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史上初のアジア5連戦が開催されるなど新展開がみられた今季のW杯。
男女ともに秋田たざわ湖大会終了時点で、クリスタルグローブの行方は決まっていたが、最後の中国での2戦も緊張感の高いレースとなった。
女子の表彰台は2大会とも同じ顔ぶれに。第10戦モーグル(シングル)は、上からペリーヌ・ラフォン(フランス)、ジャスティン・デュフォー-ラポイント(カナダ)、総合優勝者のブリトニー・コックス(オーストラリア)という順位だった。
最終戦デュアルモーグルはブリトニーが有終の美を飾り、ペリーヌ、ジャスティンと続いた。
この結果、総合ランキング2位はペリーヌとなり、総合2位が定位置(5年連続)だったジャスティンが3位に陥落した。
一方男子は、6年連続総合優勝を決めたミカエル・キングズベリー(カナダ)がモチベーションを落とすことなく、ほぼ完璧なパフォーマンスを見せ連勝。
アジアでの5連勝を含むW杯7連勝。自身の連勝記録に並んだ。
女子と違い、中国大会2戦での男子にはサプライズ的結果もあった。
第10戦でブロディ・サマーズ(オーストラリア)、最終戦でマルコ・タイド(スイス)と、表彰台未経験だったニューカマーがそれぞれ2位となったのだ。
特筆点がもうひとつ。最終戦ではマット・グラハムが3位となり、表彰台にオーストラリア選手2名が上がるという展開に。
なお、男子の総合2位はベンジャミン・カヴェット(フランス)で、前述のマット・グラハムが3位に。
つまり、男女ともにカナダ、オーストラリア、フランスの選手がトップ3に入ったという図式だ。全体的にみて決してカナダの戦力が落ちたわけではない。だが、その一強時代は終幕した印象であり、新たに三強国時代が到来したといった印象だ。
最後に日本チームについても触れておきたい。
今季の日本勢は国内での国際大会(W杯秋田たざわ湖大会、アジア大会)や世界選手権に標準を絞るためか、一部の海外大会出場を見送ったこともあり、トータルで総合順位は決して高くなかった。
男子の最高位は原大智(チームジョックス)の17位。そこに遠藤尚(忍建設スキー部)が18位、堀島行真(中京大学)が19位と続いた。女子のトップは伊藤みき(北野建設スキークラブ)で37位──。
ただし、原、遠藤、堀島が表彰台に肉薄、負傷欠場中だった西伸幸(マンマーノフーズ)・星野純子(チームリステル)の復活、堀島、村田愛里咲(行学学園)のアジア大会優勝など五輪シーズンへ希望を残す場面もあった。
そして、W杯終了後にスペインで行われた世界選手権で、堀島が絶対王者ミックをやぶり2冠達成(モーグル、デュアルモーグル)という予想外のドラマが待っていた。堀島はこれで一気に世界からマークされる存在となった。
‘18季は堀島が五輪メダルを射程に入れ、ライバルの原は一層の飛躍を期し、一方で西、遠藤、伊藤みきらベテラン勢が最後の勝負をかけるシーズンとなろう。
気の早い話だが、4年に1度の冬の到来が今から待ち遠しい。
STEEP
スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/
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