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スキー コラム 2018年12月26日

大きな波乱はなかったが、新興勢力台頭の予感に満ちた序盤戦

ブラボー!!モーグル by STEEP
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フィンランドのルカで開幕した今季のW杯は、2018年末までに全3戦が行われている。
リザルトと照らし合わせながら、序盤3戦までの状況を確認しておきたい。

Result

開幕戦 フィンランド・ルカ大会MO
男子
1 ミカエル・キングズベリー(CAN)
2 ベンジャミン・キャヴェ(FRA)
3 ウォルター・ウォールバーグ(SWE)
女子
1 ペリーヌ・ラフォン(FRA)
2 ユリア・ギャリシェバ(KAZ)
3 テス・ジョンソン(USA)

第2戦 中国・タイウー大会MO
男子
1 ミカエル・キングズベリー(CAN)
2 堀島行真(JPN)
3 ドミトリー・レイヒャード(KAZ)
女子
1 ジャエリン・カーフ(USA)
2 ジャカラ・アンソニー(AUS)
3 ペリーヌ・ラフォン(FRA)

第3戦 中国・タイウー大会DM
男子
1 ミカエル・キングズベリー(CAN)
2 オスカー・エロフソン(SWE)
3 ベンジャミン・キャヴェ(FRA)
女子
1 ジャエリン・カーフ(USA)
2 ペリーヌ・ラフォン(FRA)
3 ユリア・ギャリシェバ(KAZ)

絶対王者の牙城は揺るがず。サプライズを起こしそうなスウェーデン2選手に要注目

ミカエル・キングズベリー

総合8連覇に向けて滑り出し快調のキングズベリー

男子は結局のところ、“絶対王者”ミカエル・キングズベリー(CAN)がこれまでとなんら変わらない、まったく衰えないパフォーマンスで3連勝。意外性のない展開が続いている。現段階で総合順位2位は、開幕戦2位、第3戦3位のベンジャミン・キャヴェ(FRA)。昨シーズンは不調で、平昌でも見せ場を作れなかったフランスのエースが本来の力を発揮している。

総合順位は以下、それぞれ表彰台1回の堀島行真(JPN)、ドミトリー・レイヒャード(KAZ)、そしてスウェーデンの新鋭・ウォルター・ウォールバーグが続く。ウォールバーグは荒削りながら、エアの爆発力など見どころ十分な17歳。今後、大ブレイクの可能性を感じさせる逸材だ。

もうひとり、第3戦のDMで、W杯出場5戦目にして2位になったオスカー・エロフソンもスウェーデンのアップカマー。この北欧2選手は今後、W杯の勢力分布図を大きく変える存在かもしれない。

今季も混戦模様は変わらずか!? 優勝2回のカーフが今のところトップを走る

ジャエリン・カーフ

カーフは昨季も優勝回数はラフォンを上回っていた

前回のコラムで、「平昌金メダリストのペリーヌ・ラフォン(FRA)は必ずしも他を大きく引き離した存在ではない」といった旨を書いたが、女子はやはりその通りになりそうな展開だ。

これまでの3戦で、ジャエリン・カーフ(USA)が2勝で総合ランキング1位。ラフォンが1勝で総合2位。そこに表彰台2回のユリア・ギャリシェバ(KAZ)が続いている。

注目したのは、総合順位の4位以下。4位のジャカラ・アンソニー(AUS)、5位のテス・ジョンソン(USA)は大混戦の女子をさらに面白くしてくれそうな要注目の新鋭だ。

一方で、ブリトニー・コックス(AUS)、ジャスティン・デュフォー-ラポイント(CAN)は出遅れ、それぞれ総合12位と18位。ただし、この両者が巻き返しを図る時間はまだまだ十分にある。

JAPANチーム男子2強は予想通りの活躍。女子は3選手が世界選手権出場権を得る

予想された通り堀島行真、原大智はトップ戦線で健闘。第2戦で2位表彰台に上がった堀島は第3戦の段階で総合3位。原は第3戦の予選落ちが響き総合では10位だが、第2戦ではスーパーファイナルに進出している。

一方、今季はあまり期待されていなかった女子は、まずまずの健闘といえるだろう。W杯出場3シーズン目の冨高日向子が、第3戦タイウー大会DMで4位で総合6位。そして、日本選手最年長(29歳)の星野純子が目立っている。開幕戦は7位、第2戦タイウー大会MOでスーパーファイナルに進み6位。かつて、複数のW杯表彰台経験もあるベテランが30歳を前に奮起しているのだ。

さて、そんなJAPANチームだが、2月に行われる世界選手権には誰が出場できるのだろうか?
SAJが公表している条件は次の2つだ。

(1) 2018/2019 シーズンの FIS WC 予選通過者
※該当者多数の場合は、個人エントリー締め切り日時点での WC 種目別スタンディングス 上位から順に選考する。
(2)前回世界選手権大会種目別優勝者

(2)は前回大会のMO、DMで優勝した堀島のみが該当。他の選手は今からどうすることもできない。

さて、注目すべきは(1)だ。第3戦までの段階で、この条件を満たしているには男子は堀島、原、女子は冨高、星野、そして開幕戦で決勝に進出した住吉輝紗良だ。ほかに、今季、W杯メンバーに選ばれている藤木豪心、四方元幾にも過去の実績を考えると十分にチャンスはあり。年明けの北米ラウンドは、その視点でもチェックしていきたい。

堀島行真

堀島の実力はホンモノ。今後の北米ラウンドでは優勝を狙う

冨高日向子

冨高は経験を積んでどんどん成長している。初の表彰台もあるか?

STEEP

スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/

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