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野球 コラム 2023年4月25日

【横浜好き】5年ぶりの単独首位。週刊MVPは週間打率.462の宮崎敏郎と3セーブを挙げた山崎康晃。『週刊ベイスターズいいとこどり』

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

日替わりで順位が入れ替わる今季のセ・リーグで、ベイスターズがついに単独首位に立ちました。単独首位となるのは、5年前の2018年4月23日以来、実に1826日ぶりとなります。巨人との九州シリーズから広島へ向かったビジター5試合のカード別『いいとこ』、そして数字で選ぶ週間MVPを選出します。

長崎と佐賀で行われた巨人との2連戦では、先発した左腕2人の明暗が分かれた。18日の石田健大は8回まで散発4安打、無四球、8奪三振で無失点の快投。得点圏に走者を許したのは6回の1度のみと、完璧な内容で巨人先発・戸郷翔征との投手戦に投げ勝ち2勝目をマークした。

19日は佐賀県出身の濱口遥大が凱旋登板となったが、味方が1点を先制した直後に3連打と犠飛で逆転され、7回には2ラン本塁打で致命的な追加点を奪われ、自身3連敗となった。

野手では濱口と同じ佐賀県出身の宮崎敏郎が、長崎で2試合連続マルチ安打となる2安打1打点を記録し、佐賀でも1安打を放って打率.442と高打率をキープ。6番打者として定着した関根大気は、チームが敗れた19日に先制タイムリーを放ち、外野守備でもファインプレーと、ひとり気を吐いた。

ロースコアの接戦が続いた広島との3連戦では、左右のエースが今季初登板を果たした。21日に先発した今永昇太は、WBC決勝戦以来となる一軍でのマウンドで8回を投げて被安打5、無失点と圧巻の投球。奪三振は6とやや少なめだったが、無四球で凡打の山を築く投球に、三浦大輔監督は「芸術品を見ているような感じ」と称賛した。

翌22日には、右肩の肉離れで出遅れていた大貫晋一が先発。1、2回は三者凡退と快調なスタートだったが、4回に味方のミスも絡んで3失点して5回で降板。打線の援護もなく負け投手となった。

カード勝ち越しがかかった23日は、プロ初の三塁でのスタメンとなった京田陽太が、移籍後初打点となる先制の2点タイムリーを記録。その後逆転されたが、8回に佐野恵太が同点弾を放ち、直後の無死満塁のピンチを伊勢大夢が無失点でしのぐと、9回には代打で登場した楠本泰史の勝ち越し打で接戦にケリをつけた。

*****

数字を見ると、21日まで開幕から15試合連続安打を続けた宮崎が、週間打率.462、同出塁率、長打率ともに5割超えでOPS1.127と相変わらず好調ですが、22日に今季初めて無安打に終わると、23日にはスタメンを外れて代打で1打席のみの出場(結果は申告敬遠)に終わっています。

打率リーグトップ(.448)を独走するベテランが打線を引っ張っている状況ですが、その他を見ると、牧秀悟の週間打率.053から佐野が同.158、桑原将志は同.176、京田も同.143、打率リーグ3位の.360をマークしている関根でも週間打率は.235とスタメン選手は壊滅状態。打席数の少ない選手でも大田泰示の同.333(3試合6打数2安打)、神里和毅の同.500(4試合2打数1安打)が目立つ程度で、攻撃陣は全体的に低調な週でした。

単独首位の原動力となったのは投手陣、特に先発投手の頑張りでした。前述した石田、今永の両左腕が8回無失点、23 日の東克樹は6回1失点、チームが敗れた2試合でも濱口が7回、大貫も5回を投げており、大崩れはしていません。

先発陣の頑張りはブルペンの負担軽減につながり、先週リリーフ投手で2試合以上登板した選手はゼロ。伊勢、上茶谷大河三嶋一輝森原康平が1イニング、入江大生は2/3イニングをいずれも無失点。クローザーの山崎康晃が、3試合で週間防御率0.00となっています。

週間MVPは野手では2度、決勝点につながる打点を挙げている楠本もいますが、ここはやはり数字的に唯一無二の活躍をした宮崎。投手は石田と今永が数字的にほぼ互角の内容ですが、ここは緊迫した投手戦を完璧に締めくくり、3セーブを挙げた山崎にしましょう。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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