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野球 コラム 2018年5月16日

ダルビッシュがピスコッティー基金に寄付した本当の理由

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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「あの日、家を出る前かなんかに見て、たまたまやっただけで、母親の病気が理由でオークランドに行くっていうぐらいだから、家族をとても大事にしている人でしょうし、彼のように難病のために悲しい思いをする人がなくなればいいなと。難病がなくなれば、そういう気分になる人も少なくなるんじゃないかなと」

ダルビッシュはツイッターでのとあるファンの反応に「We are all family:)」と書き込んだが、普段からSNSを駆使してファンでもない人々とネガティブな反応も含めて、やり取りしてきた彼にとっては、ある種の「思い」を乗せての寄付だったのかも知れない。

「…本当は皆が手を取り合って生きていくべきだけれど、世の中って……人間、誰でもそうですけど、嫉妬であったりとか、マイナスな感情っていうのもかなり渦巻いてる。とくにSNSとか、自分が誰か分からないから、悪いところだけ出していくじゃないですか。そういうところで嫌だなと思うこともあるので」

そういう話を聞いた時、「人道主義」という言葉を思い出したが、彼には人に対する愛情の他にも「結局、誰もが良い人間であるだろう」という性善説にも似た感覚があるような気がする。完全無欠の人間なんていないし、完全無欠な世の中も存在しない。それを百も承知の上で、正しいと思うことはやっていきたい。正しいと信じていることを、やっていきたい。そういう人間が増えることで、世の中が少しでも良くなっていくと信じたい―。

そして、それは何となく、彼が野球選手として常に見せている「向上心」とも似ているような気もする。彼の野球選手としての在り方には、少しでも良くなりたい、良くなると思うことはやっていきたいという思いが反映されている。だから、新天地カブスでの悪戦苦闘も(何の根拠もないけれど)大丈夫ではないかと思う。たとえ今は遠くても、目指している場所は少しずつ、少しずつ、近づいてくる。カブスで活躍する日も、もうすぐ、そこまで来ている。ポジティブ=肯定的に生きるとは、そういうことだと思う。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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