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鈴木博志の2年目が始まった。沖縄北谷の1軍キャンプ。去年と比べても顔つきが精悍になっている。1日の終わり、去年のような疲労感は鈴木博志の顔からは感じられない。
陸上トラックでのメニューを見る勝崎トレーニングコーチは、「去年とは段違いでしょ。数倍、いや数十倍スタミナがついている。プロらしくなってきたね」。
「去年は息が上がり、足が攣り、目もうつろ、設定タイムはまず切れない。最後はヘロヘロになって1日を終えていた。今年はどうってことないって顔しているでしょ。なによりトレーニングに前向きになった。強くなったと思います」と話す。
鈴木博志は去年オフから、2年目の準備を進めた。セットポジションからの投球の改善。セットやクイックになると球威が大幅に落ちてしまっていた。
鈴木は、「このキャンプはほぼセットから投げていますね。セットからの球威もいい状態です。クイックになるとまだ少し体が突っ込んだり、力が伝わりきらない部分がありますが順調です」と手応えを話す。
さらに新たな変化球の習得もある。150キロのストレートに対し、同じ球速帯のボール。わずかに曲がるカットボールだ。
鈴木は「2センチ3センチ曲がってくれればいいんです。バッターにはストレートと思ってもらわないと意味がない。手元でわずかに芯を外すボールです」と明かした。
細かい努力も怠らなかった。歯の検診の際、噛み合わせの力を計測をした。鈴木博志の噛む力は、通常の人の3倍から4倍だった。そのためマウスピースを作成した。
ピッチング用、トレーニング用、そして睡眠時用の3種類だ。鈴木は「このキャンプもマウスピースを使っています。歯も体の一部というか、力を伝えるのに重要な物ですから。違和感はないですね。開幕後も使っていくつもりです」と話す。
マウンドで打者と対峙した際は、大好きなレッドソックスの絶対的ストッパー、クレイグ・キンブレルをより意識している。キャッチャーのサインを見る際、去年以上に深く腰を折り、帽子を目深にかぶっている。
「キンブレルみたいに、帽子を深くかぶって相手打者に目線を見せないのって、不気味だと思うんです。恐怖心を与えるような投手になりたいです」。
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