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伊藤みき、靱帯損傷!
開幕戦の結果より前に、トレーニング中に起こったハプニングが、今季モーグルW杯の最初のニュースだった。
「怪我をしたことに全く後悔していなくて、私は死んでいないし、これですべてがなくなったわけじゃない。この怪我で目標を変えるのはおかしいと思ったので、目標を変えずに五輪まで突き進もうと思います」
体力的、技術的、年齢的に絶好のタイミングの五輪だけに、あきらめられないのはよくわかる。競技人生をも短くしかねない、極めて大きなハンディを背負ったことになるが、持ち前の負けず嫌いの根性で乗りきってくれることを祈るしか、応援するものとしての手立てはない。
心配だが、頑張ってほしい。
かつて、'02ソルトレーク五輪時にエヴァン・ディヴィッグ(アメリカ)が、やはり似た時期に靱帯を損傷しながら、厳しいアメリカ五輪代表争いを勝ち抜いたというドラマがあった。日本チームコーチのヤンネ・ラハテラ(フィンランド)は、五輪ほぼ1年前の靱帯断裂という怪我から、本番でも膝の痛みを抱えながら金メダルを獲ったという経験がある。
そんな前例があるのだから、伊藤みきだって奇跡は起こせる!
上村愛子3位! 遠藤尚3位!
2013-2014シーズン('14季)W杯開幕戦において、みきのアクシデントを除けば、日本モーグルチームとしては好スタートを切ったと言える。ベテラン、西伸幸も7位と復活の滑りを見せた。
しかし、表彰台経験もある村田愛里咲が23位、男子3番手は四方元幾の22位。新勢力が伸びていないところには不満が残る。'10バンクーバー五輪で19歳だった遠藤尚と村田愛里咲が入賞したような、新鮮な戦力アップを期待したいところだ。
さて、日本勢以外の世界頂点争いに目を向けると……。
男子は、ミカエル・キングスバリーとアレックス・ビロドウのカナダ2強対決が、ますます興味深いものになった。
第一ポイントは、アレックスがしばらくほぼ封印していたエア、コーク1080を使用したことだ。これでダブルフルとコーク1080の組み合わせという、王者と同じ最強エアで戦うこととなった。このまま成功し続けられれば、ミカエルの最大のアドバンテージをなくしたことになる。
その反面、予選、決勝、スーパーファイナルのすべてで、ミカエルがアレックスを滑走タイムで上回った。これまでスピードで分があるはずだったアレックスにとって、この点で負けたことは今回の敗因のひとつ。
最強エア復活のアレックスと最速ターンを身に付けたミカエル。このバトルが五輪でどう決着がつくか、ますますヒートアップしていきそうな雰囲気だ。
女子は、ハナ・カーニー(アメリカ)の、まさに女王の余裕を感じさせた。予選はブリテリー・コックス(オーストラリア)、決勝は上村愛子に首位を譲りながら、スーパーファイナルでターン、エア、タイムともにトップ。他が24点台も出せないなか、ただ1人25点台(25.07点)で快勝した。大会中に滑りに修正を加えて、結果として優勝。お見事! としか言いようがない。
開幕戦を見た限りでは、男女の王者、ミカエル・キングスベリー(カナダ)とハナ・カーニー(アメリカ)は、やはり強い! という印象を植え付けた。
しかしながら、ブリテリー・コックスとマット・グラハムという、オーストラリアの10代選手の台頭も見逃せなかった。
デイル・ベッグ-スミス(オーストラリア)、ギルボー・コラ(フランス)、2人の元王者が復活した。女子で3D系エアを使う選手が続々登場している。などなど、今後さらに注目すべきポイントが多くなった。
年明けの北米W杯シリーズでは、ドラマがいよいよ本格的に展開し始める。
Bravoski(ブラボースキー)
2021年に創刊40周年を迎える双葉社発刊のスキー専門誌。‘90年代中盤からフリースタイルスキーに着目し、‘98年長野五輪・モーグル種目で里谷多英、上村愛子らが活躍してモーグルが一大ブームとなる。現在ではフリースタイルスキー(パウダー、パーク、モーグル)の専門誌として年間3冊発刊している。ウェブマガジンSTEEPではスキー・スノーボードの様々な情報を毎日更新中。
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