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復活ジャスティンが第7戦で優勝も、総合点でラフォンに及ばず
ジャスティンに続くのが、3位のジャカラ・アンソニー(AUS)、4位ユリア・ギャリシェバ(KAZ)、5位のジャエリン・カーフ(USA)という昨季、優勝経験のある面々。しかし、彼女たちは今季まだ一度も優勝がなく、ラフォンの独走を許す形になっている。
日本勢では、住吉輝紗良が第5戦での今季2度目のスーパーファイナル進出が光る。注目の川村あんりは、北米で全戦決勝進出を果たしたが、第5戦での7位が最高順位だった。
エアの向上で、かつての輝きが戻ってきたジャスティン
予想された通りに2強がリードする展開に。エア新時代到来ならず!?
この2強に差をつけられるかたちで、ベンジャミン・キャヴェ (FRA)、マット・グラハム(AUS)、ウォルター・ウォルバーグ(SWE)らが続くというシーズン前に予想された展開通りになっている。
なお、昨季の秋田たざわ湖大会DMで、キングズベリーがコーク1440を世界で初めて成功させたことから、「今季は一気にエアの新時代に突入か?」といった事前の見方もあった。ところが、これは大きく外れ、いまのところは大きな波は起きていない。女子は日本の星野純子や冨高日向子も含め、コークに挑む選手が増えてきたが、北京五輪に向けて男子のエアは進化していくのか? それとも現状維持なのか? 興味深いポイントとなる。
もう一点、男子に関して触れておきたいのがスウェーデン勢についてだ。ウォルバーグに限らず、総合7位のオスカー・エロフソン、8位のフェリックス・エロフソンらがたびたびスーパーファイナルに進出しており、W杯をかき回す面白い存在になっている。フェリックスはディアバレーでの第6戦で初表彰台(2位)を経験した。
たざわ湖では2度の優勝経験のある堀島
◎W杯最新ランキング(第7戦終了時点)
▶女子
| 1 LAFFONT Perrine(FRA) 636 |
| 2 DUFOUR-LAPOINTE Justine(CAN) 389 |
| 3 ANTHONY Jakara (AUS)344 |
| 4 GALYSHEVA Yuliya (KAZ)343 |
| 5 KAUF Jaelin(USA)295 |
| 6 SOAR Hannah (USA) 294 |
| 7 KAWAMURA Anri(JPN) 227 |
| 8 SMIRNOVA Anastasiia(RUS)212 |
| 9 SUMIYOSHI Kisara (JPN)191 |
| 10 JOHNSON Tess (USA)184 |
▶男子
| 1 KINGSBURY Mikael(CAN)660 |
| 2 HORISHIMA Ikuma (JPN) 515 |
| 3 CAVET Benjamin(FRA)386 |
| 4 GRAHAM Matt(AUS)286 |
| 5 WALLBERG Walter(SWE)284 |
| 6 REIKHERD Dmitriy (KAZ)196 |
| 7 ELOFSSON Oskar(SWE) 187 |
| 8 ELOFSSON Felix(SWE) 160 |
| 9 DUMAIS Laurent(CAN)159 |
| 10 THEOCHARIS Sacha(FRA)157 |
女子はラフォンがすでに6勝(昨季はシーズン4勝)で636点。これを追いかけている第2グループの選手たちが200点台後半~300点台だ。
今季は残る6戦なので、今後獲得できるポイントは最大600点(全戦優勝)で、最小が0点(全戦DNF、DNS、または欠場など)。ラフォンが万が一、何らかの理由で以後1点も獲得できなかったと仮定すると、数字の上では29位の選手(38点)までに優勝の可能性があることになる。ただ、それはあくまで万が一の話であり、その安定感を考えると、彼女の3連覇の可能性は大きい。
では、第2グループの選手達が付け入るスキはないのか? 多少、強引にそのカギを見出すとすれば、ヒントは第7戦の結果にある。第6戦まで連勝だったラフォンは今季初めて崩れ7位。このレースはDMだった。
実はラフォンはここ3シーズン、DMで6戦中2戦しか優勝していない(過去4シーズンなら9戦中2勝)。'19季より採点方法が変わったので'18季以前のデータは参考記録扱いが正しいのかもしれないが、ともかくDMでの勝率が高いとはいえないのだ。そして、 残る6戦中4戦がDMだという現実がある。300点以上という点差を考えると簡単ではないが、DMを4戦も残した段階で、第2グループの選手たちに大逆転のチャンスはゼロではない!?
男子はまた状況が違う。唯一の500点台で660点のキングズベリーのすぐ後ろを走っている堀島には、ホームであるたざわ湖での2戦があることもあり、まだまだ逆転の可能性は十分。ここでもカギはDMにあり、できるだけビッグファイナルではない段階でキングズベリーと対戦し、勝利するということが続けば、念願の総合優勝も現実的なものになる。
さて、次回は2月22~23日のたざわ湖での2戦だ。雪不足から一時は大会開催が危ぶまれたが、その後、降雪があり中止の心配はなくなった。この2戦はカザフスタン、ロシア、スウェーデンでの終盤戦の流れを決める重要なレースとなるだろう。川村あんり、松田颯、伊原遥香ら、今季W杯デビューですでに結果を出している新星たちの自国でのパフォーマンスも楽しみだ。
STEEP
スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/
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