人気ランキング
コラム一覧
国際試合では下手投げにアドバンテージがある――。渡辺俊介、牧田和久が過去にワールドベースボールクラシック(WBC)で見せた活躍を振り返ればそれは定説と言っていい。
日本球界でも下手投げは希少だが、アメリカ大陸では更に少ない。そういう「慣れ」の問題が大きいのだろう。今回の侍ジャパンは13投手を擁している。下手投げといえば高橋礼だ。
11月6日に桃園国際野球場で行われたWBSCプレミア12、第2戦「日本vs.プエルトリコ」では、彼が先発を務めた。
本来はロングリリーフでの起用が予定されていた高橋だが、先発候補の岸孝之がコンディション調整中。そんな事情もあり、2013年と17年のWBCで準優勝を達成している強敵へのスターターに彼が抜擢された。
◆試合結果
プエ|0 0 0 0 0 0 0 0 0|0
日本|0 0 4 0 0 0 0 0 X|4
◆プエルトリコ戦先発メンバー
1番(一)山田哲人(ヤクルト)
2番(二)菊池涼介(広島)
3番(左)近藤健介(日本ハム)
4番(右)鈴木誠也(広島)
5番(指)浅村栄斗(楽天)
6番(遊)坂本勇人(巨人)
7番(中)丸 佳浩(巨人)
8番(捕)甲斐拓也(ソフトバンク)
9番(三)松田宣浩(ソフトバンク)
(投)高橋 礼(ソフトバンク)
昨日は代打起用だった山田哲人が1番打者に入り、不調の坂本勇人は6番に下がった。捕手は高橋と同じソフトバンクの甲斐拓也が入っている。
日本が4-0と快勝を遂げた立役者は、間違いなく高橋だ。彼は初回にプエルトリコ打線を三ゴロ、遊ゴロ、遊ゴロで三者凡退に打ち取ると、そのまま内野ゴロを量産し続ける。
高橋のボールは下手投げの利を生かして球筋が低く、特にアッパースイングの打者はバットの下側で叩いてしまいやすい。
188センチの長身投手でもある彼には「横の角度」がある。スタイダーとシンカーによる左右の揺さぶりに加えて、ライジングボールによる「上下の揺さぶり」も使う。
加えて下手投げは体感速度が「プラス15キロ」と言われており、130キロ台の速球が相手にとっては相当の威力に感じられたはずだ。
高橋は5回までパーフェクトピッチングを続ける。5回終了時点で内野ゴロは12本、外野への飛球はゼロと、プエルトリコ打線を手玉に取っていた。
高橋は6回表二死から四球、安打で出塁を許す。二死1・2塁とこの試合初のピンチを迎えたが、問題なく脱出。6回を73球で料理し、被安打1、四死球1の無失点で封じている。「代役離れ」した快投だった。
チャイニーズタイペイの勝利もあり、日本のスーパーラウンド進出は最終戦を残して決まっている。高橋は6回で降板したものの、東京ドームでの活躍も大いに期待できるだろう。
打線はプエルトリコの3投手をやや打ちあぐねたが、3回の集中打が大きかった。
3回裏、日本は二死無走者から1番・山田哲人が四球を選ぶ。2番・菊池涼介も俊足でセーフをもぎ取るショートへの内野安打で続く。
3番・近藤健介は二死1・2塁から一塁前へ内野安打。ボテボテの当たりだったが、投手の一塁ベースカバーが遅れて悪送球を誘う。これで山田が先制のホームを踏んだ。
1点止まりならば単なる「幸運」「粘り」だが、続く4番・鈴木誠也がライナーでスタンド中段に飛び込む3ラン本塁打。侍ジャパンは4-0とリードを広げる。
5日のベネズエラ戦で2打点を挙げた“日本の4番”が今日も勝負強さを見せ、侍ジャパンは試合の優勢を決定づけた。
7回以降の侍ジャパンは、3イニングで4投手をつなぐ小刻みな継投策を採った。嘉弥真新也、山本由伸は今大会初登板で、次のラウンドに向けた「布石」ともなる起用だった。クローザーはもちろん、緒戦に続いて山崎康晃だ。
日本が危なげない内容で4-0と勝利し、通算2勝で東京ドームのスーパーラウンド進出も決めた。3回以降は安心して見ていられる、気持ちのいい展開だった。
文:大島和人
2019WBSC世界野球 プレミア12 オープニングラウンド
ハイライト】 グループB 日本vs.プエルトリコ
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
広島 vs. 阪神(7/8) J SPORTS STADIUM2025
7月8日 午後5:55〜
-
第45回 日米大学野球選手権大会 第2戦 日本 vs. アメリカ
7月9日 午後5:45〜
-
広島 vs. 阪神(7/9) J SPORTS STADIUM2025
7月9日 午後5:55〜
-
広島 vs. 阪神(7/10) J SPORTS STADIUM2025
7月10日 午後5:55〜
-
中日 vs. 広島(7/11) J SPORTS STADIUM2025
7月11日 午後5:55〜
-
横浜DeNA vs. 阪神(7/6) J SPORTS STADIUM2025 【限定】
7月6日 午後5:50〜
-
中日 vs. 広島(7/12) J SPORTS STADIUM2025
7月12日 午後1:55〜
-
広島 vs. 東京ヤクルト(7/3) J SPORTS STADIUM2025
7月3日 午後5:55〜
野球人気アイテム
-
大谷翔平 2025 二刀流復帰応援 ドジャース ピッチャー版ボブルヘッド/球場台座付
-
大谷翔平 MLB ロサンゼルス・ドジャース 50-50達成記念 ボブルヘッド 9.5インチ(約24cm)
-
大谷翔平 MLB ロサンゼルス・ドジャース 50-50達成記念 ボブルヘッド 8インチ(約20cm)
-
大谷翔平 MLB ロサンゼルス・ドジャース ワールドシリーズ 2024 優勝記念 ボブルヘッド 8インチ(約20cm)
-
大谷翔平 MLB ロサンゼルス・ドジャース 通算200号ホームラン達成記念 ボブルヘッド 9.5インチ(約24cm)
-
ダルビッシュ有日米通算200勝記念 MLB公式 限定コレクターズボブルヘッド (記念台座付)
-
大谷翔平「The Skincare Swipe」Tシャツ
J SPORTSで
野球を応援しよう!