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いよいよ今週末の12月13日土曜、モーグルのW杯が始まる。今回もフィンランド・ルカでの開幕戦だが、シングル(MO)からデュアルモーグル種目(DM)への開催に変更されたのが興味深い。
五輪種目のモーグル種目(MO・シングル)とは異なり2人並んで滑り、勝った方が次へと進むのがDMだ。予選ラウンドはMO方式で行われるが、決勝ラウンドはノックアウト方式のトーナメントとなる。
これは新たな選手が台頭する絶好の機会にもなる。
もし新人選手がトップ選手を破れば、その選手の自信につながり、同時にジャッジの評価も変わるケースが多い。採点競技だけに、“格付けが変わるキッカケ”となるのだ。
今季もW杯3連覇中の王者・ミカエル・キングスベリー(カナダ)と、4連覇中の女王ハナ・カーニー(アメリカ)が、頭一歩抜けて強いのは間違いない。しかし、地殻変動の予兆はすでに昨季から始まっていた。
ソチ五輪男子では、7位マット・グラハム(オーストラリア)、8位ベンジャミン・カベット(フランス)、10位パベル・コルマノフ(カザフスタン)、12位チェ・ジウ(韓国)などの上位に入った選手の年齢は20歳以下。女子に目を向けると、5位ブリテニー・コックス(オーストラリア)や14位ペリーヌ・ラフォン(フランス)らはティーンエイジャーだ。
男子はミック vs. アレックス・ビロドウ(カナダ、五輪2連覇)、女子はハナvsジャスティン・デュフォー・ラポイント(カナダ、ソチ五輪金メダリスト)という頂上決戦の下で、次期王者候補の躍動がすでに昨季から始まっていたのだ。
この若い選手たちが、W杯第1戦DMでトップ選手をノックアウトできるか?このあたりは、'18五輪までの流れにも左右する可能性がある。
さらに重要なポイントは、ここに挙げたニューカマー達の中に、アメリカ選手もカナダ選手も入っていないところだ。ソチまでの過去4シーズンは、完全に頂点は米加対抗戦だったと言える。しかし、今はオーストラリアの勢いがよく、韓国、カザフといったアジア勢の台頭が印象的。ベンジャミンはフランス代表だが、スキー選手では稀なイギリス出身だ。
これからは混沌とした、戦国時代に突入しそうな雰囲気なのだ。
もちろん、その渦中には日本チームも入っている。
今回のルカW杯には、男子は遠藤尚(忍建設)、西伸幸(白馬村スキークラブ)、吉川空(NISEKO B&J)、小林樹生(白馬村スキークラブ)、田中陸也(チームサンガリア)、堀島行真(岐阜第一高校)、女子は星野純子(チームリステル)、伊藤さつき(立命館大学)、岩本憧子(中京大学)、伊藤あづさ(チームサンガリア)が参戦予定メンバーだ。
昨季、W杯猪苗代大会デュアルで王者ミックと互角以上に戦った遠藤は、今や世界の頂点を期待すべきであり、昨季表彰台2度の星野、成長著しい伊藤さつきも楽しみな存在だ。
さらに、ダブルフル&コーク1080という、王者並みのエアトリックを持つ日本の高校生・堀島が、W杯で勝負できるか!?
とにもかくにも、新たな戦いがここから始まる。
今季、変更した注目点が他にもあるが、それは第1戦を確認したうえで、またご報告しよう。
STEEP
スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/
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