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スキー コラム 2014年1月30日

日本選手団主将の葛西、得意のビリンゲンを攻略する = スキージャンプW杯・ビリンゲン/ドイツ プレビュー

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
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日本選手団の主将として2月の大役、それを実直に果たそうという意欲あふれる葛西紀明(土屋ホーム)だった。さすがである。 しかし、逆の見地からすると確実にメダルを狙うならば、ノルディック種目が行なわれる山間部にとどまり集中を養い、抜群の調整力を持って試合に望むのが、ベターであろうとの声が聞こえ始めた。 市内での開会式、そこからの移動もろもろ。人一倍、気づかいできる彼のこと、にこやかにすべてをこなすであろうが、ともすれば競技への焦りなどが芽生えてくるのでは、との懸念が生じてきてもいる。

とくに海外のライバルが10人を超える男子ジャンプだ。 研ぎ澄まされた神経と、とことんまで自分を追い詰める厳しき心、そして良き風。これらのすべての条件がそろった幾人かが表彰台に上がる。 そこに着実に食い込んでいくためには、つねに朝から晩までジャンプ漬けの日々を送らなければならない。 メダルとは、男子も女子も、そんな簡単には手に入らないものなのだ。

さて今週末に迎える、飛ばせ台のビリンゲン(ドイツ)のW杯2試合。 ここはもとから葛西選手が得意とする面の長いシャンツェで、ランディングバーンが長くとられ、しかもだらだらとやや斜めに落ちていく特殊な台だ。 あるときは優勝150m近くにもなり、北ドイツの観客は大いに熱狂をみせる。 ここで上位に入り、その勢いを持ってオリンピックへと向かいたい。

上位に近い有力選手では、アマン(スイス)は入念な調整を施し、しかも絶妙な駆け引きをみせる。名門オーストリアチームでは、ジャンプ週間個人総合優勝のディートハルト、落ち着きあふれる王者シュリーレンツァウアー、忌まわしきフライング台クルムの大転倒から回復を見せたモルゲンシュテルン。札幌W杯の出場選手ではコフラー、ロイツル、若きクラフトにフェットナーなど仕上がり上々。 札幌の選手滞在ホテルで、エレベーターが一緒になったフェットナーに「世界選手権のときにはずれてなくなった右スキーはどうした?」とジョークを込めてにこにこと問うと、「ああ、チームのサービスマンが見つけてくれたよ(笑)」と爽やかに応えてくれた。好感の青年であった。

さらに休養充分なアホネン(フィンランド)、バーダルやヤコブセンにヒルデなど飛ばし屋が揃うノルウェー、フロイントやべリンガーなど安定路線に入った地元ドイツ。 ポーランドにはまとまりが出てきており、札幌W杯で表彰台を独占したスロベニアに若手の勢いの良さがみられる。

日本はレジェンド葛西を軸に、体調を崩していた竹内択(北野建設)が復帰、調子をコントロールしている伊東大貴(雪印メグミルク)、伸びがある清水礼留飛(雪印メグミルク)、長身から果敢に飛ばす渡瀬雄太(雪印メグミルク)で、ビリンゲンで調子を上げ、2月にはなんとしてもラージヒル団体戦のメダルを狙いところだ。

注目の女子ジャンプではW杯個人総合首位を走る高梨沙羅(クラレ)と先頃ノーマルヒルトレーニングを開始した女王サラ・ヘンドリクソン(アメリカ)、そこに大型ジャンパーのフォクト(ドイツ)、地元でメダルを目指すアバクモバ(ロシア)、プラニツァで2連勝したベテランのイラシュコ(オーストリア)、実力者マッテル(フランス)などが表彰台の候補。出場は30人。有力なザイフリーズベルガー(オーストリア)が膝の故障で出場しないのが残念。 また団体戦があれば選手層が厚いドイツの勝利、そこにスロベニアが続くという流れにはなりそうだ。

〔写真1〕ジャンプ週間中は国内に残り順調な調整を続けた清水礼留飛(雪印メグミルク)
〔写真2〕ここにきて体調も上向きな状況にある伊東大貴(雪印メグミルク)
(クリックで写真拡大)

〔写真3〕地元札幌で飛ぶ葛西紀明(土屋ホーム)はジャンプに力みが出てしまった
〔写真4〕五輪選手団の主将を務めつつメダルを目指す葛西紀明(土屋ホーム)
(クリックで写真拡大)

〔写真5〕札幌で表彰台を狙った伊東大貴(雪印メグミルク)だがひとケタ台に終わった
〔写真6〕好調のまま上昇機運に包まれるスロベニア勢。左からプレフツ、W杯初優勝のダミアン、フライングが得意なクラニエツ
(クリックで写真拡大)

Photo & Text by 岩瀬孝文

岩瀬 孝文

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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