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連覇を狙うペルージャ
◆ヨーロッパ最強を決める大会は『ファイナル4』へ
バレーボールの『ヨーロッパチャンピオンズリーグ2026』男子の『ファイナル4』が、現地5月16日(土)17日(日)にイタリアのトリノで開催される。
この大会はヨーロッパバレーボール連盟が主催し、イタリア、ポーランド、トルコ、ドイツ…と欧州圏でもひときわバレーボールのレベルが高い各国のリーグを代表するクラブが、『ヨーロッパNo.1』を懸けて争う大会だ。
今年は本大会に20チームが参加し、それぞれ自国のリーグと並行して、昨年10月から予選ラウンドが始まり、4チーム1組による総当たり戦のプール戦、さらにホーム&アウェー形式のプレーオフ、クオーターファイナルと熾烈な戦いを潜り抜けてきた。
そして大会はいよいよ大詰めを迎える。ここからのファイナル4、つまりセミファイナルと3位決定戦、ファイナルはすべて1試合の一発勝負だ。
バレーボール ヨーロッパチャンピオンズリーグ 2026 男子
◆石川祐希所属のペルージャは4冠を目指す
ヨーロッパの頂点を目指してファイナル4に臨むのが、イタリア・セリエAの『ペルージャ』、トルコ・エフェレルリーギの『ジラートバンク』、そしてポーランド・プラスリーガの『ワルシャワ』と『ザビエルチェ』の4チーム。
言わずとも、最大の注目はペルージャだ。日本が誇るエースアタッカーの石川 祐希が所属しており、今季は通算3度目の『スクデッド』(リーグ優勝)を獲得。
『スーペルコッパ』(セリエAのスーパーカップ戦)と昨年末には『世界クラブ選手権大会』を制しており、輝かしいシーズンの締めくくりとして今季4つ目のタイトルを目指す。なお、ヨーロッパチャンピオンズリーグの前回大会王者であり、連覇もかかった戦いとなる。
ペルージャは昨年秋に日本で、大同生命SVリーグのサントリーサンバーズ大阪とエキシビションマッチ、12月には世界クラブ選手権決勝で大阪ブルテオンと戦ったことで、すでに広く知られているだろう。
◆世界のトッププレーヤーが集まるペルージャ
キャプテンはイタリア代表でも絶対的司令塔を務めるセッターのシモーネ・ジャネッリ。オポジットには剛腕ワシム・ベンタラ(チュニジア)が入り、アウトサイドヒッターは世界トップレベルの万能型アタッカーであるカミル・セメニウク(ポーランド)と、左利きを活かした鋭いサーブが魅力のオレイ・プロトニツキ(ウクライナ)がエース対角を組む。
また、チームが『ブロックデビルズ』の愛称で親しまれているとおり、全体としてブロック力の高さが光り、ミドルブロッカーのアグスティン・ロセル(アルゼンチン)は今季レギュラーシーズンにおける1セットあたりのブロック決定本数0.59本でリーグトップの数字をマークした。
そのロセルは故障に見舞われて、シーズン終盤は欠場したが、それでもロベルト・ルッソ(イタリア)や、元アルゼンチン代表のセバスティアン・ソレら、ミドルブロッカー陣は実績も十分で、ブロックのみならず攻撃においても高い決定力を誇る。
さらにリベロのマッシモ・コラーチ(イタリア)はチーム最年長の41歳ながら高いパフォーマンスをキープし、今季のスクデッド獲得を決めたプレーオフのファイナル第3戦目でMVPに輝いた。
2024-25シーズンから所属する石川は、今年2月に右膝を故障したことで戦線を離脱。以降はリハビリに専念する日々が続いたが、セリエAのプレーオフのファイナル第3戦でリリーフサーバーとして登場。
実に3ヵ月ぶりの復帰を果たし、その姿に会場は大いに湧いた。昨年のヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝は優勝の瞬間をコート上で味わっただけに、今回も…と期待せずにはいられない。
バレーボール ヨーロッパチャンピオンズリーグ 2026 男子
◆初のファイナル4進出を果たしたワルシャワ
そのペルージャとセミファイナルで対戦するのはワルシャワ。今季はプラスリーガのレギュラーシーズンを2位で通過し、プレーオフは準決勝敗退も、最終的にリーグ3位の成績を残している。
ヨーロッパチャンピオンズリーグではプール戦で3位に沈んだものの、プレーオフ6で挽回し、クオーターファイナルラウンドでは、同じプラスリーガのルブリンを撃破してクラブ初のベスト4進出を果たしている。
