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井上慎一朗(広島サンダーズ)
キャプテンとして臨むチャンピオンシップはこれが最後。キャプテンとしてだけでなく、選手としてもこれが最後。広島サンダーズの主将、井上 慎一朗は今シーズン限りで現役を引退する。
「個人的にも覚悟はできていた」と明かし、「自分のことは自分が一番わかるから後悔はない」と笑みを浮かべる。口ぶりは穏やかだが、近年はケガが続き、笑顔の陰で苦しい時間を過ごしてきた。
大同生命SVリーグ チャンピオンシップ 2025-26 男子
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準々決勝 第1戦 ウルフドッグス名古屋 vs. 広島サンダーズ(05/01)
5月1日(金)午後5:55 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信(会員無料)
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準々決勝 第2戦 ウルフドッグス名古屋 vs.広島サンダーズ(05/02)
5月2日(土)午後2:55 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
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準々決勝 第3戦 ウルフドッグス名古屋 vs.広島サンダーズ(05/03)
5月3日(日)午後2:55 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
キャプテンに就任して2年目の2024年11月に左膝前十字靱帯損傷。手術、リハビリを経て復帰を目指してきたが、「今シーズンはスタートに間に合いそうです」と笑顔を見せていた矢先の昨年10月、左膝半月板損傷で再手術を余儀なくされた。
プレーすることができず、コートでキャプテンとして鼓舞することもできない。その状況に「悩んだこともあった」と言うが、落ち込むだけでなくプラスに変換する努力を重ねて来た。
「ケガしたからこそわかることもあるし、できたこともある。チームにはめちゃくちゃ迷惑をかけましたけど、もしかしたらケガしていなければ1年早く引退していたかもしれない。だからネガティブには考えていないです」
最終戦で復帰した井上慎一郎
ベンチ入りはできなかったが、ホームゲームでは試合後にコートで行う「1、2、サンダーズ!」のコールをかけるのはいつも井上の仕事だった。順位争いが続く中での悔しい敗戦の後には「悔しすぎて、思わず涙が出そうだった」と明かしたこともある。
ともにプレーしてきたかつての先輩たちや、今共にプレーする仲間たち。誰よりも『サンダーズ愛』を自認する主将だからこそ、自分のやるべきことができた、と振り返りながら、自身がコートに立てない間、コートキャプテンを務めることが多かった新井 雄大に向けられた言葉には、信頼と羨望の眼差しを向ける。
「これはもう才能だと思うんですけど、新井の良さはケガをしないところ。絶対に痛みは抱えていると思うんですけど、それでも試合に出続ける。僕ができなかったキャプテン像で、僕は出てもスポットでしか出られなかったので、試合に出て、プレーで引っ張る。憧れのキャプテン像でもあり、今シーズンの新井はまさにそれを体現してくれていました。
長いシーズンなのでしんどそうにしていたこともあるし、しんどい、と言っていたこともありましたけど、試合に出たら変わらずやるし、技術的にも成長している。シンプルに、カッコいいな、と思いましたね」
最終戦後にファンサービスを行う井上慎一郎
ホームゲーム最終戦となったレギュラーシーズン最終戦で井上も復帰を果たし、大阪ブルテオンに連敗を喫したが、どちらもフルセット。昨年とは異なる「戦える」自信を持って、チャンピオンシップを迎える。
奇しくも同じウルフドッグス名古屋との対戦だが、過信ではなく井上は「行ける、という気持ちもあるからすごく楽しみ」だという。
「昨シーズンはレギュラーシーズンで1試合も勝てなかったんですけど、今季は2勝2敗。戦える自信をつけられたのはすごく大きいですし、監督が代わって1年目だった昨年と比べればだいぶクオリティも変わった。去年の負けからここまで、どれだけ成長できたのか。その答え合わせができる試合だと思うんです」
ハビエル・ウェベル監督が掲げる戦術の軸となるシステムや、考え方。「監督を理解できたのが大きい」という井上が、笑いながら明かす。
「試合を見ていても、全員がこのミスをした瞬間にこれはヤバい、と思ってベンチのハビを見ると案の定怒っていて、やっぱりな、と(笑)。でもそう思えるのは全員がハビの理想とするバレーボールを共通認識として理解しているということの証でもあるので、全員がハビのバレーを信じて戦う。それができれば、どこに対しても十分戦えると信じています」
ホーム最終戦での井上慎一郎
ホームゲームの最終戦を終えた後、引退セレモニーが行われ、その時は「少しエモーショナルな気持ちになった」というが、すでに気持ちは切り替わっている。
「チームが勝つためにできることがあるなら100%やり切りたい。いい結果で終われると信じているし、その姿をファンの皆さんにも見せたいです」
まだまだ終わらない。戦いは、ここからだ。
文:田中夕子/写真:SV.LEAGUE
田中 夕子
神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、月刊トレーニングジャーナル編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。WEB媒体、スポーツ専門誌を中心に寄稿し、著書に「日本男子バレー 勇者たちの奇跡」(文藝春秋)、「高校バレーは頭脳が9割」(日本文化出版)。「夢を泳ぐ」「頂を目指して」(徳間書店)、「絆があれば何度でもやり直せる」、凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること」(カンゼン)など、指導者、アスリートの著書では構成を担当
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