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大貫は今季、チームトップの21試合に先発し、プロ初となるリリーフ登板も経験した。2年連続の2ケタ勝利を目指した今季は6勝7敗に終わったが、シーズン序盤の自身5連敗の後、女房役が伊藤光に変わった交流戦明け以降は5連勝と持ち直した。5月には登録抹消もあったが、2人の左腕とは異なり、1年間コンスタントに先発ローテを守った結果と言えさすが。
ブルペンで最も名前が出たのはフル回転のエスコバー
リリーフ陣の最高はエスコバー(63回)。野手も含めて全体の6位で、惜しくもベスト5入りを逃した。今季はコロナ禍の影響で出遅れたが、4月中旬に合流後は、1度も戦線離脱することなくフル回転した。チームトップの61試合に登板して4勝4敗1セーブ、32ホールド。7月の6連投を最長に、3連投が7回とタフネスぶりは健在で、6月中旬から7月序盤まで11試合連続無失点をマークした。
エスコバーに続いたのが三嶋一輝(58回)、山崎康晃(53回)のクローザー経験者コンビ。今季も守護神としてスタートした三嶋だが、5月に2試合連続で救援失敗、9月には2度3失点を喫するなど、巨人戦での失敗が目立ち、9月中旬にクローザーの役割から外れた。
セットアッパーからスタートした山崎は、速球とツーシームの威力が戻り、4月に11試合連続無失点を記録。その後も安定した投球を続け、東京五輪の代表に選ばれた。後半戦には不振の三嶋に代わってクローザーに復帰し、9月18日には431日ぶりとなるセーブも記録したが、シーズンの疲労が蓄積した時期でもあり、完全復活とはいかなかった。
印象に残るマウンドに帰ってきた3人の投手たち
その他、個人的に投手で印象に残った投手を挙げれば、巨人を戦力外となり、育成契約から支配下登録を勝ち取った宮國椋丞、そしてトミー・ジョン手術から復帰を果たした田中健二朗と東克樹か。
8月末のぎりぎりで支配下登録された宮國は3試合に先発し、復帰後初登板となった古巣の巨人戦で自身4年ぶりの勝利。田中健は登板した8試合を無失点で抑え、2連投も2度と来季のブルペン入りをアピールした。東は復帰初戦を5回途中4失点、2戦目は7回1失点の好投も2連敗を喫したが、10月23日の中日戦で8回無失点と文句なしの投球で復帰後初勝利を挙げた。
さあ、いよいよベスト5、そして今季のMVPの発表は…。と思ったのですが、また、文字数もかさんでしまいましたので、次回に続く。とさせてもらいます(文中の回数集計は筆者)。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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