負ければ活動休止となる三菱重工広島、ベスト8進出を目指す。都市対抗野球　11月29日（日）のみどころ

2回戦3試合、ベスト8を目指す戦い

第91回都市対抗野球大会は29日（日）が大会8日目で、東京ドームでは2回戦の3試合を行われる。

◆三菱重工広島（広島市） vs. 日本新薬（京都市）

10時開始予定の第1試合は三菱重工広島（広島市）と日本新薬（京都市）の対戦だ。

三菱重工広島は25日の初戦で日本製鉄鹿島との接戦を7-6と制しての勝ち上がり。今季限りの統合、現チームの活動休止は決まっているものの、ベテランが奮闘を見せている。

コーチ兼任の32歳右腕・鮫島優樹は初戦で素晴らしいリリーフを見せた。彼は2回戦でも投手起用の軸となるだろう。打線も2番・サード田中友博、3番・ライト実政太一、4番ファースト松永弘樹の「Over30トリオ」が大活躍を見せていた。

日本新薬も25日のTDK戦は2-1の辛勝だった。エースの左腕・榎田宏樹がベンチ入りしていなかったことは若干の不安要素かもしれない。ただ、初戦は西川大地、小松貴志の両右腕が好内容を見せている。

打線はTDKの好投手に対して、初戦はわずか4安打と苦しんだ。ただし、4番・福永裕基は関西予選からの好調を維持し、決勝2ラン本塁打を放っている。入社2年目の大型セカンド・福永には要注目だ。

◆JR東日本（東京都） vs. ホンダ熊本（大津町）

14時開始予定の第2試合はJR東日本（東京都）とホンダ熊本（大津町）の対戦だ。

JR東日本は25日の1回戦で三菱自動車岡崎を4-2で下している。阪神から2位指名を受けた左腕・伊藤将司が2失点完投勝利を挙げたものの、9回サヨナラまでもつれる接戦だった。

投手陣は高卒4年目の右腕・西田光汰や、東京ガスから補強された右腕・臼井浩、左腕・高橋佑樹と「先発候補」が豊富。伊藤に無理をさせる必要はない。野手は若手の台頭が目につく。俊足の2番・センター金子莉久、4番を任される大型外野手・菅田大介はどちらも大卒新人だ。

ホンダ熊本は26日の1回戦で、延長タイブレークの末に6−5で強豪・日本通運を退けた。163センチの左腕・島袋圭亮が先発し、合計4投手の継投でしのぐ内容だった。3番手で好投した右腕・片山雄貴や7番セカンドで起用された石井元、柳澤一輝、福田大輔の両投手は鈴鹿や狭山からの転勤組。「グループ内の人事異動」でオールホンダの底上げがされている。

初戦で5打数4安打3打点を挙げたヒーローが2番・サードの和田裕生。168センチの小兵だが、渡辺正健監督も「チームで一番練習する」と太鼓判を押す努力家だ。

◆四国銀行（高知市） vs. パナソニック（門真市）

18時開始予定の第3試合は四国銀行（高知市）とパナソニック（門真市）の対戦だ。

四国銀行は26日の初戦でハナマウイを1-0と下している。エースの菊池大樹は130球で9回を完封しており、中2日の2回戦はベンチ待機か。ただし、今年はルーキーで最速149キロの右腕・佐田涼介がおり、さらに元西武ライオンズで4年間プレーしてJR四国に復帰した経歴を持つ右腕・南川忠亮も補強選手に入っている。

打線は1番・指名打者の山中大地が初戦で4打数2安打を記録し、貴重な決勝本塁打も放った。山中は「マネージャー兼選手」の変わり種で、部員21名の少人数体制だからこその存在かもしれない。

パナソニックは26日の初戦で伏木海陸運送を2-1で下している。北信越の伏兵に12安打を喫したものの、投手陣がピンチで粘って勝利をもぎ取った。初戦は先発・與座健人が最速149キロの速球で好投を見せていたものの、5回途中で早めに下ろし、5投手の継投で凌いだ。

「一合のおにぎり」でパワーアップした右腕・鈴木佳佑、162センチの小兵ながら投げっぷりのいい左腕・小屋裕とセットアッパー陣も個性派揃い。先発が試合を作れば、クローザーの右腕・北出浩喜までしっかりつなげる投手陣だ。

打線は5番・サードの法兼駿が4打数3安打1打点を記録。高知高時代は県大会決勝で明徳義塾戦に5打席連続敬遠された「松井秀喜級」の伝説を持つ左打者だ。

文；大島和人