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スキー コラム 2019年12月5日

W杯オンリーの4年に1度のシーズン 13戦のサバイバルレースが展開される

ブラボー!!モーグル by STEEP
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例年、日本勢が表彰台に上がることが多い秋田たざわ湖は大会は今季も2戦開催

 ‘20季は五輪や世界選手権のない、もうひとつの4年に1度のシーズン。選手たちはW杯に集中することになる。全13戦、恒例のフィンランド・ルカで開幕し、アジア、北米、ヨーロッパと各地をバランスよく転戦するスケジュールだ。DMが5戦あるのも‘20季の特徴だろう。
 恒例の秋田たざわ湖大会は2/22-23に予定されている。第3戦から第4戦までが1カ月以上空くが、その後、選手たちは北米での中盤戦から、スウェーデンでの最終戦まで、中休み期間のない持久戦的な展開が強いられる。コンディション作りが大きな課題となるだろう。
 なお、日本チームからは、男子は堀島行真、藤木豪心、四方元幾、杉本幸祐、女子は星野純子、冨髙日向子、住吉輝紗良などに加え、ニューフェイスの松田颯、 伊原遥香、川村あんりらに出場のチャンスがある。


●W杯スケジュール      
日程会場種目
12/7ルカ(FIN)MO
12/14タイウー(CHN)MO
12/15タイウー(CHN)DM
1/25トレンブラン(CAN)MO
2/1カルガリー (CAN)MO
2/6ディアバレー (USA)MO
2/8ディアバレー(USA)DM
2/22たざわ湖(JPN)MO
2/23たざわ湖(JPN)DM
3/1アルマトイ(KAZ)DM
3/8クラスノヤルスク(RUS)MO
3/14イドレ(SWE) MO
3/15 イドレ(SWE) DM

W杯8連覇というのは、世界のスポーツシーン全体で見ても驚異的な記録である


絶対王者のV9か? それとも堀島の王座奪還か?

ここからは、男女別に今季の見どころをチェックしておきたい。
男子モーグルの最大のテーマといえるのが、「堀島行真はキングズベリーを倒せるか?」だろう。キーワードは“1440”である。
 '19季開幕戦で堀島は、モーグルでは世界で初めてコーク1440にトライし、失敗した。これに対しキングズベリーは、堀島との対決となった秋田たざわ湖大会DM決勝で初トライし見事成功。その勢いで8年連続となる総合優勝を決めた。絶対王者は衰え知らずで、前人未到のW杯10連覇、2大会連続五輪金メダル獲得など、次なる大目標に向けてモチベーションを低下させる気配がない。

 一方で、その座を奪う可能性がもっとも高い選手を挙げるとすれば、やはり'19季総合2位(日本人男子史上最高位)の堀島である。ハマれば優勝もある堀島にとって、弱点となるのが転倒や失敗が頻繁にあること。そこが、ほとんど取りこぼしのないキングズベリーとの大きな差ともいえる。このオフ、1440を完璧にマスターしてくると考えられる堀島が、長丁場のW杯で安定したリザルトを残すことができれば、総合優勝の可能性も一気に高まるのだ。

 さて、この2強に続く“第三の男”は誰か? マット・グラハム(AUS)、ベンジャミン・キャヴェ(FRA)、ドミトリー・レイヒャード (KAZ)ら表彰台の常連たちに加え、注目に値するのが19歳のウォルター・ウォルバーグ(SWE)だ。昨季、表彰台に4度上がり、総合4位と大ブレイク。身長184cmの巨体を駆使したエアは大迫力だ。もし、総合優勝争いに絡んでくるのなら、ラスト2戦が地元スウェーデンで開催されることは大きなアドバンテージとなるだろう。

 本来ならばここに、'19世界選手権でMO、DMでともに銅メダルを獲得した原大智の名前も挙げたいところ。しかし、原はセカンドキャリアとして競輪選手への転向を視野に、'19年春より1年間、競輪学校に通っており、今季はモーグル選手としての活動を休止している。

荒削りなところが魅力のウォルバーグだが、その完成度が挙がれば次期チャンプの候補となる

エア技術の進化がようやく進む。ラフォンの天下は続くのか

 女子は'18季に大会ごとに優勝者が変わるまれに見る大激戦が展開されたが、'19季はそこからペリーヌ・ラフォン(FRA)が頭一つ抜き出てW杯総合2連覇を達成。平昌五輪も制覇した勝負強さもあり、新女王の座を確固たるものにしつつある。ここで、“しつつある”としたのは、まだ、それが揺るぎないものではないからだ。

 確かに、'19季に開催されたW杯9戦ですべて表彰台に立ち、4戦で優勝したラフォンの安定性は眼を見張るものがある。また、’19季はコークを試しはじめ、それをシーズン中に完成に近づけるなど技術の進化も特筆に値する。

 しかし、W杯総合2位のジャエリン・カーフ(USA)も2戦で優勝しているし、昨季、大きくランクアップを果たしたジャカラ・アンソニー (AUS)、さらに2000年代生まれの初のW杯優勝者テス・ジョンソン(USA)は、まだまだ伸びしろがたっぷりありそうだ。13戦あるW杯のなかで、上手く波に乗れば彼女たちが打倒ラフォンを果たすチャンスは十分にあるのではないだろうか。

 女子もカギとなるのはエアだ。今から10年ほど前に上村愛子がコークを飛んでいたが時期があるが、その後はそれに追随する選手がほとんど現れなかった。女子のエア技術は一時期、進化がストップした……というより後退した歴史がある。ところが、ここ数年の激戦状態のなかで、ライバルに差をつけるためにエアの難度を上げた選手が徐々に登場してきた。カーフ、アンソニー、ジョンソンらは間違いなくそこに磨きをかけてくるだろうし、もちろんラフォンもしかりだろう。高いレベルでのバトルが期待できそうだ。

 一方、日本の女子は一時、低迷が懸念されたが、'19季は星野が総合8位、冨高が総合9位と堂々たるリザルトを残した。30歳になった星野の健闘は称賛に値するもの。また、若い冨高は、そろそろ表彰台に上がってもおかしくない勢いがある。里谷多英、上村愛子、伊藤みきと引き継がれたバトンを、彼女たちは落とすことなく、しっかりと握りしめて走り続けているのだ。  このコラムでは’20シーズンも、J SPORTS で中継されるW杯各戦の動向を追いかけていきたい。楽しみな季節がいよいよ始まった。

ラフォンは貫禄を増してきたが、安定政権を築いた訳ではない。だからこそ、女子は面白い展開となりそうだ

STEEP

スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/

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