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スキー コラム 2015年12月22日

華麗なる4ヒルズ、葛西紀明めざせ哀愁の表彰台!スキージャンプFISワールドカップ/ジャンプ週間・プレビュー

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
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スイスのエンゲルベルグ、そこには首都チューリッヒからのんびりと電車に乗っていく旅だ。途中から登山列車となるがごとくトコトコと昇る。それもまたいい雰囲気にある。
終着駅に到着してあたりを見回すと、彼方に標高あるティトリス山が聳え、その麓の盆地にきれいに街が広がっていた。
食事は、チーズが旨いスイス料理、しかし日本チームは宿のレストランに醤油や日本製のサラダドレッシングなどを持ち込み、やや純日本にして短時間で野菜などを静かにもぐもぐと。そこでピッザやビールなどカロリーの高いものはご法度だ。
それがジャンプ選手の遠征中における質素な食卓風景。

日頃から葛西紀明(土屋ホーム)は体重をぴったりと60㎏に合わせている。
そのために断食は恒例、ここぞというときには、ぬるめなブラックコーヒーをゆっくりと流し込んで胃の中を和ませている。ほんとうはお腹が空き過ぎていているのに。
とにもかくにも節制が第一の日本選手たちだった。

12月19日、エンゲルベルグW杯で3位に入った葛西は、いつもながらの安定する追い風、バックウインドを味方につけた。その影響で強豪選手がぼたぼたと落とされるなか、後半で低く伸びるジャンプを披露、それもテクニシャン・カサイしかも2本ともにサッツを柔らかく合わせてきた、しびれるほどに。
それは、函館の暖かい温泉での癒しタイムが成功、この時期の帰国は大正解であった。

日本チームは依然としてW杯代表の選手6枠を確保している。
その勢いと良き流れを持って、伝統のジャンプ週間(4ヒルズトーナメント)に突入だ。
これはドイツのオーベルスドルフ(12月29日)、ガル・パルと略されるガルミッシュ・パルテンキルヘン(1月1日)、そしてオーストリアに移り日本になじみ深いインスブルック(1月3日)、荒くれもの庶民派ながらのビショフスホーフェン(1月6日)の伝統あふれる4連戦だ。
大観衆の開幕オーベルで先を予想し、ガル・パルでまったりと高貴な風に包まれ、インスではあのザハデザインの特徴ある台で果敢に飛ばし、最後のビショフだけが異様な雰囲気でドイツとオーストリアの因縁にあふれつつ、その危ない群衆に囲まれないよう気を配りながらなのである。

今季は五輪や世界選手権の開催がなくこのジャンプ週間が一番のメジャーゲームとなる。それだけにその4試合における個人総合優勝はそのもの強者の証しとなる。

試合会場では、観衆の皆さん、飲み歌いのうららかな姿がみられる。そこにはたくさんの出店があり、グラッシュスープ、からしつきのソーセージ、濃い味のカフェで気合を入れて、ビールをガブ飲み、あるいはホットワイン、グリュネワインで暖を取りながら国旗をおおらかに振り回しての大声援だ。

かつてインスブルックで表彰台にかぶりつきながらの撮影のとき、そこでは金髪の葛西がカミカゼと言われ力感あふれるガッツポーズだった。いまではそれがレジェンドと変わり、拍手が鳴りやまず。長年のジャンプライフは、本当にリアル・レジェンドなのである。
また異彩を放ったのは風林火山の8本もの黒い幟。それは五輪金メダリスト船木和喜選手の勝利を願い、これをせり上がりのフィニッシュゲート直下に打ち立ててしまったフナキファン御一行もいたのだから素晴らしい。あのときは、親しくしていた幾人もの地元記者や欧州フォトグラファーたちに、あれは何?なんの意味があるのだろうと根掘り葉掘り聞かれたことが思い出される。
「えーと、のぼりは風を呼ぶ神のフラッグだよ、サムライのね」と、ていねいに伝えた。
すると「おー!」という感嘆の声が上がった。
とにかく、あの頃の日本チームは天下無敵であった。

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