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野球 コラム 2019年1月28日

【中日好き】高橋周平、責任を背負い

野球好きコラム by 森 貴俊
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野球好きコラム 中日好き

年明け早々約2週間、今年も大島洋平と共に大阪で自主トレを行った。その自主トレの日々を高橋周平はこう振り返った。

「大袈裟に言うつもりはないですが、はっきり言って厳しいです。一切の妥協がない。徹底的に追い込みます。朝10時から夕方5時まで。終わったらクタクタです」。

「練習後は皆で食事をしますが、別に決めたわけでもないのに皆、お酒を控え、9時にはベッドに入りますよ。そうしないと次の日のトレーニングができない」。

大島との自主トレを選ぶ理由を高橋はこう説明する。「プロに入って、ここまで色々言われてきましたが、僕自身色々な技術を身に着けようと思っても、これまでそれを吸収する身体がなかったと思うんです」。

「そこに気づくのに時間がかかってしまった。これまでは技術練習ばかりしても、それを発揮する土台がなかった。大島さんとの自主トレはその土台を作る為ですね」。

「はっきり言って、プロに入ってくるメンバーはある程度の技術は持っている。その技術だけをプロ入り後、飛躍的に伸ばすって難しいと思うんです。身体も同時にプロにしないと。身体と技術。この2つは比例すると思います」。

高橋周平は打撃について深く語ることはない。去年、初の規定打席に到達したシーズン、打撃の向上があったと思い、質問を向けると意外な回答が返ってきた。

「キャリアハイの数字を残せた最大の要因は嫁だと思います。客観的に見ても尊敬しますね」と話した。

4月後半、高橋周平は脇腹を痛めていた。試合前の守備練習、まともなスローイングができない。「投げるどころか、走るだけで激痛でした」と振り返る。

身体に振動を与えるだけで激痛が襲った。当然、周りは異変にすぐに気づいた。コーチからの報告を受け、森監督は高橋に告げた。「どうする?やれるのか?」。

後に分かった事だが、高橋周平の肋骨にはひびが入っていた。高橋は「やれますって言いました。2軍に落ちるわけにはいかなかった。ごまかしながらでもやろうって思いました」と話す。

故障から毎週、岐阜市内へ治療に通った。運転は妻の祐里さん。治療中も祐里さんは車で待っていた。夫の身体の事を第一に考えた。栄養バランスのいい食事を毎日用意した。

高橋が酒を飲んだ次の日の朝は、アルコールチェッカーで残っているかどうかを確認した。プロ野球選手、高橋周平の身体の管理を妻の祐里さんは徹底した。

高橋は「アルコールチェックされたりした時は、もういいよ。うるさいなって言ってしまう。本人には恥ずかしくて言えないですけど、本当にすごいと思う。自分だったらできないなって思うんです。正直、感謝しかないですよ」と話した。

昨年秋、高橋周平は父親になった。同時に与田監督からキャプテンを任命された。責任感が高橋周平を変える。おそらく与田監督の狙いもそこに含まれていると思う。

「キャプテンに関しては、できない事はできない。背伸びしてもしょうがないと思うんです。できる事をやろうと思います。僕にできる範囲で、話は聞きますしチームを引っ張っていければと思います」と話す。

父、夫、選手、キャプテン。そしてドラゴンズを応援してくれるファンの為に。多くの責任が高橋周平の背中に乗った。高橋周平はまだまだ進化する。勝負の1年。真価の問われる周平のキャンプがいよいよ始まる。

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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