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野球 コラム 2023年6月6日

「ダルvs.誠也」夢の対決はまた来季に

野球好きコラム by 山田 結軌
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「僕はもうここ(パドレス)に来てほしかったし、来るもんだと思っていた。もうショックで泣きそうでした」

約1年3カ月前、パドレスのダルビッシュ有投手(36)は鈴木誠也外野手(28)がカブスと5年契約に合意したことを知らされ、そう残念がっていた。代理人が同じワッサーマンのジョエル・ウルフ氏という縁もあり、誠也が移籍先を選ぶ際には、ダルビッシュの自宅を訪れることもあった。

ときは流れ、2人はナ・リーグのライバルとして6月3日に初対決。18・44メートルを隔てて、12球の“やりとり”が繰り広げられた。

「データをみていてもすごく選球眼がいいですし、パワーもありますし、嫌だな、という感じでずっと投げていました。日本のときから、僕はずっとみていましたし、プライベートでも交流があるのですごく楽しみにしていて、また次もいい投球ができるように頑張りたいです」

誠也が2013年にプロ入りしたときには、すでにダルビッシュはメジャー移籍し、レンジャーズでの2年目。よって、直接対決は日米通じて初めてだった。結果は空振り三振、見逃し三振、遊ゴロ。対戦は3打席で合計12球。ダルビッシュはフォーシーム、スライダー、スイーパー、ツーシームでパワーと技術を駆使して完璧に抑えた。配球や打ち取るまでのプロセスもダルビッシュのイメージ通り。特に四回1死での第2打席では、カウント2-2からの6球目、外角のボールゾーンから、ストライクゾーンに曲がるツーシームが外角低めに決まり、鈴木は思わず天を仰いだ。ダルビッシュがメジャーの一流として活躍し続けている貫禄を示した。

「外のスイーパーから始めて、バックドアのツーシームを投げて、フォーシームを外高め、というのは1打席だけですけどきのう(イメージ投球を)やっていた。ある程度、その通りになった」

「外のスイーパーから始めて、バックドアのツーシームを投げて、フォーシームを外高め、というのは1打席だけですけどきのう(イメージ投球を)やっていた。ある程度、その通りになった」

先発日前日のルーティーンとして、対戦相手のデータ資料を持って、ブルペンでのイメージトレーニングをしながら、ボールを手にしたままシャドーピッチングを行う。配球プランなどは、ダルビッシュが自ら対戦打者の映像を分析して組み立てる。どのチーム、打者にも基本的には自分でゲームプランを考えるのが昨季からの取り組みだ。

「これが、あなたの弱点です、と。僕は基本的にそういうふうにピッチングをする」
サンディエゴでの4連戦のカード初戦前には、誠也がダルビッシュの練習終わりに合わせ、タイミングをうかがい挨拶に出向いた。今季の両チームの対戦は終了。来季以降もどんな対戦が繰り広げられるのか、今から楽しみだ。

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

Twitter
@YamadaSANSPO

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