ストラスバーグが引退

MLB nation by 豊浦 彰太郎
  • Line

その抑止策のおかげか否かは別にして、その後はコンスタントに活躍した。しかし、故障離脱はそれなりにチョコチョコあった。

実際、2013年にぼくはストラスバーグの登板を見たいがために渡米計画を組んだが、現地入りした後に彼は故障で離脱。生でその豪速球を見る機会を逃したこと。

2019年は、リーグ最多の209回を投げ、18勝で最多勝利のタイトルを獲得した。そしてポストシーズンでは5勝(0敗)を挙げる獅子奮迅の活躍を見せた。ワールドシリーズでは2先発で2勝をマークしMVPに選出された。しかし、この年の大車輪の活躍との因果関係は明らかではないが、結果的にはそれで彼のキャリアは終わった。

ナショナルズでは、2018年オフにもう1人のフランチャイズヒーローのブライス・ハーパーがFAで離脱している。しかし、ハーパー(同地区のフィリーズに移籍し2021年に自身2度目のMVP)を結果的には見送り、ストラスバーグを引き留めた決断は完全に失敗に終わった。

ナショナルズとストラスバーグの契約は来季以降あと3年1億500万ドルが残る。その行方は明らかになっていないが、故障による引退のためそのまま支払われる可能性は高い。「自分が投げられなくなって自分の意思で引退するのにサラリーはしっかり受け取ろうというのか」と怪訝に思われるかもしれないが、球団は故障のリスク込みでその契約をオファーしている。仮にストラスバーグが来年以降のサラリーを返上しようとしても、「世界最強の労働組合」である選手会はそれを許さないだろう。今後の悪しき前例となるからだ。

一般的には、そのようなケースに無駄に支払われるサラリーのそれなりの部分は保険でカバーされる。その場合、実質的な引退後もその選手の名は球団のロースター名簿に「故障者リスト入り」として載り続ける。球団としても、保険金を受け取るためにはあくまで「故障中」というタテマエが必要だからだ(実際にはそれは愚行なので、アンダーグラウンドで球団と保険会社が妥協点を探ることもある)。しかし、ストラスバーグの契約に関しては、「ワシントン・ポスト」は球団は保険に加入していない(故障が多い選手なので加入できなかった?)可能性を示唆している。

いずれにせよ、「ガラスのエース」らしい幕引きと言えなくもない。

文:豊浦彰太郎
代替画像

豊浦 彰太郎

1963年福岡県生まれ。会社員兼MLBライター。物心ついたときからの野球ファンで、初めて生で観戦したのは小学校1年生の時。巨人対西鉄のオープン戦で憧れの王貞治さんのホームランを観てゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。有料メルマガ『Smoke’m Inside(内角球でケムに巻いてやれ!)』も配信中。Facebook:[email protected]

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
野球を応援しよう!

野球の放送・配信ページへ