エースのバルトシュ・ベドノシュ(ポーランド)が負傷に見舞われており欠場する見通しだが、それでも同じアウトサイドヒッターのケバン・ティリ(フランス/父は男子日本代表監督のロラン・ティリ)が気を吐きプラスリーガの3位に貢献。
その最終戦ではチーム最多13得点でゲームのMVPに選出された。またヤクプ・コハノフスキとカロル・クウォス(ともにポーランド)の両ミドルブロッカーは母国代表でも長らく活躍している面々であり、前衛でペルージャを苦しめる存在となりそう。
◆ポーランド王者のザビエルチェ
セミファイナルのもう1つのカードはザビエルチェとジラートバンク。今季のポーランドとトルコのリーグ王者同士の対戦となる。
ザビエルチェといえば、東京グレートベアーズの古賀 太一郎が、2017-18シーズンから3季を過ごしたことで知られ、ヨーロッパチャンピオンズリーグでは昨年の決勝をペルージャと争っている。
今季はプラスリーガのレギュラーシーズンを首位通過すると、プレーオフのファイナルでは今季の国内3冠目を目指したルブリンとのデッドヒートを制して、悲願の初優勝を飾った。
3戦先勝方式のファイナルの最終第5戦でチーム最多16得点をマークしてMVPに輝いたのがアウトサイドヒッターのアーロン・ラッセル(アメリカ)。日本でもJTサンダーズ広島(現・広島サンダーズ)で2シーズンをプレーし、入団初年度の2022-23シーズンにはV.LEAGUE DIVISION1(当時)のサーブ賞に輝いた実績を持つ。攻守で高いクオリティは今なお健在だ。
◆ニミル・アブデルアジズ所属のジラートバンク
そのラッセルと同様に日本に馴染みがある選手が、対戦相手のジラートバンクにも名前を連ねている。オポジットのニミル・アブデルアジズ(オランダ)。
そう、2024-25シーズンの大同生命SVリーグではトップスコアラー(最多得点)を筆頭にシーズン個人6冠に輝くなど「これぞ世界最高峰」と言わしめた大砲である。WD名古屋を退団し、今季はジラートバンクでエースを担うと、その圧倒的な攻撃力でチームを国内3冠に導いた。
ニミルは今回のヨーロッパチャンピオンズリーグでもエンジン全開で、2桁得点は当たり前、プール戦(現地2月18日 vs.トレンティーノ)では5本のサービスエースを含む、35得点の離れ業を披露している。
ファイナル4を前にした現時点で、堂々のトップスコアラーだ。1年前に日本で開催されたアジアチャンピオンズリーグを制してMVPに輝いたのも記憶に新しいが、まだ手にしていないヨーロッパクラブナンバーワンの称号をつかまんとトリノへ乗り込む。
もちろん、ラッセルとニミルのみならず、ザビエルチェはキャプテンのマテウシュ・ビエニエクや、アンダーエイジカテゴリー時代から名を馳せてきたバルトシュ・クフォレク。
対するジラートバンクにはパリ五輪銀メダリストのトマシュ・フォルナル、と世界ランキング1位のポーランドを支えるアタッカーたちが主力を務めており、両チームが対戦するにあたって激戦は必至である。
◆決戦の地はイタリアのトリノ
ファイナル4の会場となるトリノの『Inalpi Arena』(パラスポーツ・オリンピコ)は2018年の男子世界選手権や、2025-26イタリア・セリエA女子のコッパイタリア(カップ戦)などバレーボール界における主要大会のメインアリーナとして使用されてきた。
ヨーロッパバレーボール連盟のロコ・シキリッチ会長は、「ぜひトリノへお越しいただき、極上の決戦の一員になってください」と呼びかけており、その舞台に石川祐希と、ラッセルやニミルといった日本のバレーボール界にも触れてきた面々が立つ。
彼らこそが決戦を彩る一員であることは言うまでもない。2025-26クラブシーズンの最後に、栄光をつかむのは果たして誰だ――。
文:坂口功将
坂口 功将
スポーツライター。1988年生まれ、兵庫県西宮市育ち。
「月刊バレーボール」編集部(日本文化出版)で8年間勤めたのち、2023年末に独立。主にバレーボールを取材・執筆し、小学生から大学生、国内外のクラブリーグ、そしてナショナルチームと幅広いカテゴリーを扱う。雑誌、ウェブメディアへの寄稿のほか、バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説も務める。
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