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野球 コラム 2022年10月4日

【広島好き】週間MVP、ショックが大きく選ぶのが困難な結果に。9月29日~10月2日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島好きコラム

クライマックスシリーズ進出をかけた最後の3試合はまさかの3連敗。かつては圧倒的な強さを見せたマツダスタジアムで、6連敗のシーズン終了となりました。佐々岡真司監督の退任も決まり、MVPなど選んでいる場合か、とお叱りも受けそうですが、半年間続けてきたこの企画、最後まで全うしたいと思います。

西川龍馬が週間打率.091、マクブルームが同.000と3、4番の不振が3連敗の要因となった打撃陣ですが、週間打率4割台をマークした選手が2人いました。

6番、5番、2番と全て違う打順でスタメン出場した坂倉将吾は、29日にタイムリーを含む2安打、30日には完封負けを免れる意地の本塁打を放つなど週間打率.400、同OPS1.155のハイアベレージを記録。初タイトルとなる最多安打には届きませんでしたが、三塁と捕手などで自身初となる143試合フル出場を達成しました。

もう1人は野間峻祥で、ヤクルトとの2連戦でいずれもマルチ安打を記録するなど、3試合全てで安打を放って週間打率.417、同出塁率.462とトップバッターとして合格点の数字を残しました。

2日の最終戦では右中間の当たりをトップスピードで打球に追いつき好捕するなど、自慢の守備でもスーパープレーを披露。故障などもあり、85試合出場で規定打席には到達していませんが、打率.312で自身初のシーズン打率3割台を記録しています。

週間打率は.250ですが、上本崇司は今回も数字以上のインパクトを残しました。29日にはマツダスタジアムで自身初本塁打となる先制2ランを放つなど、マルチ安打で4打席中3打席に出塁。こちらも94試合出場で規定打席未到達ですが、打率.307をマークし、『守備と足のスペシャリスト』からスタメンも任せられるマルチプレーヤーに飛躍を果たしました。

最終戦でスタメンマスクの石原貴規は、3安打と打線が沈黙したチームで2打席連続安打とアピール。守備でも先発したルーキー・森翔平を5回無失点に導く好リードで、来季に向けて熾烈な捕手争いに割り込む意気込みを見せています。

野手MVPは数字なら野間、印象度で言えば上本になりそうですが、試合結果に対してのショックも大きく‥‥、判断が難しいので、読者の皆さまのご判断にお任せする、ということにします。

野手と同様か、さらに難しいのが投手MVPです。クライマックスシリーズ進出へ、必勝態勢で佐々岡監督が送り出した森下暢仁は6回途中2失点でイニングを完了できず降板。翌日の九里亜蓮もキブレハンに痛恨の一発を浴び、3回3失点降板でチームを勝利に導くことができませんでした。

消化試合となったシーズン最終戦では、予定されていた大瀬良大地ではなく、前述のルーキー森がプロ2度目となる先発。初回は三者凡退と好スタートも2回以降は毎回安打を打たれる苦しい内容でしたが、5回を投げて被安打6、3奪三振、無四球の内容で無失点に抑えました。

2番手以降で登板した投手では、30日に九里の後を継いだ遠藤淳志が2イニングを無失点。2試合に登板した松本竜也は30日に2イニング、最終戦は2/3イニングを無失点に抑えて週間防御率0.00。プロ1年目からチーム2位となる50試合登板を果たしました。

今季も絶対的クローザーとして君臨した栗林良吏は、29日に1点ビハインドの場面で登板し、村上宗隆を152キロのストレートで空振り三振に打ち取るなど、2奪三振で1イニングをパーフェクトリリーフで今季の登板を終えました。

数字、印象度ともに決め手に欠ける感があった投手陣ですが、床田寛樹に次ぐ貴重な先発左腕として、来季への期待も込めて森が今季最後の投手MVP、というのが無難なところでしょうか。

開幕6連勝と最高のスタートを切った今季も、終わってみれば5位と4年連続でクライマックスシリーズ出場を逃す結果に終わりました。オフは新監督や西川、野間のFAなどが話題になりそうですが、新体制となった来季、チームはどんな姿を見せてくれるのか。そろそろポストシーズンのあの興奮を、もう一度味わいたいものです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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