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後半1軍が決まり取材に応じる伊藤
地元中京大中京からドラゴンズに入団、一昨年の東京ドームでのファインプレーなどは記憶に新しいが、去年1軍に上がることはなかった。1軍キャンプスタートも途中から2軍に降格、「なにかが違う…」そんな疑問は最後まで拭えなかった。
伊藤康祐は去年をこう振り返る。「一昨年、1軍に上がれて、もう1つ進化しないとって、バットの軌道やタイミングの取り方、いろいろ変えてみたんですが、しっくりこなくて、もうシーズン中は訳がわからなくなってました」。
全てがうまくいかなかった。パニック状態に陥った。トンネルの出口が見つからない。
伊藤は「打席に立っても、正直打てる気がしないんですよ。まだピッチャーが1球も投げてないのに、打てないだろうなって。バットを構えていても、しっくりこない。気持ち悪いというか。これじゃないなって。それは最後まで治りませんでしたね」。
焦って考えて結果が出なくて、また焦る。悪循環に陥った伊藤を救ったのは2軍工藤隆人コーチの言葉だった。「何を色々考えているんだ。小さくまとまる必要はないぞ。持ち味が消えている。もっとシンプルに考えて伸び伸びやれよ!」
後半戦にむけて練習する伊藤
伊藤はすべてをリセットした。「1から考えました。バットの軌道とかタイミングとか細かい事は1回頭から外して、しっかり投手に向かってストレートを仕留めに行く。これだけに集中しました」。
この1点に絞ってキャンプから取り組んだ伊藤には思いのほか多くの副産物がついてきた。
「気づけば、狙い球以外にバットが止まるようになってきて四球が増えましたね。カウントも打者有利なカウントが増えて。僕の場合は四球を増やそうと思っても、こうなってないと思うんです。ファーストストライクも積極的に振りに行けていますし、予想外の事が良くなってきているなって印象です」。
今シーズンは8月12日現在で、66試合、打率.284、1本塁打、25打点、8盗塁。そして、四球の数はなんと40個。去年の四球は出場76試合で11個。四球の数は明らかに跳ね上がっている。
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